【夢小説】君恋し⑦(北大路皐月/シンデレラ) | マドカのラズベリー☆デイズ

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【夢小説】君恋し⑦(北大路皐月/シンデレラ)


俺は彼女を家まで送り届けると、カジノまで戻ってきた。

今年は満ち足りたクリスマスだった。
いつもは仕事がらみのパーティーばかりで心休まる時はほとんどなかったけれど、彼女を過ごしていると、本当の自分でいられるのがとても嬉しかった。

俺は心軽やかにVIPルームをあける。すると。


「ずいぶん、ご機嫌だなぁ....皐月さん」
「ん?遼一、来てたのか」


見ればすでにそこには遼一とノエル、そして千早までがいた。


「みんな、どうしたんだ?今日はクリスマスで出払ってるかと思ったのに」
「僕はチャリティーパーティーの帰りだよ」と千早が言えば。
「もう疲れた....ああいうパーティーやだ」


どうやらノエルは仕事関係のパーティで得意じゃない挨拶をしなくちゃならなかったようだ。
遼一もやけに飲むピッチが速い。


「遼一もパーティ帰りか?」
「ああ、俺は仕事のパーティと接待みたいなやつ。まぁ、退屈なもんばっかりだった。少しはうまい酒を飲もうとここによったら、井岡さんが言ってたぜ?『社長は○○様とお出かけになりました』だと!」
「ああ、一言じゃ語れないくらいのクリスマスを過ごさせてもらったよ」


俺は満面の笑みで言うと、遼一がそれを見て苦虫を噛み潰したような顔をする。

「なんかさ、皐月さんて変わったよな」

タバコの煙を吐き出しながら遼一が言う。


「何がだ?」
「ほら、なんていうか...柔らかい雰囲気によりなったというか、でもどこかもの言わせない強さもあって....時々俺は前以上に皐月さんがこえーとか思うけど?」


俺は思わず笑う。


「なんだ、それは?」
「アイツのせいなんじゃないの?」
「アイツ?」
「そう。○○のせい」
「確かに。皐月さんは彼女と付き合うようになって変わったね」


そう言って千早もノエルまでもがうなづいている。
俺が彼女のせいで俺が変わった......?


「なんていうか、弱点?皐月さんにも弱いとこあったんだなってかんじで」
「遼一?それは違うな。彼女は弱点なんかじゃない。むしろその逆。強みだよ.....」


ニコリと笑うと、遼一は呆れたような顔をして絶句している。


「ま、まぁ、皐月さんが言うなら強みなんだろーけど。いずれにしても影響力大って感じだよなー。で、今日はアイツは?」
「自宅まで送り届けてきたよ。彼女をお前らに会わせる必要はないからな」


俺はそう言ってニッコリ笑う。
千早がクスクス笑うと、遼一はタバコの火を落としそうになっている。

「ったく、ずいぶん大事にしちゃってんじゃないの」

すると、突然VIPルームのドアが開いて、未来が飛び込んできた。


「皐月さん!今日、しおかぜ園に○○ちゃんと来たんだって?」
「未来、お前はもう子供達とのクリスマス会は終わったのか?」
「もう終わったよ!で、今日来たの??来てるなら教えてくれればいいのにー」


そう言って拗ねたような顔をしている。


「僕だって○○ちゃんに会いたかったのに!皐月さんばっか....ズルイ」
「あ、未来、そういうことを今、皐月さんに言ってもムダだから」


横から遼一が未来に言う。


「なんでさー?」
「今、アイツに手を出してみろ。皐月さん、笑顔でお前を捻りつぶしかねないからな?」


冗談とも本気ともつかない事を遼一が言うと、未来は一瞬、俺を見て何かを察知したらしく、すぐに目をそらした。
その様子を俺は満足げに見渡すと口を開く。

「やっぱり今日彼女を連れて来なくて正解だったみたいだな?」

そう言って俺は頬笑むと、カジノの様子を見にVIPルームを出た。



俺はきっと彼女に相当参っているに違いない。
でもそれでいい。
彼女の存在が俺に力を与えてくれるのだから。

こんなにも独占欲があるなんて....。

自分の中にある、彼女を独り占めしたいという願望。
そして彼女を喜ばせたいという感情。

(どんな時も、いつだって、俺が○○を笑顔にさせたい。俺を見つめていて欲しいし、幸せを感じていて欲しい)

恋しくて、愛しくて。

これからキミと過ごしていく中で、楽しいことだけではないかもしれないけれど、毎秒、毎分、キミへの愛しさが募っていく。
そんな風に思う自分に少し驚きながらも、俺は幸せをかみしめずにはいられなかった。

抱きしめた時の笑顔、感触、そして彼女の香りを思い出すだけで幸せになれる。

あたたかな、幸せをありがとう。
本当に。
俺も彼女にとってそうでありますようにと、願わずにはいられない夜だった。






「おい、皐月さん、ほんとに変わったな?」

「なんかもう、前よりすっごい最強になってるよねっ?○○ちゃんとクリスマス楽しんだなんて、許せないー!しかも僕が来る事わかってるのに、その前に来て、僕を待たずに帰っちゃうなんて!ズルすぎるよ」

「そりゃ、お前のことを皐月さんはよくわかってるからな。危ない輩は何かしでかす前に近づけさせないのが得策なんだろ?」

「まあまあ、皐月さんがあんな風に生き生きとしてるなんて珍しいことだし、それを○○さんの存在がそうさせてるなら素晴らしいことじゃないのかな?」

「千早さん....」

「.....恋は盲目?」

「......まぁ、確かにな。それにしても、なんだかな」

「遼一は○○さんにちょっかいが出せなくなって、ちょっと残念そうだね」

「千早さん、あんまり人聞きの悪い事言わないでくれ」

「遼くん、今、皐月さんにそんなことしたら、本当に消されちゃうんだからね」

「未来、お前なー」

「皐月さん、最強」

「ノエル、そんなにニッコリして言うなよ.....なんかクリスマスなのに、パッとしねーな。.....はぁ。じゃ上手い酒でも飲むか」

「よし、じゃあ僕が相手しようか。悠月は来ないの?」

「アイツは確か撮影で遅くなるって言ってたな....」

「じゃあ、そんな踏んだり蹴ったりな遼一のクリスマスが来年は素敵なものになりますように、乾杯!」

「おいおい、別にそんなんじゃないって」

「幸せな者を見ると人は比べてしまうものだよ。でも大丈夫だから」

「なんなんだよ、その慰め方。ってか、なんで慰められてるんだって」

「遼君は好きなコに意地悪ばっかしてるからダメなんじゃないの?」

「未来、お前な....」

そうしてすでにクリスマスが過ぎて26日になっても、彼らの宴は続いたのだった。

(END)

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クリスマス話を読んでいただいてありがとうございました!
年末まで引っ張ってしまいましたが....しかもここまで長くするつもりはまったくなかったのに、毎回毎回「予定は未定」なものばかりです。

今回は皐月さんのLOVER STICKから香りをテーマにした話を書こうとしたのが始まりでしたが、これ私は凄い好きです。。。うん。

最後のカジノメンバー(なぜか悠月不在w)はおまけみたいなもんです....

ちょいグダグダになりましたけど、読んで下さってありがとうございました。
この話で2011年しめさせていただきます~。
(連載終わらなかったとかありますけど....)

今年もありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願いします!2011.12.31 マドカ