好奇心の扉

事故や事件の原因は決して一つではない。そこに至るまでの過程は必ず複数の要因が重なって起きる。
回避するには5分前の決断を信ぜよ。


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『学校での心臓突然死ゼロを目指して』と題する提言を、日本循環器学会AED検討委員会が公表しました。

AED
AEDは除細動(電気ショック)が必要か自動で判断します。
使い方は音声でガイドされます。



心停止状態の人に、電気ショックで心臓の動きを元に戻すAED(自動体外式除細動器)が学校にあるのに使われず、児童や生徒が亡くなるケースは、埼玉県さいたま市で3年前に、去年は神奈川県横須賀市や山形県山形市などで相次いだ。

現在既に、学校現場でも殆どの小中高校に設置されたAEDですが、せっかくのAEDが適切に使われず、失われた若い命も少なくありません。




どうしたら学校での心臓突然死をゼロに出来るのかはてなマーク

そもそも心臓突然死は何故起こるのかはてなマーク



心臓突然死の大半は、『心室細動』という不整脈によって起こります。
これには子供も大人も差はありません。
しかしその原因となると、子供と大人ではかなり異なって来ます。


心室は心臓から血液を送り出す役割を果たしていますが、『心室細動』ではこの心室が痙攣して細かく震えている状態となり、血液を全身に送り出すことが出来なくなります。

心室細動
心室頻拍は多少の時間的余裕がありますが、
心室細動では数分で死亡します。


心臓の動きが元に戻らなければ、脳への血流が途絶え、数秒で意識を失い、適切な治療を受ける事なくその状態が続けば、数分で死に至ります。
多くの『心室細動』が起きた方は、病院に到着する前に亡くなってしまいます。



大人では高血圧や高コレステロール血症、糖尿病、過度の飲酒などが原因となりますが、子供の場合、これらの原因が当てはまらないのが普通です。


今回は子供の心臓突然死ゼロを目指しています。
日本循環器学会AED検討委員会は、学校で起きる子供の心停止は、AEDが有効な事例が9割を超えるという事で、学会ではAEDの使用を徹底すれば、突然死はゼロにできる可能性があるとする提言をまとめ、公表しました。



心停止発生場所

提言はまず、学校内の心停止の84%がグラウンドやプール、体育館で運動に関連して発生していると指摘。
運動中に起こる事が多い「突然の心停止」に備えて、AEDは運動場の近くに配置するよう求めました。

◎ 具体例として玄関ロビーや下駄箱のそば、職員室・保健室近くの廊下など、人目につきやすい場所、学校内のどこからでも片道1分以内で取りに行ける場所を挙げ、設置を示す看板の掲示や、生徒を含めた誰もが24時間利用できるよう、保管場所を無施錠にすることを推奨。

また確実に使用するため、「使い方が厄介だ」「方法が難しい」「機械が苦手」という先入観を取り除くためにも、教職員の日常的な訓練だけではなく、子供たちにも授業で教えて、緊急時には取りに行ってもらうなど、学校全体のチームワークが重要だと指摘しています。


心肺蘇生救命率
心停止後の心蘇生による救命率。
小中高生の蘇生率が最も高い。


日本では年間7万5千人を超える心臓を原因とする心停止が、病院外で発生しています。


学校の内外を問わず、突然の心停止に児童・生徒が適切な対応を取れれば、救命に大きな力となり、大規模災害時にも子供達の協力は欠かせないほか、その場に子供しかいない場合でも、躊躇せずAEDを探したり、AEDの場所を知っている事も重要になって来ます。


子供の時期から繰り返し救命法を学ぶ事で、成長して社会に出てからも、心臓マッサージなど役立つ有用なスキルとして定着させることが出来るものとなるでしょう。

また心臓に異常を抱える生徒が在籍している場合には、体調急変時の対処法を職員に周知しておくべきだとしました。



多くの小学校では、運動会やマラソン大会など、心臓に負荷の掛かる行事が行われています。
しかし殆どの子供は大人になって、例えば職場での健康診断などまで、心電図検査をする事はありません。

先天性の心疾患以外にも、症状に現れない、心臓の規則的な収縮に必要なナトリウムやカリウムなどのイオンの流れに異常がある場合(QT延長症候群やブルガダ症候群など)にも、『心室細動』が生じる危険性があります。


QT延長症候群
QT延長症候群に起因する心室頻拍。


その一つが、「カテコラミン感受性多型性心室頻拍(CPVT)」で、ストレスなどで脳から分泌される神経伝達物質ホルモン(カテコラミン)によって発症する、さまざまな形の心室頻拍です。

CPVTは心室筋に起因する不整脈の一種で、ときにはこの間に血圧が下がり、めまいや失神などを起こし、時に心室細動や突然死につながる恐れがあります。
CPVTは遺伝性の不整脈疾患で、全世界でも1000例しか確認されていませんが、診断に至る前に死亡している子供も多いと考えられ、遺伝子検査が行われるようになったのは最近の事なのです。


従って突然死など、家族歴に心疾患を認めないにも関わらず、運動により「多形性心室期外収縮」、「二方向性心室頻拍」もしくは「多形性心室頻拍」が誘発される時があるので、安心は出来ません。

CPVTは10歳頃に多く見られるので、幼稚園時代と違って、小学校では運動量が大幅に増える為、健康診断のつもりで心電図検査を受けると良いでしょう。


カテコラミン03TMT負荷心電図
カテコラミン点滴負荷中の心電図。
大きな不整脈=心室頻拍が発生。


カテコラミン03TMT負荷心電図
カテコラミン負荷前の平常時の心電図。
僅かに不整脈が見られる。


当然ながら、それまで何ら心臓に疾患もなく、元気に育って来たお子さんが、ある日突然心停止を起こしてしまうのが心臓突然死です。

微かな不整脈でも、死に至るので、心電図検査は痛くも痒くもありませんし、直ぐに終わるので、元気に学校生活を送らせるためにも、是非、専門医を受診し検査してもらいましょう。






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