キム・ジョンイル氏の逝去とジョンウンへと世襲・・・ | 宮城県大崎市の学習塾、進学塾「あるふあゼミナールのブログ」

キム・ジョンイル氏の逝去とジョンウンへと世襲・・・

朝鮮民主主義人民共和国のキム・ジョンイル主席が

急逝したと今日の正午に報道されたが、どうやら後継

は三男のジョンウンと予定通りらしい。


日本には万世一系をうたう天皇制があるのだから

これを以って世襲制の云々は出来ないだろうが

社会主義国家を標榜する体制における世襲制は

それ自体で、奇異な感があるのを否定できない。


民主主義を最も徹底していこうとするのが

社会主義の理想なのだが、多くの社会主義、あるいは

共産主義を標榜した国家体制がその理想通りには

進めなかった。ソ連邦という史上初の国家が

スターリンの支配体制の中で、多くの虐殺と共産党官僚の

支配の中で、理想を現実の体制のなかに創りだす努力を

放棄した時から、共産主義は人類の理想を体現する

概念ではなくなってしまった。

共産党(労働党でも何でも名称はさておき)の党官僚と

行政的な官僚組織が労働者独裁の名を借りて

独善的な権力性を行使する、新たな障害となってしまった。


人間はかくも自らを統治することにおいて、軟弱な

ものだったのだろうか。

サルトルやボーボワール、それでも「希望」を書いた

アンドレ・マルローなどの思想の動きをみると

この共産主義の理想の崩れゆく様を痛切に見ることが

出来る。いまだに人類は実はこの場所から一歩も

前進できずにいる。 歴史上の課題なのである。


北朝鮮の労働党支配の体制もまた、社会主義、共産主義の

名の下での硬直化した国民支配に他ならない。

その体制がそんなに長く続くものではない事も人類の歴史は

示しているのだが、北朝鮮において今後どのような変化が

起こり得るのか予測は出来ない。良い方に予測できないのである。

自ら権力を解体できる権力者はいないのだという。

とすれば、国民の血で購われるまで独裁が続くという

事になるのだ。流される血がいかに少なく済むかという

問題となる。このところアラブ世界のオレンジ革命なる

権力の転換が話題となったが、それでもまだ、人類は

理想的な権力の転換を果たしていく英智を実現してはいない。


アメリカのオバマに対する期待や、かつてのソ連邦における

ゴルバチョフ大統領、ポーランドのワレサ、ひいてはプラハの

春を率いたドプチェクらがおり、キューバのカストロやゲバラや

ベトナムのホ―・チ・ミンなど先人は、時として人類の理想の

扉を開けて見せてはくれているのだが・・・・・

人類の英智は、まだまだ到達できないでいる理想世界が

あるということであろうか。