神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)/ダンテ
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最近ずっと読みたい、読みたい、と思っていたダンテ。

遂にダンテ・デビューしました☆

私はダンテってゲーテくらいの時代の人だと・・・・○年前くらいまで思っていたのですが(恥)

ダンテ・アリギエーリ(1265~1321)で、13世紀~14世紀のヒト。

かなり前ですね。シェイクスピアよりずっと前。


           ↓


    読まねば! となりました。


文学研究するならきっとダンテくらい、読んどくべきだよね・・・・・?(´・ω・`)

シェイクスピアってダンテ読んでるのかなぁ。当時イタリア文学の英訳ってたくさん出てるし、きっと出てますよねぇ、ダンテくらい。

意外と知られていないような気がしますが、ダンテってイタリア人。もっと言うならゲーテはドイツ人。

ほんとに意外と知られてないんですよね。名前は有名なのに。

ラテン語を離れ、イタリア語で書いたという点でも偉大な人物だとされているダンテ。


あと、ダンテってファミリー・ネームじゃなくってファースト・ネームです。


本名ダンテ・アリギエーリ。


ダンテは計り知れない影響を与え、


レオナルド・ダ・ヴィンチや、ミケランジェロのような偉大な芸術家たちも

「ダンテがなかったら自分はなかった」 と言っているのだとか・・・・。


確かクリスティーナ・ロセッティのお父さんはダンテの研究者でしたよね?

彼の息子、クリスティーナの兄であるラファエル前派のダンテ・ゲイブルエル・ロセッティもダンテに魅せられて。

父子で同じものをそこまで愛せるって幸せなことだわぁ。


また、『デカメロン』のボッカッチョも相当ダンテの影響を受けています。



文学的評価が高いことも分かっているのですが・・・・・のですが・・・・・・


そもそもこれって、キリスト教的に見てどうなんでしょう。


実際に行って見たわけでもないのに


ダンテはウェルギリウスに連れられて地獄を旅する。


そして、私ははっきりとこの目で見たのだと断言する。


それって、神の領域にまで達していいはずのない人間が適当に自分の頭の中の想像(妄想)を膨らませ、有りもしないことをて書き連ねる・・・・。


自分で勝手に地獄に落としてる。


って、いいの?いいはずがないだろ、と思うのは私だけ?


そこまでの想像力が素晴らしいのだ、という評価はおいておいて、ね。




言い方を変えれば、ダンテにとっての「悪人」はこういう人なのね、と分かって面白いんですが。





キリスト教なのにギリシャ神話の人物も数多く登場しています。


ギリシャ神話が分かれば読んでいて面白いですよー。



歴史上の著名な人物はともかく、知るわけないでしょ、というようなイタリアの人物が出てきたりすることも多いです。

このあたりさっぱり分からないから面白くありません。



でもまあ、ユダが地獄に落ちているのはキリスト教徒としては当たり前でしょう。


ジュリアス・シーザーを殺したブルータスとキャシアスがいるのも分かる。


でも

ホメロスやホラティウスも地獄に落とされています。

理由は、善良な人物だけど、キリスト教の洗礼を受けていないから


・・・・・・・・!?


いやいやいや、紀元前の人がどうやってキリストを知るというのよ(笑)



だとか突っ込みどころも満載ですけどね。



またキリスト教以外は認めていないので


マホメットも地獄に落とされ、めった切りにされています。文字通りのめった切り・・・。


古い作品だから仕方ないんだしそこは考慮しなければ・・・・だけど・・・・ちょっとねぇ。


アラビア語翻訳も今はあることはあるらしいですが、

さすがにこの箇所はカットされているらしいです。

そりゃそうですよね。



と色々ケチつけつつも、面白いことは面白いし


さすが、ダンテだけはあって美しい叙事詩です。


「ナルキッソスの鏡」 という表現とか好き・・・・・・・・!顔




この訳かなり読みやすかったです。


ひとつの歌ごとに、その歌の要約 → 歌 → 注釈


となっており、いちいち巻末の注釈にいかなくていいのが嬉しい。ドレの挿絵も多めです。


解説も非常に興味深いものでした。


この翻訳をされた平川氏は、修士論文で『ルネサンスの詩』という訳詞が中心でそれに解説を加えたものを出したのだそう。


この場合の「出した」って、どうやら「出版した」みたい・・・・。


ちょっと待って、修士レベルで出版?

何その天才!

私があと1年ちょっとで著書出すようなもんですよ・・・・。


で、それが関係者の目に留まって「その調子でダンテを訳してほしい」となったのだそうです。凄すぎる・・・・。





私が去年、カポディモンテ美術館展 を観るために行った国立西洋美術館。

 (ここの美術館、好き~! 企画展が毎度ツボです。札幌にもこういう美術館欲しい・・・)


屋外にロダンの作品が色々あるのですけれども

その中の一つが、 そびえたつ 地獄の門


Arixs's☆海外文学が好き。本が好き。古い映画が好き。


 ↑自分で撮影してきたやつ。


これも、もちろんダンテの『神曲』の地獄篇をテーマにして作られています。






やさしいダンテ<神曲> (角川文庫)/阿刀田 高

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ダンテ、ちょっと興味あるけど

どう考えてもあのむずかしそーで長い『神曲』読む気が起きなーい!

という方にお勧めなのが、阿刀田さんのこれです。レビューはこちら から。

ごく最近文庫版が出ました。

私は以前単行本で読んでるけど、今回ダンテ・デデューするにあたって再読。


ドレの神曲/ダンテ
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ドレの版画の『神曲』は、ドレの作品群の中でも特に有名かな?


これは是非とも読んでみるつもりですYonda?



既に大分長くなってしまったので、本当はダンテの『神曲』は、地獄篇・煉獄篇・天国篇でひとつなんだけど

地獄篇のみにしてみました。