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ずっと読もうとは思っていたけれど、あらすじ全部知っちゃっているし・・・・まあ、いいか、でなかなか読まなかったものです。
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『嫉妬の構造』を読んで読もうと決め、読んでみました。
先に結論を言っちゃうと、ん?嫉妬、どこ???
って感じでしたが(笑)
こちら、ネタバレあります~!ご注意ください。これに至っては、読む人ってあらすじ知っている人しかいなさそうだけども。
私が読んだのは上のワイド版岩波文庫。
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その名のとおり、大きいんですよー。
字も大きい。
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表紙も柔らかいけど、しっかりしている。
紙質もふつうの岩波より良い気がしました。
比べてみるとこんな感じです。
右がふつうの文庫サイズ。
古代ギリシャ三大悲劇詩人の1人であるソポクレスがBC427年ごろに書いたとされている戯曲です。
残り二人は、アイスキュロス(『縛られたプロメテウス』)、エウリピデス(『メディア』 『ヒッポリュトス』)。
この中でも特に有名で最高傑作とか言われている作品です。
オイディプスの伝説の一部だ、ということを知らなかったので
「ここからスタート!?」と驚きました。
ちゃんと戯曲の前にそれまでのあらすじも載っています。そのあらすじ+ソポクレスの『オイディプス王』を合わせるとこんな感じです。
太古のギリシャ。テーバイの王ライオスは、やがて生まれる自分の子にかかって亡き者にされる運命だと言うことを神託によって知らされ、妃イオカステとの間に子が生まれると、殺させようとした。
しかし、さすがにわが子を殺すのには忍びなく、
逃げまわれぬように息子の踵をブローチで刺し(何で刺したかはいろいろあるみたい?)家僕の一人に息子を手渡し、山に捨ててこさせた。
死んだと思っていたが、実はその子は隣国のコリントス王夫妻に拾われ、息子として育てられた。
踵の傷見、その子をオイディプス(腫れた足)と名付けた。
何一つ知らないオイディプスは周囲から「王の実子ではない」という噂を聞き、神に伺いを立てる。
すると、「父を殺し、母と交わるだろう」という内容であった・・・・。
当然、自分は本当のコリントス王夫妻の息子であると思っているオイディプスは、この神託が実現しないようにと遠く国を離れようとする。
しかし、ちょうどそのとき、ライオスは僅か4人の供を連れて旅に出ていた。
偶然に道で出会ってしまったライオスとオイディプス。
些細な口論が元になり、本当の親子だということを露も知らず、オイディプスはライオスを含め、供3人も殺してしまう。
残った1人は逃げ帰るのだが・・・。
オイディプスはこの後にテーバイの王の座へつくことになり、先王の妃 イオカステを娶ることとなる。
それから十数年の月日が経ち、
二人の間には4人の子供が。
しかし、テーバイの国には多くの災いが降りかかる。
これの原因は、神託によると先王ライオスを殺した人物だという。
死をもって償うか、国外へ追放しない限りは国は安泰にならない。
テーバイ国王オイディプスは、その人物を探し当てようとするのだが・・・・・・・・・
(ここからソポクレス『オイディプス王』スタート)
まさかの、その探していた人物が自分であるということを知ってしまう。
知らぬ間に父を殺し、そして母と交わってしまった。
予言が当たらぬようにと、国から遠く離れたのにもかかわらず・・・・。
イオカステは夫から夫を作り、子から子を作り。
オイディプスよりも早く事の真相に気付いてしまった彼女は、あまりのことに自害してしまう。
オイディプスも、その目を刺し、盲目となるのであった。
予言が実現しないようにしたのに。
なんという不幸。
探していた人物が自分自身であって
しかもオイディプス、という名の由来で
自分自身がわかる、というこれまた皮肉。
ストーリー展開、ものすっごく好きです。
このストーリーが元となってフロイトがかの有名なエディプス・コンプレックスを作り上げたわけだけれど・・・・
うーん、やっぱりちょっと、無理やりかな??
という気がします。だってオイディプスは、そうしたかったわけじゃないし・・・・・・・。
でも、文学作品がそういう心理学用語になるのってスゴイ好きです
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