- シャミラ/朝日出版社
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ついに!!読みましたよ、念願の『シャミラ』を!!!きゃ~~っ
最近はやたらとイギリス文学のレビュー続きですねぇ。
まあ、言うまでもなく、イギリス文学が一番好きだからなんだろうけど。
『シャミラ』は、リチャードソンの『パミラ』 レビュー有り のパロディです。
パロディは色々あるのですが、やっぱり一番有名なのは『シャミラ』ですよねぇ、うん。
かなり有名な作品なのに、読書メーターでは誰一人として読んでいなかったという衝撃。
さらに読みたい本に登録しているのは、お気に入りメンバーさんばかりだという(笑)
ちょっとアマゾンをチェックしてみたら、なんと、10万円にまで跳ね上がってました☆☆
めちゃくちゃ面白い、『パミラ』。
面白いのだけれど、この「面白さ」というのはありえないからこその面白さ、突っ込みができるからこその面白さ・・・・が大きいと思います。
この『パミラ』を真っ先に指摘したのが、本書を書いたヘンリー・フィールディング。
『パミラ』は、中流階級の偽善的な仮面にすぎない、というのです。
そもそも『パミラ』っていうのは究極の玉の輿文学であって、元祖ストーカー小説。(勝手に命名)
ご主人様のB氏がやってることは、今だと完全に犯罪ですからね(笑)
そんな男に惚れるって何なの、だいたいそんな急に男も変わらないって!
など、私自身思うことはたくさんあります(笑)
何度も言うようですが、だからこそ面白いのですよ!
そんなパミラにリアリティを持たせているのが、『シャミラ』。
簡単に言うと、『パミラ』をすごいわぁ~~という手紙を送ってきた人に対し、実際はそんな物語じゃないんですよ、という手紙を送り、その証明としてパミラ、ではなく本名シャミラの手紙を同封する、という
書簡体小説となっています。
まず、シャミラはふしだら。
『パミラ』で褒め称えられていた彼女の内面の美徳は、全て作り上げられたもので、彼女の仮面に過ぎません。
ブービー氏に対して全く愛情を持っておらず、彼女が好きなのはなんとウィリアムズ牧師。
さらに、なんと彼との私生児がいるよう。
ブービー氏とはただお金が欲しくて結婚しただけなので、ブービー氏にも金をせびる。
パミラの母親も、オレンジに喩えられていることから身体を売っていたようです。
貞淑さが売りのパミラと、もはや処女ですらないどころか子までいるシャミラ・・・・・。
その子がどうなったのかは謎です。
それなのに、「操が何よりも大事なのです」とか言っちゃう(笑)
寝室で恥じらう乙女も全て演技。
顔を赤く染めるのは大変だったようで、息をつめて、ハンカチでこすってなんとか対応。
『パミラ』が出版される経緯としては、ブービー氏が本を作らせようと思い、またシャミラの「シャ」があまりにも滑稽な響きだから「パ」に変えて出版した、ということになっています。
彼らの後日談もちょこっと載っていたり、なかなか楽しめますが・・・まあ痛烈ですね~~!
でも、現実味があるのは間違いなくこちら。
絵に描いたような純真無垢な人なんて、一体どれくらいいるのでしょう。
パミラはちょっと異常だったもの。
恋の駆け引きを一切しない女の子なんて、いないんじゃないかな。
シャミラさすがにやりすぎですが。
- トム・ジョウンズ〈1〉 (岩波文庫)/岩波書店
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フィールディングと言えば、これで有名ですね。
訳は古いしで何度も挫折している作品・・・・・・。
諦めて原書で読むかなぁ。
でもさすがに全4巻の原書ってつらいよなぁ、1000ページ超えるよなぁ。
・・・・新訳を強く望みます。
ちくまか古典新訳文庫あたりで、出しませんか??
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お次はこれを読んでいきたいと思います♪
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↑アカデミー賞受賞作品。・・・なのに、レンタル化していないのが残念。