家族ゲーム ネタバレ 第9話
吉本荒野(櫻井翔)によって沼田家は完全に崩壊した…。
あくる日になっても家族の間には会話ひとつなく、家の中も散らかったまま誰ひとり片付けようともしない…。
沼田家の面々は皆、そのまま、怠惰な生活を送り、
食事の事を考える者もいないので冷蔵庫の中は調味料のみになる。
高校をやめた慎一は、コンビニへ食料の買い出しに行くものの、
自分の事しか考えていないので冷蔵庫へは「慎一」とマジックで書いて収納する。
雑誌を見ていた佳代子(鈴木保奈美)は急に思い立ち、スーツケースに身支度を整えて、黙って家を出て行く。
その姿を見ても、行き先を問う事もしない慎一と一茂。
不登校に逆戻りしていた茂之(浦上晟周)の元に、友達の園ちゃんからメール連絡が来た。
「体の具合でも悪いのか?みんな心配しているぞ」久しぶりに登校してみるが、
またしても山尾への集団イジメに取り込まれてゆく。
一茂(板尾創路)は、とりあえず再就職先を探し始めるものの、エリートだったプライドが邪魔をして埒があかない。
ダラダラ過ごしていた慎一は、一人の部屋でナイフを取り出すと吉本(田子雄大)への復讐を考えていた。
ここまで全く台詞(家族間の会話)はなく、映像のみで話が進められる。
《オープニングのタイトル挿入》
慎一の回想。
簡単な自己紹介と吉本が出て行って沼田家の完全崩壊まで。
「あいつさえ現れなければ、俺は東大目指して頑張っていたんだ。あいつがすべてを奪ったんだ」と、雄大への憎しみを募らせながら、
ナイフの切っ先を見つめていると、
玄関のチャイムが鳴り、ガールフレンドの飛鳥が訪れた。
飛鳥は万引き写真を先生に渡さなかった理由を聞かれ、
「好きだから…。きっと吉本もそれを分かっていたはず。きっと吉本には吉本の考えがあって…」と、
まるで吉本を擁護するようなその言い方に、慎一は激昂し、突然、飛鳥を押し倒しレイプまがいに襲いかかった。
飛鳥への乱暴を思い止まったものの慎一は家を飛び出し、吉本が住んでいたアパートを訪ねる。
その頃、佳代子は旅先にあり海の景色などをのんびりと眺めていた。
吉本のアパートは退居した後のようで無人だったが、そこに残されていた劇団のチラシに、マキの写真を見つける。
「水上沙良」と写真の下には記されていた。
慎一が、その劇団を訪ねると、素の沙良がいて、おまけにあの
かつてマキが証拠として持ってきた田子雄大の同僚教師の取材ビデオに登場していた3人の男までがそこにいた。
慎一が、これまで見せられてきたものは、すべてが田子と沙良達によって、デッチ上げられた架空の作り話だったというのか?
「どうなってんだよ!」と沙良を睨みつける慎一に、沙良は悪びれもせず
「あのさぁ~ご飯ごちそうしてくれる?」と、食事をしながらのネタバラシを提案。
餃子をパクつきながら「一言で言えば全部嘘」と開き直り、
「清楚と天然二色盛りの遊び舞香と、悲劇のヒロイン真希というキャラの違う2人の女を上手に演じきったでしょう」と演技自慢をかましてきた。
更に「で、あなたが知っている田子雄大の過去も全部嘘」と言うと、手を合わせて
「ごめんちゃい。許してくれる?」と言う。
唖然としながら「田子はどこですか?」と慎一が尋ねると、
「さあ~?あたしも知らない。会うのも8年ぶりで」と言った後、
「殺したい気持ちはわからなくもないけど、全部、君達を思ってやったんだよ」とまでキッパリという沙良の言葉に全然納得がいかない慎一だった。
だが「あたしたちの事、何も知らない癖に」と、
それから沙良が話した8年前の真実の吉本荒野と田子雄大の過去の話は、慎一の想像を絶するおぞましいものであった。
田子雄大と沙良は教師と生徒。
自殺した真田壮太は沙良の幼馴染みだった。
当時、吉本荒野は、周囲から、誠実で優秀な教師と思われていたのだが、それは周りを欺く彼の演技によるもので、
仮面の下の吉本は、自己中心的な驕り高ぶった挫折を知らないエリートだった。
一方、田子雄大は、吉本のように目立ったスタンドプレイはなかったので、
