パーキンソン病の発症抑えるタンパク質を特定 | 好奇心の扉

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大惨事の陰に隠された知られざる真実に迫ります。
そこには次の大災害を回避するための重要な証拠が必ず残されています。

体が自由に動かなくなる遺伝性の神経難病「パーキンソン病」について、原因となる細胞内の異常を除去する際に作り出される物質(タンパク質)を突き止めたと、東京都医学総合研究所の田中啓二所長、松田憲之プロジェクトリーダーらの共同研究チームが、発表した。

この物質の増加を検査で確認できれば、パーキンソン病を早期発見できる可能性がある。
論文は英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

パーキンソン病発症タンパク質を特定1
パーキンソン病発症タンパク質を特定2


パーキンソン病は手足が震えたり、動作がぎこちなくなったりする難病で、根本的な治療法は見つかっていません。

パーキンソン病患者数推移

パーキンソン病は特定疾患(難病)に入るので、患者数は累計で表示される場合が多いが、新たにパーキンソン病を発症した数は、平成23年で3万2500人。総数では14万1000人と推計される。
日本人の免疫力が全体的に低下しているのか、少しずつ増えている。
死亡者はパーキンソン病そのものと言う訳ではなく、運動機能障害や他の病気、又は高齢による老衰などである。



研究グループは、患者やマウスの細胞を使い、環境や生活習慣と関係なく、家族内で発症する遺伝性パーキンソン病(全体の1~2割)を調べた。

遺伝性パーキンソン病は、二つの遺伝子「ピンク1」と「パーキン」が働かず、細胞内の小器官「ミトコンドリア」の不良品が蓄積し、神経細胞が失われて発病する。


▼逆に考えると、二つの遺伝子が働く現象に関わっている物質を特定出来れば、パーキンソン病の早期発見に結びつく可能性ある。


二つの遺伝子が異常ミトコンドリアを除去する詳細な仕組みは、「ピンク1」が異常ミトコンドリアを見つけると、「ユビキチン」というタンパク質に「リン酸」を結び付け、この結合が合図となって「パーキン」が働き始め、異常ミトコンドリアの分解を促して、病気の発症を抑えていることを、今回特定したと言う。

パーキンソン病発症タンパク質を特定3


研究グループによると、脳の神経細胞に異常が生じると、この「ユビキチン」というタンパク質が作られると考えられると言うことで、遺伝性ではないパーキンソン病でも同じ仕組みになっている可能性があるとしています。

ミトコンドリア



研究グループの松田プロジェクトリーダーは、
『ユビキチンと呼ばれるタンパク質が「リン酸」と結びつくとはこれまで知られていなかった。
このタンパク質を調べれば、病気の早期発見につながることが期待される』と話している。


 *ここまで微細な細胞組織になると、もはや「ミクロの決死圏」も真っ青。白血球や赤血球の大きさに驚いていた映画の中の人物が、ミトコンドリアの中に入ってDNAやリボゾームとご対面するには‥‥ナノメートルより小さくにらないと無理か‥‥。




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