好奇心の扉

事故や事件の原因は決して一つではない。そこに至るまでの過程は必ず複数の要因が重なって起きる。
回避するには5分前の決断を信ぜよ。


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これまで誰もが疑問に思っていた‥‥

『何故、心臓に癌は出来ないのかはてなマーク

『何故、癌は心臓に転移しないのかはてなマーク


この最も素朴な疑問にこそ、種々のがん細胞の転移や再発を防ぐ手立てがある──



 心臓に癌が発生しないのは、心臓から分泌されるホルモン「ANP(atrial natriuretic peptide)」の働きだったと、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の野尻崇(生化学部研究員)、細田洋司(組織再生研究室長)、寒川賢治(研究所長)らの研究グループが突き止めた。

「ANP(atrial natriuretic peptide)」は『心房性ナトリウム利尿ペプチド』と呼ばれ、1984年に寒川賢治(前出)、松尾壽之(当センター研究所名誉所長)らによって発見された心臓ホルモンで、1995年5月8日に急性心不全、及び急性肺水腫と慢性心不全の急性増悪期に対する治療薬として発売され、20年近く臨床で使用されている。

この薬の登場で、これまで開胸手術による人工心肺装置を必要としていた急性心不全の患者でも、開胸手術なしで救命処置が可能となった。






がん治療は、近年の目覚ましい技術革新によって、新しい治療法が次々と開発されていますが、現在でもよく使われる抗がん剤は、遺伝子組換え技術を使った薬剤が20年以上と、大きく変わっていません。

がん治療の分野では、革新的な治療法の開発が極めて難しいことが伺えます。

その要因として、従来のがん治療は、がん細胞自体を攻撃する治療が一般的であり、がんの種類によって効果のある抗がん剤が違う事、また同じ癌の種類であっても、個人によって効果のある抗がん剤が違う事が挙げられ、困難な薬剤開発が続いている。


しかもこれまでに癌の転移を防ぐ薬(抗転移薬)は開発されていない。


そして最初の疑問は残ったまま‥‥はてなマーク


『何故、癌は心臓に転移しないのかはてなマーク

この基本的な仕組みが分かれば、がん治療に新たな光が差し込むのではないか‥‥はてなマーク



国立循環器病研究センターの研究グループは、肺がん手術の際に「ANP」を使用することにより、様々な合併症を予防できることを既に報告しており、その後の調査によって、肺がんの転移(再発)を減らす効果があることが分かり、引き続き調査を継続すると同時に、「ANP」のがん転移を予防するメカニズムについて明らかにした。

それは「ANP」が、癌細胞そのものを攻撃するのでは無いと言う事だった。



ANPの抗転移作用1

がん転移は、がん細胞が血液に乗り全身に運ばれる間に、炎症を起こしている傷ついた血管内皮細胞に付着、そこから臓器などに転移したり再発を繰り返す事で、生存率が低下する原因にもなっていました。


血管内皮細胞は傷ついたり炎症を起こすと、3種類のセレクチン(L-セレクチン、E-セレクチン、P-セレクチン)と呼ばれる細胞接着分子が発現し、白血球や血小板が凝集しウイルスを撃退したり血管壁を修復したりする。
血液中に浸入した癌細胞は、この細胞接着分子の働きで血管内皮細胞に着床、その後細胞内浸入し転移癌となる。



ANPの抗転移作用2

「ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)」は、血管内皮細胞に出現するE-セレクチンを最も抑制する事が判明。
研究グループは、「ANP」がE-セレクチンの発生を抑えたことで、手術後に血管内に放出された僅かながん細胞の付着を防ぎ、がんの転移や再発を抑制したと考察している。

すなわち癌細胞が血管内皮にへばり付く事を阻止する事で、癌の転移も阻止しようと言う治療方法である。
癌細胞は血管から栄養を得ており、その補給路を絶てば、癌細胞は死滅する。



何より、血管は全身に行き渡っており、他の臓器のがんへの効果も期待される。



現在、心不全以外の患者に対する「ANP」投与は、国が承認していない「適応外」での使用となるため、国立循環器病研究センターでは保険外併用療養(いわゆる「混合診療」)が認められる「先進医療」として国に申請手続きを行っている。
審査期間を短縮する国家戦略特区の特例を活用したもので、承認されれば本年7月にも、大阪大学医学部附属病院を皮切りに臨床研究に着手する。


臨床研究に参加する9施設は次の通り。
北海道大学病院▽山形大学医学部附属病院▽山形県立中央病院▽東京大学医学部附属病院▽大阪大学医学部附属病院▽神戸大学医学部附属病院▽国立病院機構刀根山病院(大阪府豊中市)▽大阪府立成人病センター▽大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター



転移がん、再発がんに対するこれまでと全く異なった視点から、その発症を阻止しようという考えは、臨床試験の開始によって、基本的な疑問を解く事が、実は重要なのだと言う事を、示唆しているように思われてならない。

国家戦略特区の特例による初の先進医療で、血管内の保護によって転移を抑える臨床研究は、世界初となる。




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