大学教授のように小説を読む方法/トーマス・C. フォスター
¥2,940
Amazon.co.jp

これはもう。。。本当におススメです!!☆

海外文学好きであったら、是非とも読んでみてください。

日本文学でも応用できるっちゃできるけど・・・著者はアメリカ人だし、内容的にもやっぱり海外向き。


最初っから最後まで、終始興奮しっぱなしの1冊でした。

小説じゃないけど、今年のBEST BOOK候補ですよー。

手帳にも読んだ本は書いていってますが、既に候補が10冊溜まりました。どうしよう。



珍しく、コレは大学生協で見かけて面白そうだなーと図書館で借りてきたもの。

生協にはあるのに、大学図書館にはなかったけど(笑)



小説の筋を楽しむだけでなく、一歩踏み込んで読み解くための25のヒント。

シェイクスピアや聖書の引用、天気や病気の象徴的使い方、

隠された政治的意図・・・・・


おなじみの作品の違った顔が見えてくる、

小説好き・英米文学科の学生必読の一冊。

アメリカでロングセラー!


もう、これで説明は十分じゃないでしょうか。

読み終わった感想。

うん、こりゃーー、売れるよね・・・・でした。

これは買っても損はないかと思います。


文学やる上で必須とされている聖書、シェイクスピア、ギリシャ・ローマ神話。

更にそれに御伽噺が加わり。


「でもさー、なんでこういうのが重要なの?」

そんな根本的な問いにも答えてくれます。


作者は物語の舞台の場所(地理)や、天気にも大変気を遣っている。

著者も同じことを言っていたけど、そうなんですよね、

たとえば「雨」と言えばヘミングウェイの『武器よさらば』のラストシーンとか。

あれほど印象的な雨はない。

そして単なる「雨」じゃない・・・・。

『老人と海』はキューバじゃないと、成り立たない。

舞台がエーゲ海付近とかだったら・・・・なんか、なんか、違いません?


食事もそう。

食事、と言えば・・・・やっぱりヘンリー・ミラーとこれもヘミングウェイでしょうか。

どんだけ食うんだよ!

って言いたくなるくらい、食べる食べる。

そしてその真逆はエドガー・アラン・ポーだと言われています。


「それって、象徴ですか?」

私も大好きな「象徴」。でも、これって答えがあるものじゃない。

むしろ新たな「象徴」=オリジナリティ 新たな解釈、ってことで重要だったりしますし。


性行為だってそう、単なる性行為じゃない。

逆に、違うのが暗喩的に意味していたり。



病気もそうなんだよねぇぇぇ!!!!

と、もう、ほんっと面白かったです。



こんなに「そうそうそうそうそうそうそう!!!!!」

となったのはサマセット・モームの『世界の十大小説』(去年のBEST1でしたー)以来ではないでしょうか。


「大学教授のように小説を読む方法」

だけど、how to本ではないかな。


やっぱり、普通の英文科学生よりは断然大学の先生と話す機会多いですしね。

学会とか参加してたらそれこそ「大学教授の読み方」には触れられる。

だから一般的な学生よりは・・・・とちょっと自負している部分もあるっちゃあるけど、

「これって、そうだったの!?」

と目から鱗ボロボロのことも多くありました。



はーー、面白かった。

巻末におススメ本も載ってますよ。


「うんうん。わかったから」

とその中からキャサリン・マンスフィールド(恥ずかしくも、未読なのです・・・お世話になってる先生の専門なのに)やら、アンジェラ・カーターの『ワイズ・チルドレン』を読む予定です。


文学好きさんには是非!!大プッシュします~!