トロイの秘宝を追え! 完全版 [DVD]/ハイノ・フェルヒ,マルタ・ヨアンナ・フルシンスキ,メラニー・ドゥテー
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いい映画に出会ってしまいました!!!

これは最高!

原題がどうなっているのか分かりませんが、

あり得ないほどだっさーーーーいタイトルに

インディ・ジョーンズを絶対に意識しているであろう、絶対に普段の私なら手に取らないであろう、まったく惹かれないジャケット。。。

でも、結構前にこれの予告編を見たことがありましたね
これは観なくては!!!!と思い、結構経過してからの観賞になりました。

ちなみにレンタルではエピソード1と2に分かれ、DVDも2枚になっています。
その分レンタル代は2倍になるってことだけど、その価値は十分にあります。
むしろ買ってもいいと思うよ、これは。

主人公はハインリヒ・シュリーマン
西洋系の文学・文化・歴史・芸術を専攻しているならば、彼の名を知らないのは恥!
というくらい有名な・・・・・
そう、それこそ、史上もっとも有名な考古学者ではないでしょうか。

長らく伝説だと思われてきた、トロイア遺跡を発掘した人です。
トロイ戦争も神話上の出来事だと思われていたんですよね、確か。
(但し、実際当時どこまでトロイが伝説だと思われていたのかは謎です。実際、シュリーマン以外にも発掘しようとした人はいたみたいだし・・・・でも、遺跡を発見したという意味でとても重要な人物で、大きく歴史を変えたのは事実。遺跡を壊してしまった、などという問題点も数多くあるようですけどね)

・・・・・つまり、この映画の結末がどうなるか、なんてこと分かっていて見るのに・・・・・。

なのにですねーーーーっ!

展開に目が離せませんっ!!

シュリーマンはドイツ人なのだけれど、ドイツの考古学界の連中(失礼)にも散々バカにされ、妨害され――
トロイ発掘を本気でやっているなんて、ドイツ人としての威厳が! うんたら、なんて言ってきます。

まあそれだけだったらいいんだけども
殺されそうになったり・・・・・・。

それ以前に、バツイチだったシュリーマンはギリシャでソフィアというお嫁さんをもらいうけます。
彼女は知性は凄くあるのだけれどかなり気が強い女性で、結婚に必死で抵抗。
金で自分を買った夫など愛せず、結婚前からずっと愛し合っていた男性を忘れられません。
シュリーマンはそんな彼女に対し(ソフィアはそう思ってないけど)優しくし、
身体の関係もありません。


でも・・・・・そんな彼女がっ・・・・・・・!

変わっていく様子がとても良く描かれています。かなり上手いと思うな、この女優さん。
徐々に輝くばかりの笑顔が見られるようになって。

結婚前に、「ホメロスを暗誦してみてくれ」とソフィアに頼むシュリーマン。

ああ、わかるよ、その気持ち。
すごくわかるよ・・・・・・・・・。


そうそう、順序がおかしくなってしまいましたが

シュリーマンはそう、もんのすごくホメロスを愛した人です。

ホメロスを愛しすぎて、『イリアス』に書いてあることは本当であると思い込み
いえ・・・だからこそ「ここは違う。海から離れ過ぎて、3日で往復などとてもできない」(自信ないけど、こんな感じのニュアンスだと思ってください)と思い、『イリアス』の描写通りのヒッサリクこそがトロイだ!と思う→ビンゴ! だから良かったのかもしれませんが。

分野は違うけど、『イリアス』は文学ですからね。
文学にかける愛。
に、共感すること多し・・・・・・です。
とても私の愛と比較できたものじゃないけどね。


この映画はアドベンチャーになってるけど
むしろ、ヒューマン・ドラマに近いです。

べつにシュリーマンなぞ知らない人が観ても十分に楽しめます。知識は必要ありません。
ホメロス読んだことなくても大丈夫。
ここまで画面にくぎ付けになってみてしまった映画は久しぶり。
ラブストーリーとしても楽しめますし。
あ~~いい映画に出会えたな~~~♪

おかしいくらい知名度が低い映画なので、皆様広めましょう!?
シュリーマンに興味がある人はほんと見なきゃ損ですよ。


イケメン×筋肉 で売っただけの『トロイ』なんか(失礼)よりも100倍はいい映画です。酷かったもの、これは。

古代への情熱―発掘王シュリーマン自伝 (角川文庫ソフィア)/シュリーマン

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シュリーマンの自伝。
岩波や新潮にもありました。結構いろいろあるんですねー?

私はまだ読んでいません。
伝記は色々読んできたけど、自伝ってあんまり読んでないよなぁ。