魂の勇者 | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

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山の上のホームレス・トモヒコが日光にきた。
「トモヒコの経験したことは彼一人のことじゃなく、同じ悩みを抱えるたくさんの人たちに希望を与えるメッセージになる」
日光のドンであるチロリン村の山本さんからトモヒコの物語を書いてくれないかとたのまれた。
ひょえー、やっと旅に出て文章仕事から解放されると思ったのに。
しかしお世話になっている山本さんからのたのみなら書かずんば、ずんばなるまい。
軽く請け負ったもののオレは今怒涛のレコーディングの真っ最中だし、もうすぐ旅立つ身だ。おまけにトモヒコは電話もメールもない。なんとか日光にいるうちに会っておかねばと、トモヒコを東京から呼んだ。
「みんなのためになるならば」とトモヒコは喜んで応じてくれた。
レコーディングの合間をぬって5時間にわたるロングインタビューを敢行する。
オレも著書やオペラなどで経験しているが、自分の過去をさらすというのはとてつもない勇気のいる行為だ。
東京の下町で居酒屋を営む両親のもとに生まれ、幸福な幼年時代を過ごすが、母親が妹を出産したと同時に亡くなる。それから父親は荒れ、妹は自分のせいで母が死んだと悩み、トモヒコは学校でも孤立し、家族は崩壊していく。
聞いているオレまで心がえぐられるほどつらい人生だった。
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オレはインディアンの長老からきいたブレーヴ・ハート(魂の勇者)の話をした。
「人は生まれてくるまえにその人生で超えていくハードルを自分で設定する。なんの苦労もなく安定した人生を過ごす人はまだまだ低いハードルしか設定できない。魂レベルがあがるとさまざまな試練を乗り越え成長していく。トモヒコのように棒高跳びのようなハードルを自分で選んだ人間は、世間で言うかわいそうな人などではなく、それを超えてゆける魂レベルまで成長したブレーヴ・ハートなんだ」
今のトモヒコは過去を相対化し客観しできるようにまで成長した。
なんか見ちがえるように明るくなって生きる気力に満ちているではないか。
トモヒコを応援するライブをふたたび幾何楽堂が開いてくれた。
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トモヒコにかかわった仲間たちが忙しいなか応援に駆けつけてくれる。
オレも徹夜つづきのレコーディングで声がボロボロだったが、北海道のとーると名古屋のノリちゃんという最強のメンバーがサポートしてくれ、オカリナの瀬戸ちゃんまで駆けつけてくれる。
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1、 祈りの歌(カホン:とーる。ピアノ:ノリ)
2、 イジメ(カホン:とーる。ピアノ:ノリ)
3、 いたいのいたいのとんでけ(カホン:とーる。ピアノ:ノリ)
4、 祝福の歌(カホン:とーる。ピアノ:ノリ)
5、 Hello my mom! (カホン:とーる。ピアノ:ノリ)
6、 「神の肉」朗読(ギター:とーる)
7、 Life is beautiful(ギター:とーる。ピアノ:ノリ)
8、 背中(ギター:とーる。ピアノ:ノリ)
9、 家族(ギター:とーる。ピアノ:ノリ。オカリナ:瀬戸ちゃん)
10、 だいじょうぶマイフレンド(カホン:とーる。ピアノ:ノリ。オカリナ:瀬戸ちゃん)
11、 旅立ちの歌(カホン:とーる。ピアノ:ノリ。オカリナ:瀬戸ちゃん)
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トモヒコは今叔父さんの家に居候させてもらい、仕事を探している。
「ずっと父を恨み、妹を哀れみ、自分を生きる価値もないものと思い込んできましたが、日光のみなさんと出会い、たくさんの勇気をもらいました。
今ではこの運命に導いてくれた父に感謝しています」
トモヒコははにかみながら笑った。
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