女は女を理解不能?:週刊アカシックレコード080317 | 週刊アカシックレコード

女は女を理解不能?:週刊アカシックレコード080317

■女は女を理解不能?~週刊アカシックレコード080317■
NHKの朝ドラ『ちりとてちん』の意外な視聴率低迷により、はからずも「女が女の気持ちを理解できるとは限らない」ことが証明された。
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【今年も48時間】
今年もまた「あの日」がやって来ます。今年も海外で小誌をご購読の皆様に配慮し、地球上のどこかが「あの日」である限り、すべて当日とします。具体的にはトンガ王国がその日を迎えてから、サモア独立国(旧西サモア)がその日でなくなるまでの48時間です。当日の記事はメルマガ(mail版と携帯版)でしか配信せず、Web版には一切掲載しませんので、お読みになりたい方は必ず日本時間2008年3月31日午後8時までにメルマガを登録( <
http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )してお待ち下さい……とお友だちにお伝え下さい。
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【民進党が有利に?】
中国領チベット自治区などで、2008年3月10日に始まった僧侶らのデモがきっかけで3月14日に起きた騒乱(中国政府の発表では「暴動」)が中国政府によって武力鎮圧され、死者まで出す事態に至ったのは、たぶん米国の情報機関などが(直接的ではないにせよ)関与(扇動?)した結果と思われますが、欧米諸国政府が「人権問題」として懸念を表明したからといって、よくも悪くも鎮圧されてしまえば、ただちに(1か月以内に)欧米諸国の北京五輪ボイコットにまで結び付くことはないでしょう(中国政府当局が人権弾圧の証拠を隠滅するでしょうから)。
むしろ当面は、2008年3月22日に行われる台湾総統選で、国民党(親中国派)の馬英九前主席を不利に、民進党(台湾独立派)の謝長廷元行政院長(首相)を有利にすることのほうにこそ「即効性」がありそうです(時事通信2008年3月15日付「陳総統『和平協定でも弾圧』 チベット問題、選挙に影響か - 台湾」 <
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008031500465 > )。
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【「石原銀行」、実は「都議会銀行」】
「新銀行東京は石原慎太郎都知事が2003年の都知事選で公約して当選(三選)後に『トップダウンで』設立したのだから、その経営悪化の責任は主として石原知事にある」という趣旨の都議会民主党(山下太郎議員)の主張は、純粋に法学的に言うと間違いです(朝日新聞Web版2008年3月12日「新銀行東京 自身の責任開き直り 都議会委で石原知事」 <
http://www.asahi.com/politics/update/0312/TKY200803110454.html > )。なぜなら、この銀行を設立するために都庁が都税から出した1000億円の出資は歳出(税金の使い道)なので、都議会が条例案(予算案)を可決しない限り実現不可能であり、しかも、この出資予算案には実は都議会民主党も(自民党、公明党とともに)賛成していたからです。
でも、「都知事が知事選勝利を背景に都議会を説得して設立させて、失敗した」のは事実なので、知事は素直に「私の見込み違いでした」と謝罪したうえで、もはや都に400億円もの追加出資を求めるようなことはせず(朝日新聞Web版2008年2月20日「400億円、新銀行東京に 東京都、追加出資案を提出」 <
http://www.asahi.com/business/update/0220/TKY200802200169.html > )、破綻処理、つまり「倒産させて被害を最小化する策」を選ぶべきでしょう。
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【拙著に関する個人ブログの虚偽宣伝】
小誌の筆者・佐々木敏の著書を購入される方は必ず事前に、小誌サイト( <
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html > )など著者や出版社が直接内容紹介を行っているWebページをご参照のうえ、ご判断下さい。小誌の記事を無断で何行も転載(コピー&ペースト、コピペ)する違法な個人ブログ、ホームページが多数あり、その転載(盗用)箇所の前後には、ロボットSF『天使の軍隊』をはじめ、拙著の紹介文を含む「解説」が付けられていることが少なくありませんが、その種の解説の大部分は不正確なものです(どれも例外なく「小説と小誌は基本的には関係がない」という注意書きは転載されていません)。一般に、読者の皆様がそのようないい加減な解説を信じて書籍を購入なさった結果、その内容が「期待はずれ」だったとしても、その責任はその書籍の著者にも出版社にもありません(無責任な無能者たちはしばしば自ら読んでいない書籍について事実無根の紹介文を書きます)。
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【日本生命G、富士通、三菱電機から投票】
福井医大5、松下電器3、東洋ビジネスエンジニアリング2、コスモスイニシア(旧リクルートコスモス)、三興プログレス(ロシア貿易)、日本IBM、富士通、三菱電機インフォメーションテクノロジー、ニッセイアセットマネジメント(投資信託)……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。とくに福井医大、松下、東洋からは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ <
http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
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小誌へのご意見、投書は、投稿者氏名等の個人情報を伏せたうえで、小誌上で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承下さいませ。本メールマガジンは筆者(佐々木敏)のサポートスタッフにより運営されており、本号は創刊第278号です。
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■女は女を理解できない?~朝ドラ視聴率低迷の意外な理由■
【小誌2007年5月14日「罠に落ちた中国~シリーズ『中朝開戦』(5)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/ctrap.html > 】
【小誌2007年9月13日「開戦前倒し?~シリーズ『中朝開戦』(9)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/moveup.html > 】
