シェイクスピアの謎―法律家のみたシェイクスピア/小室 金之助
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法律専門家から見た、シェイクスピア。


サブタイトル通りの内容です。


法律・・・・実は、けっこう好き。いやでも政治のほうが好きかも。

全学共通では、法学、政治学系のをけっこうとりました。

法学部の専門も、ちょこちょことっています。

ただ・・・・・・エリザベス朝あたりのイングランドの法律についての講義なんて、ないもんなぁ。


これを読んで興味が湧きましたが

入門書とか、なさそう。

まだ調べてないけど、ないよね?きっと。

でも読み出したらどんどん脱線しそうで怖い。



何故だか、出た!定番。

「シェイクスピアが誰だったか?」から始まる本書。


私はもう、まるっきり興味のない内容です。むしろ、どーでもいーというか・・・・。


ベーコン?ないって。ないない。



最初はちょっと退屈なんですが、

「シェイクスピアはゴルフをしたか」 とかが出てきます。


ゴルフ?

どうやら、ジェイムズ1世は大変なゴルフ愛好家だったそうなのです。


ゴルフって、400年前からあったんだ~・・・・・。



読んでいくと、ほんとにゴルフに関連する語が至る所にあるように見えてきます。

ある研究者によると、シェイクスピアの戯曲34作中、111にのぼるそうです。


「シェイクスピアはイタリアへ行ったか」 とか。

これはよくありますねー。




今まで全然シェイクスピアをそのような見方で見てきませんでしたが、


どうやら専門家もびっくり!

の法律知識を持ち合わせているんだそうですよ。


特に土地法。


法律知識以外にも、

有名どころだと『ハムレット』で、クローディアスがハムレット先王を殺す時。

耳から毒を入れますよね。

これって当時最新の医学知識だったそうです。

一体どうやって知ったのだろう・・・。


墓掘りの台詞などからみると、フランス語の判例集を実際に読んだとしかとても考えられないのだけど

この可能性は考えられない(!)らしいし・・・・。




後半は、シェイクスピア作品における法律です。


こう見ていくと、すっごい法律用語の数々。


思ったとおり、特に『ヴェニスの商人』ですね!


この喜劇の中の悲劇は、

そもそもアントーニオの全財産が載せられた船が、戻ってこなかったことから引き起こされますが・・・


シェイクスピアが知っていたかどうかはおいておいて(著者はシェイクスピアほどの人物が知らぬわけがないだろうと)


執筆当時、イギリスで既に海上保険というものがあったそうです。




きっと、論文であればこういったものは幾らでもあるのかもしれませんが

簡単に手に入る専門書ではない本で

法律から見たシェイクスピアってなかなかなさそうです。


文学的にも相当調べられているし

先行研究もしっかりおさえられているので、

スゴイ。



シェイクスピアだからこそ、こういう類の本が多くあるんだろうなぁ。



(付けたし)

ただ、不満なことが1点。

論文の引用って、同じ論文内から何箇所か引用する場合は

2回目以降、その論文著者名のみ書けばOKってことになっています。


ふつうの論文や、専門書だったら巻末に参考文献一覧表があるから良いのだけど

この方、ふつーに文中に(フィリップス・前掲書○○頁)みたいになってる。


フィリップスって誰ーーーーーー!!!!!!びっくり


どこにあるんだーっ!


前掲書って一体どこにあるんだーーーーっ!


せめて、ページの左端とかにさ、脚注あれば見やすいけど

文中って、かなりしんどい・・・・・・。


朝からひたすらその作業に終われてます・・・・ああもぅ。不便よ。