心に響け、シェイクスピア―英語で味わう名せりふ/佐久間 康夫
¥1,260
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大学図書館で、ある登録している語の含まれた本が新たに入ってきたら連絡が来るように登録しています。


シェイクスピア、Shakespeare、カズオ・イシグロ等々・・・・・。

その機能で知ったこちらの本。


シェイクスピアの名言名句の本って多いですし、原文・和訳・解説の、よくある感じだろうな~・・・

と思っていたら!!☆


かなりよく出来た、入門書として良さそうな本でした。


著者は青学の教授だそうですよー。

専門は書いてないけど、シェイクスピア専門家が書いた本、というように感じました。

この本は『NHKラジオ ものしり英語塾』に掲載されたものを元にしているんだそう。



入門書として最適、なんですが

恥ずかしくも、けっこう知らなかったことが載っていたりしました。


基礎的なことって専門書とかに載っていなかったり、ね。


序幕 シェイクスピアを楽しむために


よくまあ、こんな短く生涯をまとめられたなぁ・・・・!と思うほど、簡単にまとめたものだとか

シェイクスピアの英語は難しいのか?も、普通は初期近代英語でうんぬんかんぬん、だけで終わっちゃうけれど、ちゃんと具体例出してくれていたり

スペリングは印刷業者が決めていたんだよーとか

韻文と散文について、ブランク・ヴァースについて(ややこしいんですよねー)とかまでちゃんと押さえてます。



第1幕 シェイクスピアのせりふに親しむ


第2幕 名場面で味わうシェイクスピア

ここでは、『十二夜』 『マクベス』 『空騒ぎ』 『アントニーとクレオパトラ』 『ヘンリー四世』の5作のあらすじ、

そして名言。


そして、ほんとに偉い!!と思ったのが、名言の箇所で


原文+注釈+和訳まであること。ふつう数行だけで終わらせちゃいますが、10行くらいちゃんと抜粋してるんです。なっかなかないと思います。


注釈つきなので、初心者さんでもこれならシェイクスピアの原文が読めちゃう!あげ


それにしても、珍しい5作を選びましたよねー。

四大悲劇はひとつだけだし、喜劇だと『十二夜』 『から騒ぎ』はよく入るけど

悲劇で『アントニーとクレオパトラ』ってなかなか持ってこないぞ。

日本でこういうパターンだと、歴史劇は『リチャード三世』のほうがよく入るし。





第3幕 9つのキーワードで読むシェイクスピア名句集 

ここは、人間、結婚、知恵などのキーワードからの名言を見ていくところ。

まあここは普通かな?



シェイクスピア入門書って数多くあれど、

歴史劇はノルマン征服以降のイングランド史ですよーくらいは書いてあっても

悲劇は、人名にタイトルのついているやつ、だとか意外に書いていない。


全体的に見て、かなり良くできた本だと思います。


一部分じゃなく原文引っ張ってきたのはホントスゴイ!