Chateau Mouton 2003

Ch Mouton 2003

このワインのことは、Vintageが2005のここ を見てください。



シャトー・ムートン[2003]年
CH Mouton
各プレスで取り上げられ、又、ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた、今、右岸で最も注目され、ロバート・パーカー氏も賞賛する若き醸造家、ジャン・フィリップ・ジャヌエックス!彼に会いに当店オーナーが5月末、シャトー・ムートンに行ってきました。
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とにかくワインに対する情熱と、語るときの目つきが違うそうです。当店オーナーの「あなたにとってワイン造りは?」の質問に、ジャン・フィリップ氏(34才)は、即座に
「1にテロワールです。これは50%を占めます。2に造る人(マン)そのものです。こちらは40%だと考えています。テクニカルは残りのわずか10%だと感じています。」と答えたそうです。
シャトー・ムートンの畑や醸造所、セラーを案内してもらいながら、ジャン・フィリップ氏の話しを聞いていて、当店オーナーも先ほどの話しが次第に理解できてきたそうです。

まずシャトー・ムートンの位置関係はと言いますと、シャトーを真正面に見て左がすぐ(わずか数十歩で)ドルドーニュ川(昔のシャトーからの船つき場があったそうです。)右手がわずか数メートルの道を隔ててAOCフロンサック(AOCはボルドー・シュー・ベリュールですが、ほとんどフロンサックなのです。)という好立地。
ドルドーニュ川から吹く風が心地よく日当たりもよく、ほんとうにすばらしい南向きの畑を眺めながらジャン・フィリップ氏に「なぜ右岸で?シャトーを?」と質問した時の彼の言った「このあたりには、ローマ人が培ってきた2000年の歴史があります。左岸のメドックはたかが300~400年の歴史なのです。」といった言葉が非常に印象的だったそうです。(さすが右岸の若手のホープ!)

まず復習をかねて先にジャン・フィリップ・ジャヌエックス氏の説明をさせていただきます。
ワイナート22号などでも大きく取り上げられたため、よくご存知の方も多いと思われますが、リブルヌでも有数のネゴシアンを経営するジャネックス家の跡取り、ロバート・パーカー氏も賞賛するワイン醸造家で、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長中!テロワールを大切にする彼が所有するシャトーは

シャトー・シャンブルン(ラランド・ポムロール)ワイナート89点
(このワインは彼いわくテロワールはペトリュスと同じ年産800ケース)
シャトー・ラ・コンフェッション サン・テミリオン
(彼いわく、ほとんどシュヴァルブランと同じテロワール)パーカー氏93点+
シャトー・ラ・クロワ・サン・ジョルジュ
(彼いわくル・パンと同じテロワール)(ポムロール)パーカー氏89点~91点
シャトー・ル・コンセイエ(パーカー氏81~89点)などなど、
いずれも少量生産の小さなアペラシオンから突出した品質のワインを生み出しています。

今、ボルドーは世代交代の時期を迎えていて、新しい世代はジャン・フィリップ氏のことばのように、伝統を受け継ぎながらも名声におごることなく科学的にワインを学び、新しいボルドーを造り始めています。
有名な他のボルドーとは違った特殊形状の樽の細長く幅の狭い「シガー型」の樽の使用にも表れています。彼いわく「側面が大きくなり、より多くのワインが澱と接触できる。グラを増やすため細長い型にした」。さすがワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたジャン・フィリップ氏だけのことはあります。でも今回当店オーナーの訪問で新しい発見も数多くありました。


試験的に若木中心の畑では畑自体が他のシャトーのようにまっすぐブドウ樹が植えられていない。扇状になった畑、カギ型になった畑、等々・・・えっ!??うそー!!(オーナーの答えは「光(日当り)の向きによって調整しています。畑の位置によって植え方を変えているのです。」・・・なるほど
パーセルの幅(畔の間隔)が80cmと60cmの交互にしている答え 密植度の実験をしている・・・なるほど。
密植度の違うパーセルごとにタンクを変えている。答え・・・ワインの凝縮度の違いを確かめるためなどなど。
ブドウ樹に絶対2房のみしかブドウをつけない。・・・これはお解りですよねっ!
樽についても他のシャトーが使っている樽よりワンランク上(これは企業秘密 某・クルチェ氏の弁)
プレミアムの刻印入のフレンチオークの新樽100%などなど、その他書き切れないほどの新説を教えて頂いたようです。

▼2003年 シャトー・ムートン
ジャン・フィリップ・ジャヌエックス氏が1997年にこのシャトーを取得してから急速に品質が向上し、ドルドーニュ河に近い南向きの畑から収穫されるぶどうを使い、プティ・ヴェルドは樹齢38年を誇っています。
セパージュ メルロー70% カベルネフラン25% プティ・ヴェルド5%
▼シャトー・ムートンは
シャトームートンは初ヴィンテージ以来、すごい人気を得てきました。シャトー シャンブルンのように、ほとんど市場では手に入らなくなってきたワインの代替として特に人気が出てきたのも事実です。でもシャトームートンは、2003年がラストヴィンテージになってしまいました。2004年からはシャトー クロワ ムートンとクロワ(十字架)がついて初ヴィンテージとなりました。
これからはシャトー クロワ ムートンとして市場に出ます。
▼試飲コメント
赤果実、シナモン、トーストの香り。口当たりはソフトで繊細。アフターは豪華でオーク、タンニン、赤果実がハーモニーとなって広がる。
うきうきワインの玉手箱 より)

さっぽろエノテカで購入。2003年は、シャトームートンとして、最後のラベルなので購入しました。2009年9月19日抜栓。コルクにはしっかりとVintageが刻印されていました。全く漏れ無し。色は、ややガーネット色が入りつつある紫。濃いですが、優しい色合い。毒々しくない。結構足が長いです。ラベルにはアルコール度数14%。香りは、チョコレート、キャベツ、鰹の血のにおい(と娘が言っていました)、ブラックベリー。スワリングによりちょっとハーブ系の香りが混ざります。少し、スパイシーな感じもあります。口に含むと、紫系というよりもややダークな茶色系の味がします。カシス、チョコレート、カシス、ブラックベリーと言ったところでしょうか。タンニンもそれなりに残っていますが、自家製のナンと合わせましたけど結構美味しいです。アフターはそんなに強烈と言うことはありません。ただ、タンニンはちょっと全体の調和というわけには言っていない印象です。奥様は、これはこれで美味しいけど、ワイン単独では飽きる、と言っていました。2日目には、ちょっとタンニンが前面に出てきて、しぶ~い感じになっていましたが、豚しゃぶしゃぶポン酢と合わせたところ、タンニンもうすれて飲みやすくなっていました。