フィルムウェイズ社のパンフレット
ここに一冊の古い大判のパンフレットがある。
その筋では有名な Toy Hawks というところが秘蔵していたもので、
eBayに出品されて、すごい値段になっちゃったが、私がついイキオイで落とした(笑)。
目ざとい とおるさんに、に~ぜきさんが落としたんですよねと、感心された(あきれられた?)逸品だ。
これのどこがブレラン的に貴重かと言うと、これはフィルムウェイズ社のプロモパンフなのだ。
フィルムウェイズ社というのは、みなさんよくご存知のとおり、最初にブレードランナーを製作しようとした会社。
これはフィルムウェイズ社が、80年に、これから製作する予定の作品をプロモーションするために作ったパンフ
レットであるため、ブレードランナー(82年公開)も企画として載っているのである。
企画の初期ゆえに、プロデューサーと監督の名前は載っているが、まだハリソン・フォードの名前はない。
主演の決定前ということだ。
シド・ミードの絵をトリミングしたものが使われていて、BLADE RUNNER のロゴは適当な間に合わせ・・・・
表紙から順に全ページ写真撮って見ました・・・(クリックすると大きくなります)
このパンフのこういった紹介はもしかしたら世界初かも?
こうしてみると。
いろんな映画の企画でドゥルー・ストゥルーザンらしきイラストレーションが多数使われている。
ちなみに。
私、ストゥルーザンが来日したときに、花束贈呈して直撃インタビューしたという武勇伝を持つのだが、
その時直接 (通訳を通してですが) 聞いた話では、ストゥルーザンは、
ブレランのイラストを何点か依頼を受けて書き、渡した後、それがどうなったか全然知らないという。
つまりミッシング、行方不明だ。
そのイラストは当時の雑誌の広告や、
一冊まるごとブレランの、貴重なスーベニアマガジンの裏表紙、
初期のペーパーバック、などにわずかに使用されている。
しかし、ポスターなどの本格的な宣伝にあたっては、なぜかジョン・アルヴィンのイラストが使用された。
なお、今回のファイナルカットのプロモーションでは、ストゥルーザンの新作が使用され、彼が25年ぶりにリベン
ジを果たしたのはみなさんご存知のとおり。
実はこれ、とおるさんが残念がってるように、トリミングされてスピナーが見えない。
ほんとはこうなってる↓。
話を戻すと、どうもこのパンフを見ると、フィルムウェイズ社とストゥルーザンはけっこう密接な関係があるよう
な・・・その関係から、ブレランの仕事も依頼したのかな・・・・
さてもみなさんご存知のとおり、結局フィルムウェイズ社はブレードランナーの製作から途中で手を引いた。
そのことによる混乱が絵がミッシングした原因なのかな、とも思う。
ただ、ストゥルーザンは、明らかにスチル写真をもとに作画してるので、依頼されたのはだいぶ映画製作が進ん
でからだろうとも思うし、フィルムウェイズ社は早いうち(80年の終わりごろ)に手を引いたというので、無関係か
な・・・・
誰の依頼だったか聞けばよかったね。当時そんなこと思いもよらなかったけど。
さてさて、ところでこのパンフ、いろんな映画の企画がのってるわけだが、私でもわかる作品も多いが、
ナニそれ?というのもある。とおるさんや、ぴむさんあたりは、全部スラスラわかるんでしょうね。
ブレランみたいに不朽の名作に化けた企画、ヒットしたが名作とは呼ばれていない企画、ヒットもせず今ではほ
ぼ忘れられてる企画、実現しなかった企画・・・・いろいろだろう。
人生いろいろ・・・映画もいろいろ・・・・