その人柄はあまり教師や父兄には知られてはいなかったものの生徒の相談に親身に乗ってあげる心優しい教師だった。
例のロープ人形は、沙良と壮太に頼まれていた海外旅行のお土産だが、
ツアー初日の飛行機に間に合わなくて旅行自体に行きそびれた田子が、現地の品に似せて作ったつもりの手作り品だったのだ。
「徹夜で作ったのにこのクオリティ?!」と沙良は馬鹿にして受け取りを拒否したが、
真田壮太は「僕はこれでいいんで」と笑顔で受け取った。
真田壮太は、早くに母を亡くし、父も仕事で家を空ける事が多い孤独な少年だったが、田子と沙良の
優しさに助けられて、穏やかに学校生活を送っていた。
吉本の正体を知らない沙良は、吉本にラブレターを出した事を真田に打ち明ける。
「お守り貸そうか?」と真田が吉本に貰ったロープ人形をポケットから取り出そうとした時に、ロッカーに忘れて来た事に気付き、
彼はわざわざ、沙良に「先に帰ってて」と告げて、おまもりを取りに学校へ戻る。
そこで真田は、吉本が他の二名の教師と共に、教室で忘れ物の教科書にナイフを突き立てて切り裂いている所を目撃してしまう。
吉本が他の教師に無理強いしているようにも見えたが…なんと、吉本は、他の教師が教科書を切り裂く様をデジカメに収めたのだ。
教室の扉の陰でそれを見ていた真田は、後ろにあった机に体をぶつけてしまい物音を立てたところを、
吉本達に見つかってしまい、それを切欠に、吉本に、殴る蹴るの暴行を受けるようになる。
そして口止めの為に「万が一、この傷を誰かに指摘されたら、父親に暴力を振るわれていると言え」と脅す。
真田の体の傷に気づいた田子が真田を問い詰めて「言ったら殺される」と怯えていた真田だったが、
「俺が守ってやるから」という田子の言葉を信用し犯人の名を打ち明けた。
それで、ついに吉本の犯行は、田子の知るところになる。
教頭である叔父の後ろ盾を恐れて、やりたい放題の吉本に付き合っていた二名の教師。
吉本荒野を含めて問題のある教師は彼ら3人であった筈なのに…。
親の期待に答えて常にTOPであり続けた挫折を知らない吉本は
「弱者の気持ちなんてわかるわけがない。僕は人間を支配したいんです。僕にとって教育とは実験なんです」と、
教師にあるまじき言葉を平然と吐き捨てた。
だが、最後には「もうやりません」と約束するものの、その顔には不敵な笑みが浮かび、
吉本は更に田子もイジメの標的にするつもりでいた。
翌日、田子が登校すると職員室の空気が変に空々しい。
吉本が早速、田子を中傷するデッチ上げのビラを撒いていたのだ。
「田子雄大は女子生徒と性行為に及んだ。田子雄大に教師の資格は無い。自身の欲望のままに生徒を~~~」
田子は、早速、吉本の所へ行き「あんたの仕業だろう」と抗議するが、逆に
「田子先生に女子生徒を紹介してくれと脅された」と更なる嘘をまくし立てられ、周囲でそれを聞いていた教師達は皆、吉本の言い分を信じた。
そして職員室の外へ田子を連れ出すと、田子の耳元で「今度、俺に楯突いてみろ。おまえの人生台無しにしてやるからな!」と言って脅すのだった。
この問題はたちまちのうちにPTAの知るところとなり、田子雄大は「なぜ、こんな教師クビにしないのか」と会議で吊るし上げられる。
生徒達も田子の事を白い目で見始める。
その裏では、イジメの事を田子に告げ口されたと思った吉本の真田に対するイジメは更にエスカレートしていった。
真田は田子に相談しようとしたが、
総じて冷たい学校の空気の中で追い詰められていた田子は、ついに保身に回り
「そんなわけないだろう。きっとおまえの思い過ごしだよ。問題は解決したんだよ。少しはさ、俺の立場もわかってくれよ」と、
真田を冷たく突き放してしまう。
そう言われて「…ですよね。迷惑かけて、ごめんなさい」と真田は、何とも言えない悲痛な表情を浮かべてハラハラと涙を零す。
(この時の真田の絶望感はいかほどのものであったろうと思うと何とも胸の痛むシーンである)
