ジュンパ・ラヒリだったら『停電の夜に』は数年前に読んでます。こちら、某大学のゼミ用に読みました。
現代小説ってあーんまり好きでない私・・・・どことなーくライトな感じがダメだったりします。上手く言えないけれど、重厚感のある小説のほうが好き。
でも、ジュンパ・ラヒリとは結構合いますね^^
テーマは「その他の本」にさせていただきました。
えぇ、簡単に”イギリス文学”フランス文学”という分類にしているからいけないんですが・・・・
ジュンパ・ラヒリはロンドン生まれ。でも、両親はインドのカルカッタ出身のベンガル人。そして、ニューヨーク在住。(らしい)
国籍はアメリカなのかしら
こういった場合、○○文学、という位置づけは難しいですね。
その地方(国)の特色は出にくいのかもしれないけれど、良いとこどりもできそう。
いや、まさにこの『その名にちなんで』はこういう人にしか書けないはず・・・・。
『その名にちなんで』。邦題と原題をチェックして、読み始める前にどういった話なのかを想像するのも読書の醍醐味のひとつ。
論文を書いてもタイトルに関して言及したくなる衝動を抑えられないのですがこれに関しては、読み終わってから納得。良いタイトルですね^^
その名にちなんで・・・・
その男は、ゴーゴリと名付けれました。アメリカ生まれだけれど、ベンガル人の両親を持つゴーゴリ。
英語でも、ベンガル語でもかなり珍しい名前。
もちろん、ロシアのニコライ・ゴーゴリからとられています。父親を列車事故から奇跡的に救った、ゴーゴリの『外套』。その著者名から名付けられたのです。
結局、大きくなるにつれその名が嫌になり自分で名前を変えてしまいます。
変えたい。
そもそも自分の故郷はインドなのか?アメリカなのか?自分は何人なんだ?何者なんだ?
彼の場合はその奇妙な名前から問いが始まりました。自分の居場所と、アイデンティティーを問い求める。
著者のラヒリの両親も、上記のようベンガル人。彼女のアンデンティティーも複雑で、「自分は何者なんだろう」とかなり考えたのでしょう。共通点、多いんじゃないかな・・・
始めから”ゴーゴリ”という名をつけよう、と決まっていたわけではなく、本当はゴーゴリの母の祖母が名付け親になる予定で手紙が投函されていました。
・・・・が、その後亡くなってしまい、更に手紙もどこかで迷子に。
もともとインドでは名前を何年もかけて決めることはザラなようですが、書類を書かないと母子共に退院できない。そう医師に言われ、このような名前がつけられることになります。
どうしてゴーゴリという名がつけられたのか。
それをずっと知らずに過ごしてきたゴーゴリ。
『外套』を父からプレゼントされても、ちっとも喜べずに埃が被ったまま・・・・。
最近はとんでもない名前を子供につける親が増えているけれど、やはり後々苦労するのは子供。あまりに変わった名前や、名前負けしそうな名前、そういった名前は子供にはつけたくないなー・・・・だっておばあちゃんになっても使うわけだし、名刺にだって書かれるんだし。
「ゴーゴリ」だもの。
『鼻』とか『外套』で有名なゴーゴリ。その才能は誰もが認めるけれど、どうやら幸せな人生とは程遠かったよう。何故そんな名前をつけるんだ!と思ってしまうのも無理もない。
ゴーゴリが父親の愛情を知っていく過程で、何ども胸が熱くなります。。
やっぱりジュンパ・ラヒリは人物描写がすごく上手い!ゴーゴリ側だけでなくて、父、母、恋人等の視点からも描かれていますが、どの側から見ても共感できる箇所が必ずある。「期待の新人」と騒がれたのも頷けます。
但し、この小説内で「浮気」が登場する箇所があります。
これは・・・・理解不能だなぁ
来週までに『鼻』と『外套』も読むつもりです
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