留学生日記76~コンサートめじろおし~ | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

留学にあたり、希望校についての調査はすべきものだが、これは難しいことである。
地元の高校大学についてすら、大したことはわからないのではないだろうか。
インターネットもなかった当時、わかっていたことは私が所属したのは「古楽科」であり、年齢制限の有無、どういう先生がいて、どういう科目がある、何年間通う、といったことくらいの、本当に最低限のことだ。何曜日に何の授業があるとか、そんなことはわからなかった。

古楽科に入学してからも「大人も多いんだな、へえ~」というくらいで、「学生気分」の私には、まだまだ分かっていなかったことが多かった。


年に一度はほとんど全員が駆り出されるコンサートがある。会場は、日本でも有名なサンロック教会だったり、シテ島にあるサンルイの教会だったりした。ソロをやるので、毎年楽しみであった。また、有志によるコンサートもあったんじゃないか・・・と思う。


93年に入学し、ノートルダムをやめ、年が明けて1994年。オーディションに受かったりもして、コンサートの数はどんどん増えていった。数は。


仕事でも学校のコンサートでも、いわば、自分は企画に携わらないので、頼まれ仕事といってもよかろう。楽譜などは全部人任せであり、練習までに自分のパートをうたえるように用意していけばいいのだ。が、この音とりが苦手で、どうやら先生やプロのピアニストに助けてもらっている人もいるらいし、と知った。楽譜読みだけは早い私はとりあえずそういう出資はまのがれたが、これはこれで練習のときには待つことも多し。他の人と、音があわないのだよね。