銀行が寝ていても儲かる仕組み「日銀当座預金に0.1%の金利」 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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日銀総裁が貧乏神みたいだった前総裁から黒田氏に代わって、初めての金融政策決定会合が開かれた。世間が想像していた以上に大胆な政策が打ち出されたが、発表直後から一気に円安に振れ、株価が急騰したところを見ると、市場も高く評価しているようだ。


必要な政策、全て決定=2年で物価2%に自信-黒田日銀総裁

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黒田東彦日銀総裁は4日、市中に供給する資金量を対象とする新たな量的緩和の導入を決めた金融政策決定会合後に記者会見した。黒田総裁は、マネタリーベース(資金供給量)と国債保有額を2年間で倍増する措置について「次元の違う金融緩和だ。戦力の逐次投入はせず、現時点で必要な政策を全て決定した」と強調。2%の物価目標に関しては「実際に2年程度で達成できると信じている」と述べ、実現に自信を示した。

 黒田総裁は、大量の国債購入や資金供給について「市場参加者の常識を超える極めて巨額なもの」と説明。長期金利の低下を通じ、企業・家計の投資や消費を刺激するほか、資産価格の上昇や物価が上がるとの予想を高める効果への期待を表明した。今回の緩和措置は「15年近く続いたデフレからの脱却に導くものだ」と指摘した。(時事 2013/04/04-19:51)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2013040400703


上記の表には、具体的にどんなことをやるのかが、わかり易く書いてある。NHKのニュースウォッチ9でこのニュースを解説した記者が、今回の日銀発表資料が字も大きく、シンプルで非常に分かりやすいと評価していたが、時事の記事にもそれが現れているのかもしれない。


以前の資料はA4の用紙にびっしりと書き込まれていたそうで、記者連中も解読に苦労したのだろう。官僚臭がなく、明瞭な黒田新総裁の発信は市場への分かりやすいメッセージとなり、市場も敏感に反応したのである。


ただ、正直な話、その分かりやすい資料を見ても、われわれ素人にはよく分からないことがある。例えば、「金融政策の操作目標」を「金利」から「マネタリーベース」に変えたと言われても、それのどこが良いのか、なぜそうしたのかよく分からないのである。


安倍総理は「大胆な金融緩和で2年を目途に物価目標2%」を日銀に要求したが、「達成するための具体的な金融政策手段は日銀に任せている」と発言している。まさしくその通りで、そのようなテクニカルな部分は日銀の専門家に任せればいいのだと、言い訳をしておこう。


ところで、黒田総裁が「戦力の逐次投入はせず、現時点で必要な政策を全て決定した」と言うように、2年でマネタリーベース(以下「M.B」)を2倍にするというのはインパクトが強い。いままでと比べてどれくらい迫力があるのかをグラフで示してみた。


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逐次投入はしないと言っているのでM.Bの増加はグラフのように直線にならないし、物価はすぐには上がらないのでこれも直線にならないが、イメージは分かるだろう。やはり、大胆で従来とは次元の違う金融政策だ。それにしても、白河日銀は何もしてこなかったなあと改めて思う。


ただ、「現時点で必要な政策を全て決定した」わけだが、産経の田村秀男さんがずいぶん前から指摘してきた「日銀当座預金に0.1%の金利がつく」件は、今回はスルーされた。銀行は日銀に預けておくだけで利息がつくので、民間への貸付意欲がでにくいのである。


銀行は法定準備額を中央銀行に預ける義務があり、リーマンショック後の2008年11月より日銀では超過分に0.1%の金利がつくことになっている(補完当座預金制度)。この問題点について、三橋さんは、最近のエントリで次のようにわかり易く解説している。


 そして、個人的に最もやって欲しいのは、

日銀当座預金の金利を0.1%から0にする

 でございます。

 そもそも、銀行が日銀に持つ当座預金(日銀当座預金。日銀のBSでいえば「日銀預け金」)に金利がついている時点で変なのです。何しろ、現在の2年物国債の金利は0.06%。2年物国債を購入するより、日銀当座預金に「預金」しておいた方が金利が高いという、変な状況になっています(短期国債の金利が下がり過ぎているためですが)。


 日銀当座預金に金利がついてしまうと、国内の銀行は日銀が拡大したマネタリーベースを「民間に貸し付ける」インセンティブを失うことになります。バブル崩壊後にリスクを取らなくなっていった日本の銀行にとって、日銀当座預金の0.1%という金利は、むしろ美味しいのです。
(新世紀のビッグブラザーへ『白から黒へ 2013-04-02』より)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11503165333.html


金融緩和をいくらしても、需要が回復していなければ民間の投資はなかなか進まない。だから一方では政府が公共事業などで支出を増やす必要があるのだが、それでも民間投資が進まなければ、本当の景気回復とはいえない。そんなときに銀行が投資対象を無理に探さなくても利益を得られるのでは、やる気のある中小企業などへの貸付が進まなくなるのである。


それに、白河日銀は逐次投入とはいえ、まったくマネタリーベースを増やしてこなかったわけではなく、少しずつ増やしてきた。しかし、その資金が日銀当座預金に回っていては何にもならないのである。それをグラフで確認してみよう。



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(注)マネタリーベース:「日本銀行券発行高」「通貨流通高」「日銀当座預金」の合計額


グラフからは、M.Bを増やしても、かなりの部分が日銀当座預金に回ってしまっていることがよく分かる。黒田総裁はM.Bを急激に増やすことによって、これを防げると考えているのか、あるいは、銀行がどういう態度に出るか実態を見て、判断するつもりなのだろうか。


とにもかくにも、期待だけが先行していた『第一の矢』は力強く放たれた。後は、24年度の補正予算規模に留まっている政府の財政政策をどう進めていくかだ。先行している期待に追いつくには現在の規模では不十分で、国土強靭化や自前のエネルギー開発に投資するなど、さらなる拡大が必要だ。

(以上)



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