留学生日記72~年齢制限~ | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

今でも気になるオーディションのコメントは「声が濃い」のほか「リリックすぎる」「大きすぎる」というものである。その一方で、「その声じゃ足りない」といわれたこともある。つまりは、先方の都合次第。指揮者が子供みたいな声を求めているのなら、たしかにオペラすぎるし、大きすぎるだろう。逆に相手がでっかい舞台で必要を求めているのなら、いくらでも、からだも声もでかい歌手はいるから、入る余地なし、と。絶対、ではなくて相対できなものだと思えばよい。



でも、それでいくと、たとえばバロックに多い系統の「すんだ声」というのは、未熟な声とも共通することがある。50歳でも済んだ声の人はいるものだが、初心者が素直によい訓練を積んでいる場合にもそういう音から発達していくことがある。ということは、その手の歌手をもとめている団体は、いつも平均年齢が一緒なんじゃないかしら。


とかんぐってみるのである。