リンクに立つという意味
「オリンピックを目指す」
一人のシングルスケーターの大きな決断は、
少なくともあと4年は、リンクでの彼を見られるという、
ファンとしては嬉しいものでした。
でも、それは、一人のシングル選手が、
シングル競技からは離れてしまうかもしれない・・・・
というものでもありました。
アイスダンスを踊る彼は見られますが
ジャンプを跳ぶ彼を見ることはできなくかもしれない。
ずっとそんな思いでいました。
ある日、突然、
これが、最後のブロックであり、最後のシングルだと
突然、ツイッターに配信された言葉。
その思いでリンクに立つ彼の思いを
東京Ｂに来ている観客のほとんどは
理解していたのではないでしょうか。
そんな、彼の・・・・・森望選手の
渾身のＳＰ「セイサムシング」は
望くんの思いが十分に伝わる、熱い熱い
演技でした。
望くんは姿勢がとても綺麗な選手です。
ステップは、その姿勢の良さがとてもよく出ていて美しかった。
流れるような美しさと心地よさ、
深みのある音楽表現。
曲が終わったあとは、彼はそのまま立ち尽くしていました。
その音の余韻、観客の歓声、
喝采の空気を、静かに静かに感じているように見えました。
シングル選手として、東京のリンクに立つという意味を
そこにいる全員がわかっていたのではないかと思います。
今日は、その望くんのＦＰ演技があります。
シングル選手としての望くんのタンゴです。
ちゃんと、見届けたい。
世界に行くために、大きな決断をされて、突き進んでいる
一人のシングル選手の渾身の姿です。
