アレックスと私/アイリーン・M・ペパーバーグ
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私がアレックスを知ったのは、高校1年の時。


教科書のUnicorn English Courseに、ヨウムのアレックスが載っていたのです。

そしてアイリーン・ペパーバーグ氏も載っていました。


How smart are some animals? Listen to Irene Pepperberg's parrots, Alex, age 23, and Griffin, age 4. You'll see that some animals are very smart.


Pepperberg studies the intelligence of animals. For more than 20 years, her work has made many people aware of the true intelligence of some animals.


Alex, for example, knows the right word for more than one hundred things, and he knows the names of many colors, shapes, and materials.....


Show Alex two triangles, a yellow one and a blue one, and ask him, "What's the same?" He'll answer, "Shape!" Ask him, "What's different?" And he'll answer, "Color!"


以上、ユニコーンからの一部引用でした。


世界一有名なオウム アレックス。


くるみの殻ほどの大きさしかないアレックスの脳。・・・・にもかかわらず、人間の5歳児ほどの知性がある、ということが研究で明らかになりました。


オウムの平均寿命がどれくらいだか分からないけれど、2007年、31歳の若さで天国へ旅立ってしまったアレックス。

突然の死であったようで、研究を続けていたらもっと能力を開花させていたのかもしれません。



この本は、アレックスのパートナー アイリーン・ペパーバーグ氏が書いたノンフィクション。

これがもうね、想像以上に面白くって!

まったくこういうものを書く人じゃないはずなのに、引き込まれる面白さ。

素人、と言ってもいいはず。

の割にはかなり面白く、げらげらげら、と、夜中まで読むのが止まらなくなる状態でした。

字もやや大きめで読みやすい。


私も一応研究者のはしくれだからか、

こういう、とにかく研究を愛してそれにエネルギーを注ぎ込んでいる姿に惹かれます。


全く専門は異なるけどね。


特に理系だと、研究費を貰えなきゃ研究が出来ない。

著者もそれでかなり苦しんだようです。

「こんなに有名な人でも、こんなに研究費捻出に苦労するんだ」 という感想を読みましたが、

研究費を何とか捻出→研究する→とにかく研究する→有名になる


ですよね。

有名になるかどうかなんてわからないし、有名になるために研究するんじゃないけど。



ヨウムのペットとしての歴史はかなり古いようで、4000年前にも描かれていたり、

あとはヘンリー八世もヨウムを飼っていたそうですよ。それは知らなかった。



アレックスはかなりの王様キャラだったようで、

特に新入りの学生に対してはこきつかっていたみたい。


ペパーバーグ氏が質問してもわざと間違った答えを連続して言ったりと、いらつかせることを楽しんでいるように思わせる場面もちらほら。


でも、研究室にマジックミラーを設置しようとした時、向きを間違えて

アレックスは鏡に映った自分自身を見てしまった時の反応や


やりすぎちゃって、最後に「アイム ソーリー・・・・・」と申し訳なさそうに謝る声、


そんな他愛もないことに思い切り笑わせてくれ、本を読んでいるだけでアレックスをぎゅっと抱きしめたくなるのです。



獣医院に入院することになってしまったアレックス。

夜、経理の女性のデスクの横にアレックスの入った鳥かごが置かれていました。


その残業している女性に対し、アレックスは「ナッツ ホシイ?」

「いらないわ、アレックス」

アレックスは引き下がらなかった。「コーン ホシイ?」

「ありがとう、アレックス。でもコーンもいらないわ」


女性は仕事を早く終わらせたかったので、アレックスを適当にあしらおうとしながら同じ調子で会話がしばらく続いた。

しかし、アレックスはついにイライラが頂点に達して 「ジャア ナニガ ホシイ?」と怒鳴ってしまった。

彼女は大笑いし、そこからアレックスのことをたっぷり構ってあげたそうだ。




・・・・・なんていうエピソードが結構ありましてね。

もーーーーーーーっ、かわいくってかわいくってかわいくって!!!!!!ドキドキ



「グリーン!」 「ピース!」 「グリーン!」 「ピース!」


の掛け声は大爆笑でした。

夫×妻 のも最高。

アレックス×グリフィン も最高。



私はオウム自体には興味はあまりないけど、犬を飼っています。

ペット飼っている人には特にお勧め。

鳥好きは読まない理由が分からない。


非常に読みやすい本なので、普段本を読まない方にもいいと思いますよ。