続 高慢と偏見 (ちくま文庫)/エマ テナント
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エマ・テナントが書いたオースティンの名作『高慢と偏見』の続編です。

続編文学というジャンルがあるのか分からないけれど、

専門書等を読んでいてすぐに名前が挙がるのが

『風と共に去りぬ』の続編を書いたアレクサンドラ・リプリーと

エマ・テナントだと思います。

エマ・テナントも『風と共に去りぬ』の続編を書いていたらしいけど、結局リプリーが選ばれたらしいですよ。

結構評価が高いようだし、気になっていました。

初のエマ・テナントです。

因みに↓


ペンバリー館―続・高慢と偏見 ジェイン・オースティン/エマ テナント
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は何・・・・・??と思っていましたが、

どうやらこちらが先に出版されたらしくて、↑のちくま文庫のが後に出たものらしいですよ。


文庫にするに当たって、続編だと分かりやすいようにタイトルを変えたんだとか。



でも、エマ・テナントには

リジーの庭―『自負と偏見』それから/エマ テナント
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これもあるのが謎。少なくともちくま文庫の触れられていないんですけれど・・・・・・?


これは何なのか分からないので、ひとまず図書館で予約中です。



それでは本題に話を戻すと、

物語はエリザベスとダーシーの結婚後となっています。



小説はこの1文から始まります。


「財産があってすでに結婚している男なら、跡継ぎの息子を欲しがっているというのは、ひろく世間に認められている真理である。」



うん、間違ってないよね!(笑)




ペンバリー館の女主人となったエリザベス。

姉のジェインにも、妹のリディアにも子供が出来ているのに、自分には出来ないと思い悩んでばかり。


相変わらずジェインへの愛情はとても強く描かれているのですが

ベネット夫人とか、あのへんの人物も・・・・・相変わらずですよ(笑)


エリザベスの視点からしか描かれていないのがちょっと残念。

ダーシー全然登場しないしさぁ。

まず、エリザベスが原作よりもうじうじうじうじうじうじ・・・・・・・していて若干いらつきます。


結局、彼女は自分に自信がないんでしょうねー。

ダーシーに愛されているのかどうか、信じられていないから。


ちょろっとしか登場してくれない、多大なる人気を誇る英文学界のプリンス・ダーシー氏は(言いすぎ??)


ちょろっとしか登場してくれず、ちょろっとしか台詞を与えられていないのにも拘わらず

相変わらずステキです・・・・・(〃∇〃)



「結婚してからはもう一年近くたつというのに、エリザベスはダーシーと顔を合わせるたびにあいかわらず胸がときめく自分に驚いていた。ハンサムなことは確かだった。だが、彼の魅力はそれだけではなかった。重々しいところがあるのに、

それが彼女を見たとたん、感じがいいとしか言いようのない表情に変わるのだった。」



に、勝手にときめきます(笑)


イメージ図、完全にコリン・ファースです。


ダーシー氏ってやっぱり、ツンデレみたいなとこありますよね?

こういうの、女の子は好きですよね・・・・・・?(=´∇`=)



言うまでもありませんが、原作のほうが面白いです。

これは読者の対象を・・・・・どうやら、熱心なオースティン・ファンに絞ったわけではなさそうで

原作のエピソードを説明しすぎている箇所があるのは冗長に感じて気になるし

エリザベスの行動に結構な頻度でいちいち「~~~するために・・・・・した」と理由が付いているのが気になりました。

読めば、わかるじゃん、そんなの。


現代小説の傾向かなぁとも思うし

むかーーーーーし1回だけ読んだことある、というような読者も対象内にしているだろうから

そこ突っ込んだら可哀相だけれどさ・・・・



「ここ、きっとなかなか気付けないよね!」という箇所に気付けた!

というのも読書の醍醐味だと思うので。



全体的に、個人的には圧倒的にリプリーのほうが上手いと思います・・・・


オースティンファンは必読!とまでは言えないし

買ってまで読むものでは正直ないと思う(笑)けれど・・・・


図書館で借りて、さらっと読む分にはいいんじゃないかなー?

と思います。

エリノアとマリアンヌ―続・分別と多感/エマ テナント
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エマ・テナントは『分別と多感』の続編も書いています。

最近これを読まれた方曰く、書簡体小説らしいですよー!

これも読むつもりです。