子どもポルノ規制で起きる問題点と危険 | 高橋暁子のソーシャルメディア教室

子どもポルノ規制で起きる問題点と危険

子どもポルノ、つまり児童ポルノ規制の話題が飛び交っています。(→参照 参照
これには、様々な問題点があるんですね。

児童ポルノは悪です。
それは全ての人の共通見解だと思います。

だからこそ、一見「児童ポルノ関連の規制は進めてもいい」気になってしまう。
反対しようものなら、「児童性愛者か」と思われてしまいかねないので言いづらいという。

ところが、今回話題が盛り上がっているのは、もう少し別視点のことが混じってしまっているからです。
問題が特に分かりやすかったのはこちらです。(→参照
こちらも内容が充実していましたので参考までに。(→参照


●現行法が禁じていない単純所持も違法化・処罰の対象にすること
●被写体が実在するか否かを問わず、児童の性的な姿態や虐待などを写実的に描写したものを「準児童ポルノ」として違法化すること

が今回の変更点ですが、何が問題なのでしょうか。

確かに、児童ポルノがはびこることで、撮影された対象の児童が永続的に苦しめられるのは事実です。
だから、所持者を罰するとすることで規制する方法はありはありです。

しかし、どこからどこまでが所持なのかが問題となるのです。
たとえば、うっかり間違って児童ポルノサイトに行ってしまった場合。
スパムメールに画像を添付されて送られてしまった場合。
キャッシュに残るだけでも所持となるのかどうか。

まだ実際の児童を撮影した児童ポルノを禁じているのは分かるのですが、不明なのが二次元児童ポルノや大人が演じる児童ポルノの禁止です。
ダイレクトに表現の自由に引っかかっているし、どこからどこまでが違法に当たるのかがまったくもって明確ではありません。
名作とされる既存作品でも、ボーダーラインのものはありそうな気がします。

おそらく「萌え」系文化を抑えたいのでしょうが、そもそもそれを禁じることが児童虐待を防ぐことにつながるとも思えません。
万が一防ぐ役に立つのなら賛成もありかもしれませんが、明らかにそうではないのに、考えもせずに違法化に賛成すると、思わぬ弊害が生まれてきそうです。

無闇な意味のない禁止よりも、現実に被害を受けている児童を救う方に動くことの方が大切だし必要とされています。
潔癖が行き過ぎて間違った方向に進んでしまったのが今回の提案なのかなと思います。


ちなみに、あちこちで言われていますが、日本ユニセフ協会はユニセフの日本法人ではありません。
単なる一団体の暴走だと思います。
そして、こんな提案にYahoo!とマイクロソフトが賛同しているのがこれまたどうかと思うわけです。
ちょっとひどすぎる気がしますね。




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