【小誌2007年10月6日「拉致問題依存症~安倍晋三前首相退陣の再検証」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/abepd.html > 】
【小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟~シリーズ『中朝開戦』(11)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/despis.html > 】
【小誌2007年11月16日「先に『小連立』工作が失敗~自民党と民主党の『大連立政権構想』急浮上のウラ」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/dshort.html > 】
【小誌2007年12月21日「大賞受賞御礼~メルマ!ガ オブ ザ イヤー 2007」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20071222.html > 】
【小誌2008年2月18日「毒餃子事件の犯人~チャイナフリー作戦~シリーズ『中朝開戦』(12)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/cnfree.html > 】
【前回「中朝山岳国境~シリーズ『中朝開戦』(13)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html > 】
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小誌は国内外の政治・経済、スポーツビジネスのほか、メディア産業も分析の対象にしているので、本日は先々月(小誌2008年1月7日「NHK民営化シフトか~分割もスクランブル化も視野?」 <
http://www.akashic-record.com/y2008/nhkscr.html > )に続いてふたたびTV業界を取り上げたい(筆者の知り合いにこの業界のプロが多く、けっこう「リクエスト」があるので、それに応えようと思う)。
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        2009年以降、北朝鮮は豹変する
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http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html  

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【桶狭間】 → <
http://www.akashic-record.com/angel/okehaz.html#mail >
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●なんで史上最低●
筆者は、NHKの大河ドラマは比較的よく見るものの、朝の連続テレビ小説(朝ドラ)は、知り合いが制作にかかわっている場合を除くと、ほとんど見ない。が、現在(2007年10月1日~2008年3月29日)放送中の『ちりとてちん』( <
http://www.nhk.or.jp/asadora > )に限っては、例外的にほとんど毎回見ている。なぜ見ているのかというと、面白いからである。
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ところが、筆者にとっては意外なことに、NHK大阪放送局制作のこのドラマは朝ドラ史上の視聴率ワースト記録を更新しそうなのだという(『ちりとてちん』の2008年3月8日放送分までの関東地区自己最高視聴率は2008年1月24日放送分の18.8%で、これは同じく大阪局制作の2003~2004年放送の『わかば』が記録した自己最高視聴率の最低記録、19.9%より低い。産経新聞2008年3月4日付朝刊29面「週間視聴率トップ30 2月25日~3月2日」。ビデオリサーチWeb 2007年10月9日「NHK朝の連続テレビ小説」 <
http://www.videor.co.jp/data/ratedata/program/02asa.htm > )。
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「ワースト」と聞いて意外に思っているのは筆者1人ではない。知り合いの「業界人」のだれに聞いても、理由がわからないからだ。つまり、ある程度続けてこのドラマを見ている人はたいてい「面白い」と思っている(少なくとも、つまらないとは思っていない)のに、なんで「史上最低」になるのか…………永年TV視聴率を研究しているベテランジャーナリストにもわからないらしい(産経前掲記事「週間視聴率トップ30」の山根聡記者も、落語家をめざす女性を主人公にしたこのドラマを「細部まで神経が行き届いた脚本(藤本有紀)で落語ファンならずとも楽しめる」と絶賛しつつ、視聴率の低さに驚いている)。
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となると、「出演者が視聴者に好かれていない」という疑念が湧かないでもないのだが、あのドラマに出ている若手俳優はみなかなりの人気者になっていて、とくに主演女優の貫地谷しほりなどは、1年先までスケジュールがびっしり埋まっているのだそうだ(2008年3月3日放送のNHK『スタジオパークからこんにちは』 <
http://www.nhk.or.jp/park/guestpage/guest20080303.html > )。
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とすると、何かほかの原因があるはずだ。筆者は、人がわからないことを推理するのが好きなので、1つ、挑戦してみることにした。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●専業主婦を敵に●
と考え始めたら、意外に早くわかった。
このドラマにはかなり早い段階(2007年10月13日放送分 <
http://www3.nhk.or.jp/asadora/story/story02.html > )で、ヒロイン(貫地谷)が母親(和久井映見)に向かって、泣きながら「おかあちゃんみたいになりたくない」と、親に向かってかなり失礼なことを言う(そう言って、「故郷を飛び出して大阪に移り住んで、自分の生き甲斐をみつけよう」と決める)場面がある。
この場面の、このセリフはその後も「回想のシーン」で繰り返し出て来るのだが、どうもこれが原因ではないかと思われるのだ。
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「おかあちゃん」は40歳近くまで明確な職業を持たずに生きて来た「専業主婦」なのだが、ヒロインはその生き方を否定して家出して、自分のやるべき仕事(落語家)をみつけて成長して行き、けっして上記の発言について母親にあやまることはない。つまり、「専業主婦の生き方」を「否定しっぱなし」なのだ。
