人は「負ける」ためにこの世に生まれてきた | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

「負ける」というと、すごくネガティブなイメージを想像してしまうが、オレの人生では「負ける」ことがもっとも重要なテーマなのだ。
負ければ負けるほど、人生は豊かになる。
作家の藤原新也さんは「ぼくは負けるために旅をしたのかもしれない」と言った。
旅をすると、ちがう価値観、習慣、宗教、言葉、肌の色のなかで、日本で絶対唯一と教え込まれてきた価値観が崩壊する。有色人種、「チーノ(東洋人)」と人種差別され、言葉のしゃべれない赤ん坊のように軽蔑される。
オレもこの30年、世界100カ国を「負ける」ために旅しつづけている。
たとえ母国で暮らしていようと、人生の90%くらいは思いどおりにいかないことばかりだ。
ましてや今回の震災は、大自然の力に人間は圧倒的に無力だということを思い知らされる。
そのことを知りつくしていた先住民たちは、長い歴史の中から真逆の世界観を創造した。
「不幸」や「不運」は、自分を成長させる「チャンス」だと。
だからホピ族やアマゾンのインディオの部族の中には「不幸」や「不運」という言葉がない。
「不幸」や「不運」は他者と自分を「比べる」という病根から生まれたもので、分かち合う社会ではその意味を持たない。
「負ける」ことは自分を成長させる最大の「チャンス」なのだ。
「わたしはこういう者です」と名刺交換で自分の地位で相手を打ち負かす「強者の論理」に未来はないということをオレたちは知ってしまった。
つねに勝ちつづけてきた優等生は、たった一回の敗北で自殺してしまうこともある。
負けつづけたものは、同じ痛みをもつ者たちへ手をさしのべることができる。
自分の弱さをさらけ出し、補い合い、分かち合い、助け合うところから、「競争から共存」への未来ははじまる。
この歌は震災前のベネズエラで降りてきた「敗者復活戦」だが、タイトルをそのままズバリ「敗北の歌」に変えた。震災をブラジルで知り、Cメロの部分(天に神はいない 荒野へ降りていけ 悩める者たちがきみを導くだろう)がウルグアイで降ってきた。
5日ほど前、ウルグアイの海岸の村ペドレーラで撮影した映像をトシに送り、編集してもらった。
まさにオレが今伝えたかったメッセージだ。
今打ちのめされているすべての人たちが立ち上がるきっかけになれればと思う。(転載は無断でどんどんやってください)

敗北の歌

塾に通う子供たちが
ホームレスのおじさんを笑う
ああなったら終わりだね
切符を買うおばあちゃんに
列のうしろで男が叫ぶ
なにをとろとろやってんだ

弱いものをたたきつぶし
先へ先へ行進してく
いったいそこにどんな未来が
待っているのだろう

負けろ 負けろ 負けろ
敗れる痛みを知りなさい
負けろ 負けろ 負けろ
失う勇気をもちなさい そう
傷つく数だけ強くなる
やさしい獣よ
さあ立ちなさい


混んだ電車に乗りこんできた
ベビーカートを若者が蹴る
あやまったのは母親のほう
しょせんおまえは負け犬だって
不登校の息子を叱る
父親がリストラされた

強いことが正しいことと
上へ上へ登りつづけた
いったいそこにどんな今日が
待っていたのだろう

天に神はいない
荒野へ降りてゆけ
悩める者たちがきみを導くだろう

負けろ 負けろ 負けろ
敗れる痛みを知りなさい
負けろ 負けろ 負けろ
失う勇気をもちなさい
傷つく数だけ強くなる
やさしい獣よ
さあ立ちなさい

Original Key-E
E /D# C#m /B A B7 E B7
E /D# C#m /B A B7 E G#7
C#m G#m A G#7 C#m G#m A B7
E /D# C#m /B A G# F#m B7
E /D# C#m /B A G# F#m B7
C#m /C /B /A# A E F#m B7 E

C D7 Em D C D7 Em D
C D7 G /F# Em /D C B7