王子と乞食/マーク トウェイン
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王子さまと、乞食が入れ替わっちゃった★

ってことと

マーク・トウェインが作者だということしか知らなかったのです。

「昔むかしのロンドン・シティでのことです。(略)

一人の男の子が生まれました。キャンティという名の貧しい家族のあいだに生まれたのです。

でも、この家の人たちはこの子など欲しくはありませんでした。

同じ日に、もう一人、イギリス人の子が生まれました。

チューダーという名の裕福な家族のあいだに生まれたのです。

そして、この家の人たちはこの男の子を欲しいほしいと思っていました・・・・」

思わず、くすりと笑ってしまいました。

この言い回し・・・・。

イングランド王室を「チューダーという名の裕福な家族」だなんて言うし・・・・

イングランドのヘンリー八世と三人目の王妃 ジェーン・シーモアの息子エドワードをモデルにした・・・・

どころか、名前からしてエドワードです。

史実を元にした、フィクションというところ。

実在の事件も登場して、痛烈に皮肉っています。

エドワード王子と乞食のトム・キャンティは上記のよう、生まれた日も同じながら

姿かたちもそっくり。

とある事件をきっかけに、この二人が入れ替わってしまいます。

お互いにそれを主張するものの、あまりに似すぎており、「狂った」としか思われない・・・。

しかし、ヘンリ八世が没した後エドワード1世として即位したトムは庶民から慈悲深い名君と讃えられるようになるのですが・・・・。

この上にアフィリエイトを貼った本は1881年刊行の初版本を再現したもので、全192点の挿絵を完全収録しています。

相当、こだわっていて、巻末に挿絵リストがあるほど。

その分かなり厚くて、500ページ以上あるのですが・・・1,2日で読めそうな感じです。

文字書いているところが意外に少ない。

王様になったら、何もかもが思い通りになる?

乞食になったら、本当の自由が手に入る?

でも――幸せはいつも、ありのままの自分にしかない。


子供の姿を通して幸福の根源を描きつづけた、マーク・トウェインの代表的傑作。

・・・なのに、ハックルベリー・フィンの冒険』などの影に隠れてないか?

私はこちらも好きですが、『王子と乞食』のほうが尚良かった。

子供の視点から、本質を描く――という手法は定番でもあるし

スヌーピー(『ピーナッツ』)でもそれが使われているらしいんですが

こういうのはやっぱりいいな。

『星の王子さま』は好き。でも、『ピーター・パン』は嫌い。

あまりにくどすぎるとウンザリしちゃうけど・・・・これはちょうどいい感じ。

ネタバレになりそうなので伏せておきますが、

色々思うところが多い作品です。(良い意味でね!)

これは是非とも多くの方に読んでいただきたい、名作です。


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