どうもakicyanです♪
今日は久々にマテラボらしい検証大会です、こちら。
え~つまりこれらを使って違いを検証しようという久々「切腹レビュー」。
あ、でも因みに、新商品で入ったばかりの一番左の高圧ガス工業- シアノンプライマースプレー300 (低臭気タイプ)はメーカーさんからサンプル頂いちゃいましたのでこれだけはタダです^^。
でもだからってえこひいきしませんよ!アカンところはアカン、いいところはいいとちゃんと記録しようと思います<(`^´)>
さて、まずシアノンプライマースプレー300の入荷の経緯はですね、お客様からの問い合わせです。ある歯科用のプラスチック表面を溶かしにくい瞬着硬化スプレーがあるんですがこれは入荷しないのかというお話から。
で色々調べたんですが、この歯科用の方の瞬着硬化スプレー、ちょっと流通が変わっていてまぁちょっと入荷については色々めんどくさそうなところがありましてちょっとスルーさせて頂きました。
で、調べていく中で以前より仕入れを行っているシアノンのメーカーさん(高圧ガス工業)が出してるシアノン用の瞬着硬化プライマーもあったなと。
で、さっそく調べて問い合わせてみました。
私:『シ、シアノンプライマーはプラスチックPS素材を溶かしますか!?(汗』
担当者さん:『え~っとある程度は溶かします。ただ、厳密にどの程度と言われても実際に使って頂かないと分からない部分もありまして・・・』
私:『ええと、!?(汗』
担当者さん:『サンプルをお送りしますのでお試しください^^』
私:『ホ、ホントですか!?(汗』
という事でやってまいりましたシアノンプライマースプレー。
因みにシアノンプライマーにも何種類かありまして。
(出展:高圧ガス工業HP http://www.koatsugas.co.jp/index.html)
送っていただいたのはこのうち、下から2段目のスプレープライマー300というもの。
理由は、この表にあります溶剤という欄のシクロペンタン、アセトン、エタノール、メタノールといった記載です。
この中のうち、アセトンを使った製品についてはお店にある既存の商品では記載されておらず、良く分からなかったため、敢えてこれのみ送っていただくことにしました。
上2段の液状のプライマーについてはユーザビリティ上少し不安(液を直接噴霧もしくは塗るタイプ)でしたので避けました。
で、さっそく送っていただいたものを使ってみました。
上記のパーツはPS素材なんですが、記載の通りの状態です。白いのが瞬着。
吹き付け直後に表面は乾いてしまい、その後に溶けなどが起こる表面のただれは発生しません。ただし、硬化にはやや時間がかかります。時間にすると標準的な硬化スプレーの倍以上かかると感じました。
標準タイプの代表として、同じ形状の別部品を使って同様の噴霧実験をアルエース - [低臭] 瞬着硬化促進スプレー(420ml)(1枚目の写真の右から2番目)で行いました。
恐らくよく見る溶けの状態がこれ。結構なレベルで溶けますね。。。
シアノンプライマースプレー300と同距離で吹き付けた際に、表面に液状のべたつきが残ります。これを爪などでひっかくと、画像のようにプラスチック表面を侵しているのが分かります。
実は二つとも『低臭』とうたわれているものであまり臭いはないんですが、表面の状態、硬化速度などいろんな面でかなり違いがあることが分かりました。
さて、さらにあと2点。
昔からあるアルテコ - 瞬着硬化促進スプレー(420ml)、臭いが臭いのですが昔から使われているので、標準タイプとして使ったアルエースと比較するために敢えて。
うう~んやっぱりこうなりますよね。。
PS表面の溶けに関しては、吹き付け具合の違いの部分を考えても、明らかとみていいと思います。ただ、実際の感触ではアルエースよりは荒れが少ないと感じます。
最後にWAVE - 瞬着硬化スプレー(各種)の180ml(お徳用 低臭タイプ)。
これに関しても上のアアルエースなどとほぼ同じかなりのべたつき、表面には荒れが生じます。
単純に順に見ていくと分かりにくいので、表にしてみます。(一番上の画像順)
シアノン プライマースプレー300 (低臭気タイプ) |
アルテコ スプレープライマー |
アルエース 低臭スプレープライマー |
WAVE 徳用瞬着硬化スプレー (低臭タイプ) |
|
---|---|---|---|---|
PS表面の溶け | ほぼなし | 有り | 有り | 有り |
硬化時間(同一量の瞬着硬化時間の相対比較) | 約20秒 | 約10秒 | 約10秒 | 約10秒 |
臭い | ほぼなし | 臭い | ほぼなし | 少ない |
※さて、ここからはいくつか推測を含みます
まず、成分表示ですが、高圧ガス工業- シアノンプライマースプレー300 (低臭気タイプ)以外は、いずれもシクロペンタンという物質が成分表示に記載されています。
これは同社製のプライマー400(二番目の表画像参照)に使われているものと同じですが、これ、ウィキペディアでは『常温では無色の低沸点液体で、穏和な甘い臭気を有する』とあり、どういうものかは良く分かりません。また、これがPS表面に溶けを誘発するものなのかもこの時点では不明。
シアノンスプレープライマー300のアセトンは、同じくウィキペディアでは『マニキュアの除光液やプラスチック系接着剤、塗料の溶剤、瞬間接着剤のはがし液など多くのものに含まれている。』とあります。
これを読めば明らかにPS素材を溶かす成分と思われますが、上の画像と表を見ての通り、実際にはほぼPS表面を溶かすことなく瞬着を硬化させることができました。はて?
