家族再生神話の序章 | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

5月25日(日)伊豆「一枚の板」ライブ
080524海と夫婦

宇都宮ライブの興奮も冷めやらぬなか、志田さんととーると朝5時まで飲んでしまう。
桐生の千手観音(マルチプレーヤー)今泉さんが車で迎えに来てくれたのは朝7時である。日光から伊豆までは5時間のドライブだ。
「うおー、海だ!」
昨日の雨がうそのように晴れ上がり、真っ青な海と空が視界を2分割する。ふりむけば新緑、山と海を両方とももつ伊豆の美しさに絶句する。
「うおー、ホテルPARCOだ!」
「うおー、ゴリラだ!」
「うおー、一枚の板だ!」
主催者ダイが言ったとおり、会場の一枚の板工房は、巨大なゴリラ像のとなりにあった。工房の前には自然木の板が立てかけられ、なかにはいるとなつかしい木のにおいがする。
壁一面にダイ(鈴木洋見)の写真が飾られている。アフリカ、アジア、ヨーロッパなど、ダイが地面をはいずるようにして撮影した写真たちだ。これほどの生命力がほとばしる写真は見たことがない。
ダイの兄であり、工房のオーナーであるトシと奥さんのミナコさんが出迎えてくれる。オレたちの音を聞きつけたダイと、ダイのお姉さんリカ、リカの娘ルイ、ダイの両親も笑顔で迎えてくれた。
本当に家族が一丸となって作ってくれたライブなんだなあ。
「今日のライブは特別な学びの場になる」そう、確信した。
伊豆高原で温泉にはいったあと、セッティングをはじめる。PAの今泉さんは5時間ドライブにもかかわらず、手馴れた手つきで音響設備をつくりあげる。今泉さんはもとプロの音響技師であり、数々のミュージシャンをサポートしてきた。
「今は田舎に引っ込んで農業やってるからね、PAは引退したんだ。まさか今頃になってまたアーティストをサポートするとは思ってもみなかったよ。きみたちがぼくの心にもう一度火をともしたんだ」
わずか1週間前の桐生ライブで知り合ったばかりなのに、まるで父親のように面倒を見てくれるすてきな60歳だ。
午後4時をまわると近所の人たちがぞくぞくと集まってくる。
赤ちゃんにおっぱいをやるお母さん、小学生の子供を連れた夫婦、70歳のおばあちゃんまで幅広い年齢層である。昨日からキャンプをしてライブに備えた若者たちもいる。東京はもちろん、名古屋や広島、北海道から来た人たちまでふくめ、80人もの観客が集まってくれた。
080525d会場photo by DAI

昨日の心霊現象をくぐりぬけた志田さんは、生まれ変わったかのように声が響く。どんどん会場を盛り上げ、しまいには観客全員が歌いだし「花よ、大地よ、月よ、銀河よ」の大合唱になった。
このオープンさはなによ! すごいぜ伊豆民族。
よっしゃこっちも負けてはいらんない。
080524aアキラphoto by AOI バックは巨大な神代の木

1、だいじょうぶマイフレンド(とーる:カホン&コーラス)
2、パズル
3、Born to love
4、Walking in the rain(とーる:カホン&コーラス)
5、ミタクオヤシン
6、祝福の歌

KY(空気読み)オリンピック金メダルのおがわとーるがソロで登場する。観客はとーるをパーカッショニストだと思っているところへ、超絶ギターと美声ボーカルを聴かされ、「こいつ、何者お?」って驚いている。きっちり笑いを取りながらも、「青空にうたう歌」でジーンとさせる手腕は憎らしいほどプロフェッショナルである。
主催者のダイがステージに上がり、両親をステージに呼ぶ。観客への感謝をのべ、なぜ今日のライブを主催したかが本人の口から今明かされる。
「このライブは当初ガンになった母のために企画しました。母の病気をきっかけに、家族が一丸となってまとまるなか、父だけが非協力的でした。おれはいつ死んでもいいなどと言い、母や兄弟たちの意見を聞き入れてはくれません。ところが数日前、父にも母と同じ大腸ガンが発見されました。それから父は急激に変わっていきます。食事も気をつけ、少しでも母や家族と過ごす時間を持つようになり、このライブにも積極的に協力してくれました。ぼくたち兄弟はこのライブを感謝をこめて両親に捧げます。父さん、母さん、ぼくたちを生んでくれて、育ててくれてありがとう」
080525m家族photo by AOI ダイと両親

