シェイクスピア・シークレット 上/ジェニファー・リー・キャレル
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まず・・・・、なんでもかんでもミレイのオフィーリアを表紙に使いすぎじゃない?汗

これ、海外文学コーナーで平積みしてあることが多かったので

目にしたことがある方は多いのではないかと思います。

シェイクスピアにまつわる殺人事件+シェイクスピア別人説等の様々な研究内容

・・・・というのが分かりやすいでしょうか。

ロンドン、グローブ座。『ハムレット』の稽古中であった演技監督ケイトの元に、

ハーヴァード大学での恩師であったシェイクスピア学者 ロズが突然現れます。

「重要なものを見つけた。」

彼女はシェイクスピア界ではとてつもなく著名な人物なのに、

なぜかケイトの助けが必要だと言います。

小さい箱を渡され、これは何かと尋ねるとロズは

「それは記憶にしまって錠をかけ、鍵をあなたに預けましょう。」 と告げます。(オフィーリアの台詞)

そして改めて会う約束をしたのですが

その日の夜、ロズはグローブ座で何者かに殺されます。

耳に毒を注がれたハムレットの父王のように、首筋に注射を打たれて。

さすがに、シェイクスピア関連書とか含めたら200冊くらいは読んでるはずだから

知っていることが殆どなんですが

知っているからこそ面白い。

また、知らないからこそシェイクスピアにまつわるミステリーを知れて、面白い、という作品。

殺人事件のほうはねー、ミステリーがもともと好きじゃない、ってこともあるかと思いますが

イマイチかな?

ただ、こういうのを読んでシェイクスピアに興味を持って、

戯曲を読む――なんて人がきっと増えるんだろうな、と思うとこういう本はどんどん増えてほしいですね。

よくもまあ、ここまで調べ上げたなーと思っていたら・・・・

解説で著者がなんと、シェイクスピア学者だということが判明。なんだ・・・・・・。最後の著者紹介のとこには「英文学の学位を取得」としか書いてなかったのでね。

しかも、解説が河合祥一郎氏ですよ。

よくもまあ、書いたなぁ。

解説を読んでからまた再読すると感想がかなり変わるかな?

と思います。

河合氏の指摘するよう、歴史的背景を知っているのと知らないのではかなり異なります。

私もそういう読み方をしていないので、二度読むべきなのかも。

学者だったらもともと小説書く人じゃないし、仕方ないんでしょうね。

ものすごい売れたらしいですが、面白いのは断然上巻。

下巻は、中だるみが・・・・・・汗

あ、あれ。どうしちゃったの。

お世辞でも面白い、とは言えないくらいに落ちてしまいました。

これがすっごく残念・・・・。

シェイクスピアが偉大だからこそ起こってしまう、連続殺人事件です。

ロズは、奇跡のあるもの、を発見したかもしれないということを知るケイト。

これは途中でぴん電球ときたのが嬉しかったのですが(笑)

本当にこれが見つかったら、どうなるのでしょう。

本当に、本当に、殺人事件起きそうで恐ろしい。

世紀の大発見ですよ。

人を何人殺してでもほしい、と思う人は何人も確かに出てくるでしょう。

そして、永遠の(?)シェイクスピアの謎(?)

シェイクスピア別人説もかなりよく出てきます。

これについての本はかなり出ていますが・・・・

うん、別人説とか、ばっかばかしいと思う。

ネットでこんな書評を見つけました。

「端的に言って、昨今人気の『ダ・ヴィンチ・コード』のクローン的一冊である。

つまり歴史ミステリーの形式を借た情報小説だ。いかにも映画化されることをねらったような展開と構成に鼻白む人もいるかもしれない。確かに、キャラクター造詣、緻密(ちみつ)なプロット、奇抜なアイデア、そして巧みな語り口といった、読者を物語に引き込む技法は十分といえず、“小説”の部分は魅力にとぼしい。」

『ダ・ヴィンチ・コード』については河合氏も指摘していました。

だよねー、「小説」としては・・・・・・ちょっとね。

終わり方もね、なんか・・・・・ですよね。

幕間とか、あれ、絶対!いらないと思うし・・・・。

ラストも余韻の残らせ方がちょっとなぁ。


題名はもともと『骨とともに葬られて』となっていたそうなのです。

うーん、私はこちらのほうが良かったかなと思うのですが。

とか言いつつも、シェイクスピアにすこしでも興味のある方だったら楽しめるはず。

これは映画化したほうが面白くなりそうですね。

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こちら原書です。ミステリーっぽい・・・。
The Shakespeare Secret/J.L. Carrell
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18世紀初頭の天然痘との戦いをテーマとした歴史ノンフィクション、だそう。
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