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私がいつもチェックさせてもらっているブログのうち、かなりの人が安倍政権が移民政策に積極的だと思っているようだ。私も移民政策には反対だから、これに反対する署名や意見送付には意味があると思うが、誤解が元で安倍支持をやめると言い出す人まで出るようでは反日勢力が喜ぶだけだ。
特にこういう影響力の強い人が、自民党を移民党などと呼び、安倍総理の『日本を取り戻す』を茶化して批判を始めると、敵の思う壺ではないか。KAZUYAさんは何を根拠にしているのかし分からないが、事実を誤解している。
KAZUYA Channel さんの『移民や外国人労働者で日本は取り戻せるのか?』
確かに自民党の中にも産業競争力会議などの民間議員の中にも移民政策を推進するべきだという意見があるが、それをまるで安倍政権が積極的に検討しようとしている印象を与えたのは産経新聞の次の記事だ。
毎年20万人の移民受け入れ 政府が本格検討開始
産経 2014.3.13
そして、この記事の元になっているのはたぶん経済財政諮問会議の中の下記委員会の資料の下記グラフだ。
第3回 「選択する未来」委員会(資料1)目指すべき日本の未来の姿について
平成26年2月24日 内閣府 から
ただ、この会議の議事要旨をざっと読んだ限りでは、移民には否定的な意見が多い。中には選択肢の一つとして論じている委員もいたが、その人も別に積極的にそうすべきだと言っているわけではなく、政府出席者も含めて移民に積極的な出席者はいないようだ。
第3回「選択する未来」委員会 議事要旨
産経の記事が出たときは反対意見が殺到したらしく、菅官房長官がすぐに否定した。ところが、いつの間にか安倍政権は移民に積極的なことになってしまっている。産経新聞は移民反対の立場で記事を書き、それは移民の議論を阻止するという意味では成功したかもしれないが、ネットでは誤解が広がってしまったのである。
この件に関しては、いつものように反日マスコミが仕掛けたわけではなくネット世論が誤解を広げ、「私はもう安倍総理を支持しません」と宣言するブロガーを生み出している。そして、ネットやマスコミ媒体を使い、安倍総理は移民に積極的だと批判し続けているのが、ほかならぬ三橋貴明さんだ。
いまや三橋さんはブログだけではなくテレビやラジオ、雑誌などで大活躍しているから、その批判の影響力は大きい。
昨日のエントリで、三橋さんは次のように書いている。
冷戦が長く続いたこともあり、未だに中国共産党がアメリカ(のグローバリストたち)と対立していると勘違いしている人が少なくないでしょう。とはいえ、現実には中国共産党とグローバル投資家たちは、普通に手を組み「ビジネス」をしているのです。
安倍政権が進めている各種の政策、つまりは「TPP」「消費増税」「法人減税」「国家戦略特区」「雇用規制の緩和」「扶養控除縮小・廃止」「外国人労働者」そして「移民政策」などは、間違いなく上記の「グローバリズム対国民」の対立の一部です。
「TPP」「消費増税」「法人減税」「国家戦略特区」「雇用規制の緩和」「扶養控除縮小・廃止」「外国人労働者」を「グローバリズム対国民」と決めつけるのにも異論があるが、特に「移民政策」を安倍政権が進めていると既成事実のように述べるのには大きな違和感を感じる。
政府は何度も否定しているし、各種会議でも私の知る限り政府が移民政策を進めている気配はない。会議では、どうして出生率を上げ、女性や若者、高齢者をいかに活用して国内で労働力を確保するかが議論の中心となっている。確かに外国人の活用は議論されているが移民政策には否定的な人が多いのだ。
そういう会議の雰囲気は会議の中で移民政策を主張している竹中平蔵氏が語る次の言葉からも良く分かる。
田原総一朗×竹中平蔵対談【下】「移民の受け入れなどタブーなき議論をすれば人口減少下でも経済成長は達成できる」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36315?page=4
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36315?page=4
(引用ここから)
田原: なんで移民の議論は出てこないんですか? 産業競争力会議で移民の議論なんか出てこないじゃないですか。
竹中: いや、私はしていますよ。他の人が賛成しないから出てこないんですね。私は産業競争力会議の議論で最後の最後まで言っています。「移民」という言葉だといろいろイメージするものがあるので、「経済成長に必要な人材確保と人材交流については、官房長官の下で長期の議論をする場所を作ってほしい」というふうに言っています。
田原: 多分、6月の中旬の報告には出てこないんじゃないの?
竹中: わかりませんね、まさに今それをやっています。私はそのことは退かないでちゃんとやるべきだということを主張しています。
(引用ここまで)
この様に、竹中氏が移民政策の検討を主張しても誰も相手にしないのだ。ところが、マスコミではなくネットでの影響力のある人たちが政府が移民政策を進めているという事実と違うことの既成事実化に加担してしまっているのである。
一方、マスコミの方は、次のように政府の姿勢をきちんと伝えている。
減る働き手、「移民」で労働力確保に政府は慎重
読売 2014年04月16日
事実と異なることを既成事実化するのはマスコミや財務省の得意技ではなかったか。保守の反発の強い移民政策を安倍政権が積極的に進めているとなれば、中韓への対応などに不満を持つ人は離れてゆく。
一体それで喜ぶのはどんな人たちなのか。
(以上)
(関連エントリ)
安倍政権は移民政策に前向きか?