- 王妃の首飾り 上 (創元推理文庫)/アレクサンドル・デュマ
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625ページとかなり厚いです。
私が借りた本はぼろぼろで、かなり黄色く変色していました。
古本平気なタイプですが、「うっ」となるくらい汚れが・・・・・・(´・ω・`)
ここでの「王妃」とは、まぁ表紙の段階で分かりますけれど、
マリー・アントワネットのことです。
あの有名な首飾り事件。解説は必要ないですよね。
日本人でもっとも馴染み深いのは、やっぱり『ベルサイユのばら』じゃないかなぁ。
漫画が全然好きではない私ですらはまったベルばら。
もうこれは文学作品ですよね。古典として100年後でも読まれているんじゃないかな・・・
ってまぁ、それは置いておくとして。
ベルばらでのジャンヌって、根からの悪女。男性を翻弄して・・・というのとはちょっと違いますが、フランス文学のファム・ファタールの香りがぷんぷんします。
アレクサンドル・デュマの『王妃の首飾り』に登場するジャンヌは、あまりその香りはしないかな?
もちろんかなりの悪女なんですが、ちょっと儚げな感じもする美女で。
マリー・アントワネットの印象もだいぶ異なります。
王(もちろんルイ16世)にダイヤモンドの首飾りをつけさせてくれと頼まれて、拒絶するマリー・アントワネットと王の会話。
「よろしゅうございますか、陛下、いつぞやサルチーヌ卿が私におっしゃいましたが、百五十万フランで軍艦一つが造れるとのことでございます。
そして実際、フランス王妃が首飾り一つを必要とする以上にフランス国王は軍艦一つを必要としていらっしゃいます」
「おお!」と王は歓喜に溢れて涙ぐみながら言った。
「おお、今あなたがなさったことは崇高なことです。ありがとう、ありがとう、ありがとう!・・・・・・・アントワネット、あなたはいい人です」
(略)
「おお、あなたが今言われた言葉を知ったならば、フランスの人々はどんなにあなたを祝福することでしょうか」と彼は叫んだ。
だなんてシーンがあって、驚いたり・・・・・。
全体的な感想はと言いますと、面白かったです。ええ。
1300ページほどの長編、という感じはまったくしません。
デュマってストーリーテラーですよね、のめり込ませる作品を書くのは本当に上手い。
ただ・・・・・『三銃士』の時にも感じましたけども、
『モンテ・クリスト伯』にはまーーーーったく及んでいない。
比べるにも及ばないほどの違いです。少なくとも私にとっては。
たとえば、この『王妃の首飾り』をデュマ以外の・・・・フランスの現代作家が書いたのだとしましょう。
それだとしたら、きっと絶賛している。
でも、デュマは・・・・私のデュマは・・・・(と勝手に所有物化)
こんなもんじゃないよねぇ!?
ということでちょっと辛口評価です。
訳者あとがきによりますと、デュマはフランス革命を描いた『或る医者の回想』という四部作の長編を書いているそうで
この連作の始めの二つは『ジョゼフ・バルサモ』と、この『王妃の首飾り』なんだそうです。
さらに『アンジュ・ピトゥー』、『シャルニー伯爵夫人』と続いていくのだとか。
『ジョゼフ・バルサモ』→10年後『王妃の首飾り』→5年後フランス革命が起こった年『アンジュ・ピトゥー』→5年後『シャルニー伯爵夫人』・・・を舞台にしているらしいですよー。
ただ、この4部作のうち翻訳があるのはなんとこれだけ。
だから翻訳しようってば!
デュマの全集作ろうよ!!
フランス語が読めないというのが悲しい。
そうだ、英語なら読めるじゃん!ってことで、英語訳を読むっていうのもいいかもしれません。
英語以外の外国語を英語訳で読む、ってかなりばかばかしいと思ってしまうんですが、
(それなら日本語訳読めばいいわけだし、英語で読みたいなら英語文学を読むべきだと思ってしまう)
こういう場合には有りかな。
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