姪っ子へ
大好きだと言っていたので、お誕生日に買ってあげたら、喜んでくれたね。
「ケーキより、きゅうりの方がよかったな」と言っていた、あの頃。
何だか不憫でならなかったけれど、
君はもうすっかり女の子になってしまったんだね。
もうすぐ卒業式か。
そして4月から中学生になるんだね。
君のママも、このおじちゃんも、
そして、じじも通った学校に、君は通うんだね。
じじやばばに対して使う言葉は、決して褒められたものではないけれど、
「いってきます」や「ただいま」、「いただきます」や「ごちそうさま」、
「ありがとう」と必ず言う君に、安心しています。
ひとつ注文をつけるならば、「ごめんなさい」も言えるといいね。
3月生まれなんだから仕方がないよと言い続けてきましたが、
病気もせずに12年間、元気に育ちました。
それだけで満足です。
うんちができなくて、顔をまっかにしながら、
両の手をにぎにぎして、苦しそうな声をもらしている時、
君のおなかをさすり、こよりをしたっけね。
背中に近いおしりの後ろ側まで、たくさんのうんちが出た時に、
おむつを開けてビックリする僕に、微笑んでいた君の顔が忘れられません。
その貴重な1年間、君の父親役と母親役を体験でき、僕も成長できました。
運動神経がいいはずのうちの家系にあって、
どこに落としてきたのか、それがまったく感じられない君でしたが、
「今年は3位になれるかもしれない」と得意気に言い、
その通り最後の最後で見事に追い越して、徒競走で3位になった時、
徒競走で1位にしかなったことがない自分も妹も、そしてじじも、
今まで感じたことのない喜びを味わうことができました。
低学年の子の徒競走で、4位になった子の手を引いて、
旗のところまで連れていく係であるにも関わらず、
その子の手を引いたまではよかったが、どこに連れていくのかわからずに、
同級生の他の子に、君が手を引いて連れていかれたことは、
一生笑い話として話したいと思います。
「1番がいい」と言って聞かなかった君だから、本当は「1番」になりたかったでしょう。
同級生の後ろをついていく妹的なポジションの君だけれど、
家族にとって、君はいつも「1番」です。
それと、僕は君のおじさんにあたる訳ですが、
君は僕を、「ぼ」にアクセントをおいて、「ぼじちゃん」と呼びますね。
「だって、ぼじちゃんはぼじちゃんなんだもん…。」
よくわかりませんが、これからもずっとそう呼んで下さい。
ぼじちゃんより
親父へ
マカロンです。
ホカロンじゃありません。
でもそのひとことで、みんなの心があったまりました。
母ちゃんとともに、長生きしてくれよな。
息子より