オーストラリアに次いでニュージーランドも。。。 | NZらいふ:ニュージーランド生活情報、日々の出来事、そして子育て

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案ずるより産むが易し(?)の精神と、楽観的な性格でNZ移住23年。無計画なワーホリ時代を経て、多種多様の仕事を経験。2012年に乳がんにより全摘、抗がん剤、放射線治療を受けました。NZの医療システムについても書いています。
ぷらす、子育て奮闘記!

昨日のニュースで、オーストラリアが「457ビザ」を廃止するというニュースを読んだばかり。

 

「457ビザ」というのは、スキル職の為のワークビザ。

NZで言えば、Essential Skills Work Visaに近いかな?

 

オーストラリアの仕事はオーストラリア人を最優先に雇うべき、外国人労働者は、オーストラリア国内で採用の難しい特殊技能職や、特に優れた技術、経験を持つ者であるべき、という政策によるもの。

 

457ビザも、NZのEssential Skills Work Visaも同じだけどさ。

 

それが本来の目的なんだよ。

国内の技術職不足を埋めるために、海外から高い技術や経験を持つ人材を輸入するという。

 

だけど、長年、これらのビザは、オーストラリア人だったら引き受けないような低賃金で外国人を雇う為に悪用されてきた。

NZでもそう。

特にホスピタリティ業界は、本来低賃金であるべきでないヘッドシェフやマネージャーでさえも、最低賃金もしくは、それに毛が生えたような給与で廻っていたりする。

「求人したけど適任者が見つからなかった」という証明の為に、取りあえず求人広告出しても、単なるダミー広告なんてオヤクソクだしね。

 

なので、個人的には、ビザ本来の原点に戻って条件を見直したに過ぎないと思っているけど。

 

アメリカも大統領が同じようなポリシーを打ち出しているしね。

 

 

 

そしたら今日は、NZのイミグレ大臣からの発表。

 

オーストラリアに右倣えじゃないけど、基本的にはほぼ同じ目的だと思う。

 

Skilled Migrant Categoryで永住権を申請する際の、最低年収が定められた。

 

これも、私は絶対に来るなと思っていたから驚いていないよ。

 

報酬というのは、その仕事の職務内容に従って査定され決定されるものだと思っています。

 

市役所に勤めていた時には、少なくとも職員の年俸は、下記の様に決まっていた。

 

- ポジションを管轄する部署のマネージャーによる、職務内容(Job Description)を人事に提出

- 人事はJDを査定し、市役所の定めるWage band(所得枠)に照らし合わせ、そのポジションに適切と思う年俸を提示する。

- マネージャーは、人事から提示された年俸と部署内予算を考慮し、年俸が高すぎると判断すればJDの見直しをし、人事に再提出。

 

なので、そのポジションが本当に職務内容に沿っているならば、それに見合った報酬があって当たり前。

イミグレが、申請者一人一人の職場に出向いて実際の職務を監査することは不可能なので、年俸によってそのポジションのスキルレベルや、重要度を判断するのは、まぁ、常識的なんじゃないかな。

 

現在の職種が、AZSCO(オーストラリア&NZの職別スキルを決定する機関)の、レベル1,2,3に定められている職種であれば、Skilled Occupation=スキル職と認められる。

これらの職種で、永住権を申請するならば、最低でも年収が$48,859ないとEOIに「雇用ポイント」をクレイムすることができません。

雇用ポイントは最低でも50点だから、これがなければEOI総合160点という条件はまずクリアできません。

 

それか、もしもAZSCOのレベル1,2,3に入っていない職種なら、その1.5倍の、年収$73,299が必要になります。

$73,299って、現実的じゃないと思うのは私だけじゃないと思うけど。

どういう状況かというと、レストランのChefなら年収$48,859で永住権申請ができるけど、キッチンハンド(AZSCOレベル5)でも、年収が$73,299あれば申請できるって事。

でも現実に、キッチンハンドにそんな給料を払う店はないよね。。。

大型トラックの運ちゃんとかは?

レベル4だけど、ガッツリ稼いでいれば???

でもやはり、高給をもらう仕事って、高スキルや高いレベルの資格のある人っていうイメージだけどなぁ。。。

 

 

厳しい事を言えば。。。

 

現在永住権申請を視野にワークビザで働いている人で、今回の改正で定められた年収を大きく下回る給与だとしたら、そこでズルズル働いていても永住権申請できないということになる。。

年収は雇用主に書いてもらうレターじゃなくて、IRDが発行する証明が必要になるはずだし。

給料が「ちょっと足りない」なら、雇用主と交渉しよう。

ただ給料上げてくれ、じゃダメだよ。

自分から目標を提示して、これだけクリアするから上げてくれ、くらいはコミットしないと。

 

今回の発表では、悪い事ばかりでもない。

 

例えば、現在のEOIポイントの年齢によるポイントは、30~39へのポイントは現在より高くなり、年収が$97,718以上の高所得者にはボーナスポイントがある。

 

こちらがSMCの関連ページです。

 

これよりも、もしかしたら深刻なのが、Essential Skills Work Visaの変更かもしれない。

特に現在NZの資格を取得する為に学校に通っている人。
大抵は、卒業後に仕事を見つけてワークビザ申請、という計画だと思います。
勿論、取得しようとしている資格によっては、卒業後にオープンワークビザを申請して、Essential Skills Work Visaをスキップして永住権申請、という人もいるけど。
 
雇用主限定の代表的ワークビザはEssential Skills Work Visaというんだけど、このビザ保持者の配偶者と子供にも大きく影響することになります。
スキル職であると認められる年収がなければ、配偶者は自らのジョブオファーなどがなければワークビザ取得はできませんし、子供は留学生として自らの学生ビザを取得しない限り、ビジタービザでの滞在しか認められなくなります。
 
 
このページにも書いてあるけど、この改正の目的は
 
The proposal would reinforce the temporary nature of the visa and reduce expectations of settlement from temporary migrants with no pathway to residence. Lower skilled Essential Skills workers would take up employment in New Zealand with a full understanding that they would not be able to bring their family. 

ざっと訳すと、

この提案の目的は、このビザがテンポラリーであることを強化し、このビザで一次的に移住している人たちに永住権への道はなく、将来的に永住できるという期待を減らすことにある。Essential Skillsの低スキル労働者は、仕事を受けるに際して、家族を同伴できないことを完全に理解すべきである。

 

ということです。

 

いつの頃からか、Essential Skills Work Visaが、永住権への近道的な扱いになってしまっていたけど。。。

イミグレは常に、このビザはテンポラリーだよ、と言い続けてきましたからね。

それを、ここにきて再認識してもらおうってことです。

 

この改正は、8月14日から施行されるけど。

6月にはもっと詳しい情報が公開されるようです。

 

 

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