ここまでしても吉本はまだ満足せず、
真田壮太を椅子に縛り上げた体育館へ沙良を呼び出し
「服を脱げ!そうしないと彼が傷付く」とナイフを出して真田の腕を突き刺して見せる。
吉本は、沙良を脱がせて写真を撮り、田子の鞄に入れて、田子を陥れようと画策していたのだ。
その計画を聞かされた真田壮太は、健気にも、裏切られた田子の身を案じていた。
翌日の放課後、階段を降りていた田子に後ろから吉本が声を掛けた。
「田子先生、水上沙良が欠席した事でお話したい件が」そう言いながら階段を下ってくる吉本の後ろから
真田壮太がやってきて吉本の鞄を奪おうとして揉み合いになり、真田が「離せ!」と強く吉本を押した拍子に、吉本は階段を転げ落ちた。
強く頭を打った様子の吉本は、田子の呼びかけにも反応しない。
その間に真田は、吉本の鞄からデジカメと沙良の写真を取り出して走り去った。
吉本はすぐに携帯から救急車を呼んで…そして事故の第一発見者となる。
緊急職員会議で田子は、一斉に教師らに疑いの目を向けられて、言葉の集中砲火を浴びる。
だが、その最中、田子の携帯には真田からの連絡が入り、田子は「失礼します!」と慌てて、職員室を飛び出す。
田子は真田に居場所を確かめるとタクシーに飛び乗り、彼の元へ向かう。
その途中、電話の真田の話で、事の真相を知った田子は、真田を裏切った事を激しく後悔していた。
「こんな自分を救うために真田は…」もう田子の心に迷いは無くなっていた。
必ず真田を救いたい!!
真田は、とある山小屋に隠れていたが自殺する気でいる。
「先生は悪くないよ」と、真田には田子を責める気は微塵もない。
山中を彷徨いながら「おまえの前で謝らせてくれ。だから頼む!死なないでくれ!」と泣きながら懇願する田子だったが、
自分さえ死ねば、沙良や田子に辛い思いをさせずに済むからと、死を選ぼうとする真田。
真田は、吉本に貰ったお守りを握りしめていた。
「このお守りにお願いしていいかな?もう二度と僕みたいな弱い人間が生まれませんように。…もう二度と吉本みたいな怪物が生まれませんように。先生、僕、強くなりたかったよ。」
その間も田子は真田の居場所を必死に探してたのだがわからない。
「何処にいるんだよ!!」
真田>「先生、ありがとう。さようなら」
田子>「ダメだ!ダメだ!死ぬな!」だがもう、その声は真田の元へは届かない。
真田はナイフを手にしていた。
そのほんの1分?いや、数十秒後だったのだろうか?
田子が、やっと真田の居場所である山小屋を探し当てて中に入った時には時既に遅く、真田は自らの命を断っていた。
言葉を無くす田子。
そして、そこには血に染まったあのロープ人形が残されていた。
吉本はその人形を握りしめて放心したようにヨロヨロと山中に出て行き、大声で叫ぶのだ。
それはおそらく自分自身へ向けての、怒りと後悔の念が発した叫びである。
これらの8年前の真相を慎一が沙良に聞き終わった時、父親から話があるから家へ戻るようにという電話が入る。
慎一が帰ると、散らかりっぱなしのリビングのソファに、一茂、佳代子、茂之の3人が座って待っていた。
おもむろに一茂が口を開く。
「集まってもらったのは他でもない。この家を売る事にした。明日、不動産会社が見学に来る」
「なんだ、そんな事か」と慎一。
佳代子は「やり残した事があったから」と言って戻ってきたのだが、それは離婚を意味していた。
佳代子が、差し出した離婚届けに、一茂がサインしようとすると、茂之が「ダメだよ!」と言って止めようとする。 と…その時、
「ハーイ!」と田子雄大が、後ろから、両手を上げて、大きな声を出した。
「呼ばれてないのにジャジャジャジャーン」その場に似つかわしくないひょうきんな声を上げて、戻ってきた彼を、
一斉に振り向く沼田家一同。
「いいねぇ…」満面の笑みを浮かべて田子は、いつもの決め台詞を言うのだった。
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