間髪をいれずにオレが歌いだす。

父よ 永遠に追いつけぬ孤独な背中よ
不器用で臆病で淋しい背中よ
なぜ家族よりも仕事を選ぶの
母も僕もみんな 愛してほしかった
なぜ生きるより死を選ぶの
さよならも言わないまま

燃え立つ紅色の森に
あなたは風を巻き起こす
散れば散りゆくほど
想い出は心に降りつもる

父よ 永遠に追いつけぬ孤独な背中よ
不器用で臆病で淋しい背中よ
憎んでも憎んでも愛していたんだ
愛してた それだけを言い忘れたんだ
愛してた 愛してた
愛してた 愛してた

歌のとちゅうで野獣のような咆哮があがった。ダイは人目もはばからず号泣していた。ダイの姉リカもその娘ルイも抱き合って泣いている。気がつけば、子供からお年寄りまで80人が大泣きしていた。

7、背中(とーる:ギター、コーラス) 
8、Life is beautiful(とーる:ギター、コーラス)
9、家族(ダイ:スライド写真。とーる:ギター、コーラス)
10、Hello my mom! (ダイ:スライド写真。とーる:ギター、コーラス)

「家族」と「Hello my mom!」のバックではアフリカや世界中の家族を撮ったダイの写真がスライドで上映される。言葉や皮膚の色がちがおうが、愛は命の共通言語なんだ。
おばあちゃんが泣きながらオレの手を握りしめる。
「あたしは今日で人生が変わりました。70歳生きてきて、歌を聴いて泣いたのははじめてです。こんなすばらしい歌がこの世にあったなんて。ありがとう、ありがとう」
小学校の子供たちも握手やサインを求めてくる。
「かっこよかったです。ぼくもお母さんを思って泣きました」
ダイのお父さんも涙目で話しかけてくる。
「恥ずかしくて本人たちにはいえないけど、わたしはすばらしい子供たちを持ったと感謝してます」
080525dダイの父photo by DAI いい顔してるねお父さん

いやはやこのライブ自体がすさまじいドラマだった。
オレの歌をバックに、やらせも脚本もなく、生身の家族たちが再生の物語を演じたのだから。
オレたちは今、人類史上最大の転換期に立っているのかもしれない。
お金や物も手に入れれば幸せになれるという神話が崩壊したからだ。そして最後の救いであるはずの家族の絆さえも自ら断ち切ってしまった。断ち切ったのも自分なら、勇気を持ってもう一度結びなおすことができるのも自分しかいないだろう。
ダイの家族はそれを身をもって教えてくれたのだ。
これは一家族の物語ではなく、これから世界で起こっていく壮大な家族再生神話の序章なんだ。
さあ、ドラマのあとには、宴が待っている。
海鮮居酒屋「海賊船」の大将が自らもぐって採ってきた海鮮料理が舟盛で並ぶ。「刺身の色が変わんないうちに食え」との大将から釘を刺されていたので、アンコールをカットした甲斐があった(笑)。しかもご近所が持ち寄った手料理がたくさんあって、どれもこれも絶品なのよねー。伊豆民族、恐るべし。絶対都会じゃ、こんな愛のこもった料理は食えないぞ。
080525d食べ物photo by DAI

60人以上の人が打ち上げに参加し、満腹になったころ、宴会男がギターを持って立ち上がった。居酒屋ライブもたくさんこなすとーるである。
080525mとーるphoto by AOI

こいつの引き出しは無限にあるので、演歌からボザノヴァまでなんでもこなす。負けじと志田さんも歌いだす。
鈴木家4人も踊りだす。
080526鈴木家の踊り父と母とダイとトシの怪しいダンス遺伝子

080525dリカルイphoto by DAI ダイの姉リカと娘ルイ

すげーすげー、なんと贅沢な祭りだ。
オレも3,4曲歌い声が枯れてしまった。そこでとーるがアキラメドレーを歌う。オレがうしろから二人羽織でギターコードを押さえるという隠し芸までやってしまった。(注:オカマのハグではない)
080525d二人羽織photo by DAI

宴は日が昇るまでつづき、みんな素敵な夢に溶けていった。
主催のダイ、工房オーナーのトシ、ミナコさん、サポートスタッフのリカ、ルイ、主役のダイのお父さん、お母さん、手料理隊長ミナコさんのお母さん、料理大臣海賊船の大将、トリックスターの小女郎さん、人情厚いご近所のみなさん、素晴らしい出会いができたお客さん、PAの今泉さん、ゲストの志田さん、とーる、
みんなみんな最高のひと時をありがとう!
080525d記念撮影photo by DAI

