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ネタバレあります!
(『オセロー』のあらすじを知っている方は問題ありません)
「よかった!」という評判をあまり聞かないし、まあ、そんなに期待もしてなかったけど
卒論『オセロー』だし、一応観とくかあという気持ちで見てみた作品です。
シェイクスピアの悲劇『オセロー』をもとに、若者の“嫉妬"や“裏切り"を通じて、アメリカの病理を鋭く抉り出す異色の学園ドラマ。
↑とあるように、現代に置き換えた学園モノ・・・・・。
えっと、イマサラですが、シェイクスピア関連になると
どぉぉぉしても辛口になります。
「好き」というか、愛してる、というか、もうそんな言葉じゃ表せないほどの愛情を抱いているシェイクスピア様。
現代におきかえて うん!これはいい! と思えるものって、個人的に『ウエスト・サイド・ストーリー』くらいです。
でもそれでもやっぱり、シェイクスピア作品の映像化はとにかく観ておきたいのですよね。
舞台は裕福な家庭の子供たちが通う、アメリカ南部の私立ハイスクール。
キャンパスでただひとりの黒人学生オーディン(メキ・ファイファー)は、バスケットボール・チームの花形選手であるばかりか、成績も優秀。
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学園のマドンナ的存在の学長の娘デジー(ジュリア・スタイルズ)との交際も順調だった。
だが、チームの名コーチ・グールディングの一人息子ヒューゴ(ジョシュ・ハートネット)は、そんなオーディンの姿を見て、暗い嫉妬を募らせていた。
リーグ戦で大活躍し全校生徒の前で讃えられるオーディンに、「君を本当の息子のように愛している」と告げる父の言葉が、ヒューゴの邪悪な心に火をつけた。彼はオーディンを陥れ、破滅させる決意をする……。
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オセローがオーディン
デズデモーナがデジー
イアーゴーがヒューゴ
となっています。
・
基本的あらすじは『オセロー』ですが・・・・・
人物描写があまりにも・・・・・ね、物足りませんでした。
オーディンはバスケットボールの花形選手だし (アメリカ人ってほんとにバスケ好きですねぇ・・・・必ずこういうのってバスケ。絶対バスケ。) 成績優秀らしいけど、オセローの「高潔さ」があるのか微妙。
嫉妬に狂いだしてからの変貌ぶりがだから、あまり引き立たないというか~・・・。
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一番どうかなあ、と思ったのはヒューゴ。
彼の動機ははっきりしてるんだか、してないんだかよく分からない。それは凄く良いと思うのですが、
善人で正直者の仮面を被れてない。 = オーディンがそこまで嫉妬に狂うのが疑問。あー
自分が黒人だから!ハイスクールに一人しかいない黒人だから!とか、アイデンティティ等の問題で――としたいのだろうけども、ちょっとそれも無理がある感じ。
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そして、そこまでヒューゴは悪人に思えないんですよねぇ・・・・。どうしたって、いくら恨んでいたって、そう簡単に殺しは出来ないんじゃない?
ジョシュ・ハートネットの演技力の問題なのか、脚本の問題なのかは分からないけれど。
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デジー役のジュリア・スタイルズは
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↑でカトリーナ役をしていましたねー。凄いなぁ、デズデモーナとはカトリーナって正反対ですよ。
『オセロー』で重要な役割を担っているのは、そう、あのハンカチ。
この映画では何故だかスカーフに変えられていました。
家宝だ、といってオーディンは恋人デジーにプレゼントするのだけれど、スカーフが家宝ぅぅ???
とか思ってしまったり~~~。
でも、ここが現代化するときに一番難しそう。
ハンカチの重要性を出すのって至難の技だもんなぁ。
最後は原作どおり、たくさんの人々が死んでいきます。
デジーは首を絞められて。 おお!ここはそのままだ!偉い!だよね、銃で撃たれて、とか絶対だめだよ。
日本では手に入らないけれど、確かインド映画の『オムカラ』を一部観る機会がありました。
これは絞首ではなくて、クッションで窒息死させていました。
その苦しみようとか、すっごいのねー・・・・。
それと比べてしまうと、こちらのデジーかなりあっさり死んでしまいます。ああ。
ただ、この映画の見所はここから。 (※だいぶ遅い、という突っ込みはナシで)
けっこう簡単に、あっという間に5人ほどの人物が死んでいきます。
ああ、やっぱり、拳銃って・・・・・簡単に人を殺せるんだな。
引き金を引くだけ、というのと、自らナイフを持って突き刺す、というのが重みが違うんだな・・・・・・
と思っていたら、
それからの報道陣の集まり。連行されていくヒューゴ。また報道陣。
そして、バスケ会場で訃報を知ったある人物。
遺族の嘆きがなんかもう・・・・・・すっごくて、あまりにも軽い殺人という行為をその涙が補っている感じがしました。
ここのシーンは良かったな~。
だけれどやはり、シェイクスピアの現代版は無理がある!ということがよく分かった気がします・・・・。
これだったら、もう少しシェイクスピアから離れたほうが面白くなったような??