R.シュトラウス:楽劇《サロメ》全曲 [DVD]/ドホナーニ(クリストフ・フォン)
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注:ネタバレあります!!!

オスカー・ワイルドの同名戯曲シュトラウスがオペラにしたものです。

コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウスにおけるライブ収録。

指揮はクリストフ・フォン・ドホナーニ

演出はリュック・ボンディ。

まず・・・・・・どこがいいのかが、やはり、意味不明です、はい。

どーーいうシチュエーションで観に行くんでしょう?

恋人同士で行くオペラでは絶対にないし

子供を連れて行けるものでもないし・・・。

まあ、一応(タダだし?)観てみましたが

そもそも原作のワイルドの『サロメ』が・・・・・全く受け付けなかったので、そりゃー「良かった!」とはなりませんよね。

ワイルドは『獄中記』と『ドリアン・グレイの肖像』も読みましたが、やはりドリアン・グレイがベストだなー。

ビアズリーの絵も、好きじゃなくって・・・・。

だいたいのあらすじはこんな感じです。

月が赤く、不吉に輝くある夜、ユダヤの王ヘロデ(ケネス・リーゲル)は自分の妻ヘロディアス(アニア・シリア)の連れ子であるサロメ(キャサリン・マルフィターノ)に対し色目を使う。

その眼差しに耐えられなくなった彼女は宴の席をはなれる――

そこで彼女が出会ったのは、ヘロデにより幽閉されていた預言者ヨカナーン(ブリン・ターフェル)。

彼に口づけを要求するも、厳しく拒絶される。

サロメはヘロデに踊るよう頼まれるが、拒む。

「なんでも願いを叶えよう」という言葉を聞き

「7つのヴェールの踊り」を踊る。

感嘆したヘロデは褒美のものを取らせようとするが

サロメが要求するのは、ヨカナーンの首」だけ。

これじゃないとだめ、ということを聞かない。

ヘロデは預言者の首をとることを恐れるが、仕方なくサロメの言うことを聞く。

ようやく手にしたヨカナーンの首。

恍惚とした表情を浮かべ、彼のくちびるに口づけをする・・・・・

という、超!!!グロテスクなものです。

新約聖書のストーリーが元になっている、とかで、そもそも「サロメ」とか出てこないらしいですね。

しかも、ヨカナーンの首を望んだのも母親が娘にそうするよう促したから、という。

それをワイルドは創作したらしいですが・・・

このオペラはけっこう、元のを重視している気がしました。

王がサロメを踊ることを強要させているときは止めに入るくせに、

いざ、ヨカナーンの首を求める場面では・・・・かなり母親が喜んでいる。

原作ではこれ、確かなかったはずなんですが・・・。違ったかなぁ。

そしてけっこう絵画にもサロメって見かけるし

(勝手に)ユーディトと二大生首(を持つ)女だと思ってます。

ユーディトって、旧約聖書に出てくるらしい、枕を共にした後に油断している敵の首を取った、と讃えられている(?)女性のこと。

こちらもよく絵画に描かれていますが、サロメの場合はお盆に首を載せている、というのが一般的のようですねー。

そして実はヘロデは、サロメの実の父でもある兄を殺し、ヘロディアスを自らの妻としていた、という・・・。

このあたり、なんだかすごーく『ハムレット』と重なるものがありません??

ワイルド、意識したんでしょうか。


生首を視覚的にどう表現するのかがずっと気になっていました。

非常に気持ち悪かったです。

第4場の「サロメの踊り(7つのヴェールの踊り)」はその名のとおり

7枚のベールを1枚ずつ脱いでいく・・・という、かなりエロティックなものらしいですが

これは別になかったです。

ヌードのあるオペラもあるらしいですよー。

だから、このシーンだけ別の女優さんに交代、ってこともあるらしく。

・・・尚更、どういうシチュエーションで観に行くのかが謎ですあせ

私にとっては初めてのドイツ語のオペラとなりました。

うーん、やっぱりイタリア語のほうが好きです。イタリア・オペラのほうが・・・。

あんまり音楽的にもいいなーとは思えず・・・・・残念。

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