智恵子抄 (新潮文庫)/高村 光太郎
¥420
Amazon.co.jp

あもるさんおススメの『智恵子抄』。

いつもは全く読まないジャンルなのですが・・・・・・・

教育実習で仲良くしていただいた国語の実習生が、詩の授業をされていて。

その関係で、授業も見学させていただいたり、

まさに高村光太郎についての会話をしたりしたので

なんとなく気になってはいました。

ただし。

何度も言っていますが、詩がニガテなんです・・・・・!もう、キライにかなり近い苦手。

わかんないならわかんないでいいじゃん。

と思われるかもしれませんが、よく入試でも出ちゃうし↓

無事合格して入学できても、確実に院でもやることになるわけだし↓



あっでも、日本語の詩集=原文、すらすら読めちゃう!?びっくり


と気付き(遅いですね~)

ひとまず読んでみました。



結論。

ああ、日本語っていいな、原文がふつうに読めるっていいな・・・・・。


ということでまず妙に感動してしまいました。



高村光太郎は1883-1956の人なので、まあ、日本語って言ってもちょっと古めではあるんですが、

日本人ですしね!

大丈夫です、これくらい普通に読めます。



小学生ではまった伝記でも、海外中心だったのではっきりしませんが

奥さんの高村智恵子のは読んでたはずなんですよね。


でも、精神分裂症だったんですね・・・・・!子供向けだと「先に逝った」とはあったけど、書いてなかったはず。



愛する妻の死後もひたすら妻を想い、詩を書き続けた光太郎。

前から順に読んでいって、

「ああ、ここで亡くなったんだな」 というポイントはすぐに分かります。


それから一気に物哀しさが詰まっていて、思わず涙してしまいそう。



前半はそうでもないかな・・・・?

という感じですが、後半になるにつれて、どんどん

「智恵子智恵子智恵子」


どんだけ奥さん好きなんだ!


というくらい、愛、愛、愛。



「冬の朝のめざめ」 では、なんと、サロメが登場してびっくり。



「東京には空がない」っていうのが聞いたことはあったけれど「あどけない話」という詩だったのですね~。


智恵子は東京に空が無いといふ、

ほんとの空が見たいといふ。

私は驚いて空を見る。

桜若葉の間に在るのは、

切つても切れない

むかしなじみのきれいな空だ。

どんよりけむる地平のぼかしは

うすもも色の朝のしめりだ。

智恵子は遠くを見ながら言ふ。

阿多多羅山の山の上に

毎日出てゐる青い空が

智恵子のほんとの空だといふ。

あどけない空の話である。



あと、いいなぁと思ったのは「梅酒」ですね。


智恵子が光太郎のために作っておいた、梅酒。

亡くなった後に、「わたしはしづかにしづかに味はふ」梅酒。



いい奥さんだったんだろうなぁ~・・・・・・。

物悲しい、という言葉がぴったりだと感じた詩でした。