【だれかを愛していたならば】




青い空のもとで 縁の糸を風に舞わせて

みるみるうち 遠くへ流されていく姿見ていた


雑踏をただすり抜けて 辿りついた先で

泣きつける胸も 特には持たないまま

生きている


だれかを愛していたならば

心 落とさずにいるだろうか

傷ついた日も 傷ついた日も

安らぎまで心を 押し戻してくれるだれかと

出逢っていたならば

だれかに気づいていたならば

だれかを恋しく思えたなら

「こんなかすり傷…」と いえるだろうか



私には縁のない 遠い国で起きているストーリー

他人のドラマは聴けど

「…だってさ」って 空に逃がしてきた


心の鍵も支柱も いつしか失くしていたこと

見つけようとすらせず 過ごせてしまっていたこと


“当たり前すぎる寂しさ”が

いま 少しずつ浮き立ち始める

輝きすぎた陽射しの端が

あまりに 私を照らすんだもの

だれかと出逢っていたならば

だれかに気づいていたならば

だれかを恋しく思えたなら

もう少し 涙脆くなっていたはず



だれの胸にも停まらないで

だれの愛情にも絡まないで

“冷たい子”ならそれで良いよ

全部すり抜けてきた

罠にみえたの


だれかと出逢っていたならば

だれかに気づいていたならば

だれかを恋しく思えたなら

だれかと心通じあえたならば


だれかを抱き寄せられたなら

だれかに打ち明けられたならば

だれかを頼りにできたならば

きっと だれか愛することできるでしょう

遠い将来に