『シェイクスピア百夜』も読み、これがなかなか専門的で気に入り

 続編のこちらも読んでみました。



 ”百夜”なので、シェイクスピアに関するいろいろ・・・・を100つ載せている、といったものです。

 シェイクスピア関連書は腐るほどありますし、

 入門書も山のよう。

 高校生のころからかなり読んでいるはずなのですが、いやー、全然ですね。

 知らないこと、多い多い多い。




 先ほども書きましたが、タイトルは入門書のようなのに

 中身はけっこう高度な上に、あんまり知ることのできないことまで載っていますおおっ


 代表的な解釈の例などのお堅い例から始まり


 興味深いのが第99話と100話です。


 『広辞苑』に、さて、一体シェイクスピアがどのように紹介されているか?


 こんなの、まず載せてる本ってないですし考えても見ませんでした。

 自分の専攻、専門分野を広辞苑で調べないよね・・・?普通。


 そして、その載っている内容に対して厳しい突っ込みがにひひ

 第2版補訂版(昭和51)のものに対して、ですので、今のもので調べてみると変わっている部分もありましたけどね。


 まずシェークスピアになってる。一応正しくはシェイクスピア、なはずなんですよね。(日本シェイクスピア協会によると)

 昔は”シェークスピヤ”とかだったりしますし、・・・まぁ、Shakespeareのスペルが正しいかも謎ですが。


 

 ジュリアス・シーザーが歴史劇になってる。→正しくは悲劇

 シェイクスピアにおける歴史劇って定義が”ノルマン征服以降のイギリス史”なので、違います。



 ・・・・広辞苑って・・・・けっこう、当てにならない?


 四大悲劇の順番どおりに載せてない、とか

 ハムレットは叔父と母親に対して復讐したとか(母親、とは簡単には言えない)


 ちょっとしたことなんだけど・・・。

 気になりますね・・・



 Wikiウィキペディアはよく使います。

 文学用語調べるときや論文書いているときにも使ってます、が


 皆さんご存知の通り

 どこまで信用したらいいのか分からないので、ある程度調べて他の文献に当たる、という感じです。

 ただウィキペディアって日本語版まだまだ載ってないってところが多い・・・汗

 


 話を戻しまして

 そして100話は「アンケート」です。


 偉大なるシェイクスピア研究家

 シェイクスピアのどの作品が好きか

 どの人物が好きか

 どのシェイクスピア学者が好きか


 聞いてみたんですって笑

 すごい、普通聞かない、聞けない^^

 けど、すっごくそれは気になること・・・。

 しかも既にお亡くなりになっている方が多いので、なんか・・・・嬉しい。


 とりあえず『ハムレット』が大人気みたいです。


 中野好夫さんは「映画スターのアンケートでもあるまいし、と苦笑」されたそうです(笑)


 う~ん、斬新キラキラ



 また、森鴎外が坪内逍遥に当てた手紙についてもありました。

 8通のうち2通がシェイクスピアに関係あるもので、校閲を頼んだらしいのです。


 ここで笑ってしまいました。

 理由は・・・なんか、英語より日本語のほうがぱっと見た感じ分かりにくいよ。


 先日松原ニテ御話ノ "the will not, she will not" 元々「地」ノ文ニ非ズ「言葉」ノ文ニ非ズ其間ニ在ルモノニ似タリ独逸人ハ同ジ場合ニテ必ズ純粋ノ「言葉」ノ文ヲ用ユルコトト存候得共猶明証モアランカト・・・・・


 えーと、この箇所はこの手紙を元に話を進められているのですが、手紙がまったく理解できなかった汗



 最後にあと、1つだけ。

 シェイクスピア作中の台詞をそのまま、或いはすこしいじって本のタイトルに・・・というのはよくありますが


 フォークナーの『響きと怒り』(『マクベス』)とかサマセット・モームの『菓子とビール』(『十二夜』)もそうなんですって。

 全然知りませんでした・・・。スタインベックとかもあるみたいですね。おもしろー!


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