※ミクシィで見れるあおい伊豆ライブ写真集

★1週間後にはいよいよ200万人以上の熱気に包まれた伝説のライブハウス「ルイード」での新宿ロックフェスティバルですよー!
080607ルイード

全国から選び抜かれた今もっとも熱いバンドたちに、たったひとりで挑みます。吉岡一門と戦う宮本武蔵の覚悟なので、ひとりでも応援団よろしくお願いしまっす!!(……ほんとは心細いのよ)
前売り予約は6月5日まで(あと1週間以内)にAKIRAまで直接メールください。入り口で「AKIRA応援団に前売り予約した○○です」と伝えればOKです。
akiramaniacom@yahoo.co.jp
6月7日(土) 新宿歌舞伎町ルイードK4
〒160-0021 新宿区 歌舞伎町 1-2-13 新光ビルB2(地図
電話問い合わせ:03 5292 5125
OPEN 15:00 / START 15:30(オールナイト イベント。AKIRA出演は17時~)
ADV:3,000(D別) / DOOR:3,500(D別)
出演:AKIRA / Soul吉木&Soul Mate / 乙女座 / クッキーサトナカ&ヘンデルとグレーテル/ Bummer Struck / T04E / crageon / バーズランド / 新宿スリム/カツミブラザーズバンド / フルハウス

★5月30日(金)新潟県長岡市「丸山悠輔写真展」にてソロライブ。
開場19:00 開演20:00 料金:1500円(軽食付)
会場:長岡市宮内4-9-28(宮内駅近く。地図
問合せ:090-2177-7627(丸山悠輔)
※車で来られる方は駐車スペースに限りがあるので連絡をください。

★5月31日(土)新潟市にて月乃光司さんとセルフストーリー・オペラ「仲間」上演。
20:00開演(19:30開場)■参加費 1,500円(1ドリンク付)
■出演 AKIRA(ミュージシャン) 月乃光司(こわれ者の祭典)
■会場 NAMARA-YA TEL&FAX 025-224-8001 新潟市古町通5-599)
■問い合わせ TEL070-6456-9262(実行委員会)
「引きこもり」「依存症」「家庭崩壊」月乃光司が自分の人生を朗読して、そしてAKIRAの魂の歌が重なるオペラ。
東京での公演で、会場を感動の渦に巻き込んだ伝説のライブの再演。葛藤を抱える方々へ送る、希望のライブ。

★6月1日(日)新潟県三条市「東本願寺」にてセルフストーリー・オペラ「脳性まひブラザース物語」上演。
「共にといえる人生講座」
日時:2008年6月1日(日) 13:30~17:30
オペラ:AKIRA&脳性マヒブラザーズ15:00~16:00
参加無料
会場:真宗大谷派三条教区同朋会館
住所:三条市本町2丁目1-57(JR北三条駅より徒歩4分)
地図
主催:真宗大谷派三条教区教化委員会
講師:真城 義麿氏(大谷中高等学校長)
内容:講座・オペラ・まとめの講座
ゲスト:AKIRA & 脳性マヒブラザーズ
その他:保育室あり(無料)ご利用希望の方は、
事前に三条教務所 TEL 0258-33-2805 までご連絡ください。
パンフレットHP

★ 6月3日(火)新潟市「喫茶TEN」にてソロライブ。
開場18:00 開演19:00
料金 1500円(ワンドリンク付) 
ゲスト: DAIGO
会場:喫茶TEN (025-266-4121)
新潟市中央区白山浦1-613-3渡辺ビル1F(新潟市役所陸上競技場側隣)
問い合わせ090-2653-6716(渡辺) san6.27kuri7.20cafe12.20@docomo.ne.jp

6月4日(水)新潟市「朗読会・言葉の格闘技」
19:30開演(19:00開場)
■料金1000円
■出演 ゲスト:AKIRA(ミュージシャン)・月乃光司(こわれ者の祭典) ・アイコ(予定)
■会場 ワタミチ 住所:〒951-8063新潟市中央区古町通3番町556 電話:025-225-0355
■問い合わせ TEL070-6456-9262(実行委員会)

自分の思い、葛藤、挫折、希望、友情、愛、裏切り、煩悩、欲望、を言葉にして朗読しよう!
自由参加の朗読会。自作詩、自作エッセー、文学、有名詩、新聞、なんでも朗読OKです。優秀な朗読者1名に6月22日「福島泰樹短歌絶叫コンサート」に出演していただきます。ゲストの月乃光司の朗読、AKIRAによるライブもあります。
参加希望者はTEL070-6456-9262(実行委員会)まで、お電話いただくか、当日参加もOKです。