大切なことを教えてくれたのは入れ墨のあの人 | アッキーの雑談ブログ


皆様こんにちは。

さて私はいつものように神奈川の自宅から小田急線に乗って職場へ向かっています。

私は都内の法律事務所で事務員として働いています。私がここに初めて勤務した19年前は、絶望していました。なぜなら新卒時の就職活動で会社に受からなかったからです。

私は大学受験も失敗してすべて不合格になり一年浪人をして偏差値40の女子大へ進学しました。

一流大学や一流企業に行けない私は人生終わりと思っていました。
中学受験をして中学から大学まで私立へ通っていた私のまわりの友達はみんな有名企業への就職を決めていたからです。

今で言う、非正規労働者です。
当初、時給900円のバイトとして採用されたのです。

でも、気を取り直して、
真面目に勤務しました。22才の時です。

でね、あるとき、
田村先生(弁護士、ボス、仮名)に、「アッキーさん、お客さんくるから、コーヒー入れて」って言われて準備していたんです。そしたら、思わず、ウワッて声を出してしまいそうなくらいのオーラの男性が事務所に入って来たのです。

俳優の松方弘樹さんをさらに本物っぽくしたかんじで、ひとめで、別世界の人だとわかる男性でした。

私は動揺を隠して型通りの対応の後、ミーティングを済ませた松方さんを見送りました。すると田村先生が、
「アッキーさん初めてだっけ?ヤクザに会うの?」って話しかけてきました。私は「はい」とうなづいて少しも驚かないふりをしましたが、内心びっくりしてました。

だって、本物ですよ?
神社の夏祭りで金魚すくいを売ってる横山やすしみたいな、ちゃっちいのじゃなくて、

ダンヒル?って思うような高級なダブルのスーツを着て手下を何人も連れて、
青山通りの車幅いっぱいのベンツに乗って帰るような、映画でしか見たこと無いちゃんとした(?)ヤクザですよ?

私は衝撃でした。

そしてその日を境に松方さんは頻繁に事務所に訪れるようになり、私は談笑できるくらい打ち解けたのです。

そして一緒に食事に行ったり、泊まりでスキーに行くようになりました。

(恋仲という意味ではありません。職場の数人で、です)

でね、あるとき、一緒にご飯を食べながら、松方さんが私に
「メシはみんなで食べるのが一番美味いな」って言ったんです。

私はその言葉を聞いたときに、私を囚えていた呪いがとけたような気持ちになりました。

つまり、一流大学とか一流企業とか、そういうのにこだわってる価値観がいかにくだらないか、わかったのです。

冷静に考えれば、世の中、中卒や高卒の人もたくさんいて、みんな仕事や家庭を持って幸せに暮らしています。

一流大学や一流企業に行けないから人生終わりってことは無いのです。

同時に、私は、自分の価値観が差別や偏見に満ちあふれていると気付かされ自分に深く失望しました。

だって、自分が非正規労働者になって人生の終わりって思うってことは、いままでそういう人を見下していたってことだし、

松方さんにフランス料理やスキーに誘われて、違和感を感じてたってことは、そういう人は、フランス料理食べたりスキーしたりするのはおかしい、と思ってたってことだから。

そのとき、私は、仕事出来るようになりたいな、と思いました。仕事出来るようになってみんなの役に立ちたいと思いました。希望とは違った場所に来たけど続けてみようと思ったのです。

あれからとても長い時間が過ぎたけど私は変わらない気持ちで毎日を過ごしています。