そしてもう1点分かるのは、それぞれの成分表記部分。
実際の容量に対し『○○ml』と記載されている量が記載されているんですが、これがそれぞれ以下のように量、割合、共に異なります。
シアノン | アルテコ | アルエース | WAVE | |
---|---|---|---|---|
実際の缶の容量 | 300ml | 420ml | 420ml | 180ml |
? | 90ml | 168ml | 210ml | 90ml |
?の割合 | 33% | 40% | 50% | 50% |
この?は、実はシアノンの場合アセトン、その他の製品の場合、シクロペンタンです。
ところが、このアセトン、シクロペンタン、先にも書いた通りの物質(溶媒といわれるものだそう)で、いずれも硬化促進作用のある物質ではないそうです。
これはメーカーさんに確認したことですが、硬化促進力は「アミン化合物」というものが持っており、この部分は所謂企業秘密の部分なので、ぼかしてしかご説明頂くことができません。
アセトン、シクロペンタンなどの溶媒の割合は、製品の安定性を図るためにものによって少しづつ異なるようで、似たようなアルテコとアルエースでも全く違う事が分かります。最近の製品は、臭いを抑えるためにシクロペンタンが多く含まれているようで、この割合は恐らく何らかの影響を与えているのではないかと考えられます。(あくまで推測です)
そして使ってみた結果、PS素材の溶けた感触が強いもの(アルエースとWAVE)が最も割合が高い(50%)。
これに対し、最も溶けの少なかったのがシアノンでした(33%)。
どうやらこの割合が多いものの方がプラスチック表面をよく溶かす可能性が高いのだろうと考えられます(あくまで比較してみたうえでの推測です)。また、硬化速度は少ない方が遅く、多い方が明らかに早い。半比例していくと考えられます。
・・・さて、ここまで店舗取り扱いの製品をあれこれ比較したのは久しぶりかもしれません。
そしてここからは個人的な感想というか検証を通して感じたこと。
溶けよりもスピードを重視するか、それとも硬化に多少時間がかかっても、表面が溶けないものを使う方がいいか。更に臭いの少ない方がいいのか、それとも臭くても気にしないのか。
単純に使い分けするといっても、実際にはこんなに瞬着硬化スプレーを一度に使うことは非効率極まりありません(笑)
どれを選ぶかはお客様次第になります。
私は今までアルエース派で、プラの溶けに関しては、出来るだけ直噴射せずに少し外して吹いていたので、多少硬化が遅くなりますが、ほぼ気になることもありませんでした。正直、慣れているので変えるのも面倒です(笑)
ですので、シアノンを使うメリットで考えると、直噴射せざるを得ない箇所を硬化させる場合はこれを使うことになります。もちろん、開封してますし、使わねば損だからです(笑)
そうでない場合。それが普通だと思うのですが、それぞれの特性を頭に入れて使用時に気を付けてくださいというのが私の結論です。なんだか無難なところに落ち着きましたけども。
・・・さて、そんな訳でこれからこの開封しちゃったスプレー達を、どう使い切ろうか、頭真っ白です(タブン使いきれない 笑)