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上記の場面は、重要な場面であって、俳優の演技もいいので名場面なのだが、これについて、もしも制作現場の男性スタッフが、同じく現場にいる女性スタッフや女優陣や脚本家の藤本有紀に「これって女性から見てもいい場面でしょう? 回想のシーンで何度使ってもいいよね」と聞けば、みんな同意するに決まっている。なぜなら彼女らは全員「仕事を持っている女性」であり、ヒロインの立場からこの場面を見るからだ。
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ところが、視聴者のなかには、(家の外に)仕事を持っていない(40歳以上の)専業主婦が大勢いる。彼女らは当然「おかあちゃん」の立場で見てしまう。そうすると、こんな「自分の人生を全否定するようなセリフが繰り返し出て来るドラマ」を、はたして彼女らは見たいのか、という問題が起きるのである。
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朝ドラに限らず、TVドラマでは、主人公が「○○のようになり『たい』」と言うことは珍しくないし、それによって特定の職業や立場の人が不快になることはない。が、主人公が人口の数十パーセントを占めるような巨大な層(多数派)を指して「そのようにはなり『たくない』」と言うドラマは、当然ながら、そう多くはない。たとえば「サラリーマン」の人生を全否定するようなセリフは、TVドラマでは、めったに耳にするものではない。
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もちろん、女性である脚本家の藤本有紀には専業主婦を否定する気持ちなどないだろう。それは、「おかあちゃん」(和久井)が相当に魅力的な人物として描かれているのを見ればわかる。
しかし、決定的な場面で飛び出した「なりたくない」というセリフは、まさに決定的だ。一度言ってしまったら、もう取り返しが付かない。
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【それを言っちゃあ、おしまいだよ。】
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ヒロインがこの発言について母親にあやまる場面は(2008年3月15日放送分までの)ドラマの中にはないが、たとえあやまったとしても、それで済む問題ではない。すべての女性が仕事の才能や機会に恵まれているわけではないのだから。
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●放送時間帯の問題●
もちろん「現代の日本では女性の社会進出が進んで、仕事を持っている女性も多いから、そういう層に見てもらえばいい」という考え方もあろう。
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が、不幸にして、このドラマは、地上波(NHK総合)では平日(と土曜)の朝8時15分から放送される。そして、東京や大阪の朝9時始業の会社に勤めているOLは、通勤に1時間前後かかっている場合が多いので、地上波で放送される時間帯にはもう家におらず、このドラマを見ることができない。
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衛星放送(NHK-BS2)で、同じドラマを朝7時30分から放送しているので、8時前に家を出るOLはそちらを見ているかもしれない。が、日本で唯一の視聴率調査会社であるビデオリサーチは、衛星放送の視聴率は公表しない方針なので、BS2でいくら大勢の女性が見ても「記録」には結び付かない。
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つまり、うっかり専業主婦を不快にする表現をしてしまったことが、この番組の視聴率にとっては「致命傷」になったのではないか、と考えられるのである。
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【ちなみに、当然のことながら、問題のセリフは、「仕事を持っている男」である筆者にとっては不快でもなんでもない。おそらく仕事の有無にかかわらず、ほとんどの男性にとって、そうだろう。】
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      2008年北京五輪、開催不可能!
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http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html  

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【桶狭間】 → <
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●意外な盲点●
女性の社会進出が進んで職場に女性が増えると、たとえば一般消費者向けの製品やサービスを売っている企業で企画、開発などをする場合、「女性の意見を聞こう」と考える男は、ついつい職場の同僚の女性の意見を聞いてしまいがちだ。
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が、彼女らは、女性全体のかなり割合を占める専業主婦の立場を代表していないので、そういう意見ばかり集めていると、かなり偏った判断をする恐れがあるらしい、ということを、このドラマの視聴率は示しているのではないだろうか。
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「女が女の気持ちを理解できるとは限らない」ということが、はからずも証明されたのだ。
同じようなことは、男が男の、子供が子供の、高齢者が高齢者の、日本人が日本人の気持ちをわかるとは限らない、といった言い方でも言えそうだ。
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あらためて文字にしてみると、あたりまえのことではあるが、少なくとも広告やマーケティングの仕事にたずさわる方々は、一度確認しておかれたほうがよいだろう。
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【この記事は純粋な「予測」であり、「期待」は一切含まれていない。】
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(敬称略)
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