寵愛バトル『金瓶梅』の第六夫人、李瓶児のキャラが作品ごとに違う件 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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寵愛バトル『金瓶梅』の第六夫人、李瓶児のキャラが作品ごとに違う件

『金瓶梅』は、中国の水滸伝の時代(北宋時代)の物語。

『水滸伝』が、そもそも、その時代の腐敗しきった世の中からのはみ出し者とされる豪傑達が力を終結して権力側に立ち向かうという話です。
腐敗しきった世の中って事で、この『金瓶梅』という物語の軸となる老舗の薬問屋の若旦那、西門慶は、
腐敗している権力側の人ですね。

『金瓶梅』は、西門慶を巡る6人の側室(1人は正室)達の寵愛バトルの物語なのですが、
これに出て来る第六夫人、李瓶児のキャラが漫画作品ごとに、あまりにも違い過ぎて、
原作を読んでない我が身としては、どれが原作の李瓶児に近いんだかがよくわかりません。

ぶんか社のまんがグリム童話での人気作品である『金瓶梅』では、
李瓶児は、淑やかで優しい様子を装うもののその裏では、実にあざとい策略を巡らす悪知恵の働くしたたかな女性に描かれています。

もう1つの漫画版『金瓶梅』はベテラン漫画家、わたなべまさこの描く「双葉文庫―名作シリーズ」より出版されているもの。
こちらの李瓶児は、実に慎ましやかで善良です。
運命に翻弄されながらも自らの立場を弁えた上で、西門慶を一途に愛します。

他にも漫画しか読んでいないと、いくつも疑問点が浮上する『金瓶梅』です。

例えば、わたなべまさこ『金瓶梅』はストーリーが二重構造になっていて、王世貞という人物が父親と妹の敵討ちのために、
『金瓶梅』を自分が作者である事を隠しつつ執筆するという事になっており『金瓶梅』の物語は作中作として展開するのですが、
この王世貞という人も、仇とされる厳世蕃も同名の人物が史実上に存在しています。
ただし生きていた時代が全く違います。
二人とも北宋時代よりも500年以上後の明の時代の人です。
でも、『金瓶梅』は王世貞の手により昔話として書かれているわけですから、それでいいのです。

さて、この作中作方式のストーリーの運び方、とても洒落ていますが、
はたしてわたなべまさこさんの考案なのか?それとも原作からそうなっていたのかも謎ですので、
その疑問も原作を読む事で解決してみたいと思います。

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