ブログでレビューを書いていない(新約・旧約聖書あたりなど)のもありますが、読みたい!と思っていた阿刀田高サンの文学解説書シリーズはこれにて終了です。うん、読みきりました。(いいの、私海外専門だし古事記とかは・・・)

 

 他の著書と比べ、何故か脱線が多いような気もしますが笑

一見まったく関係のなさそうな話から始め、本題へ持っていく。また、その逆がとても上手い!と毎度思わせられます。

 

 ジョナサン・スウィフト。ちょっと、言いにくい。スフィストと覚えていた方、結構多いのでは・・・?

彼の名前よりも『ガリバー旅行記』のほうが有名だと思います。


 イギリス人だとされることもありますが、この方ダブリン生まれでダブリンで没してるんですよね。どうやら彼の父親がイングランドからの移民だったらしいです。

 ジョナサン・スウィフト自身もロンドンに行ったりはしていたらしいですが・・・「イギリス人」とも「アイルランド人」とも言い切れないようなはてなマーク


 『ガリバー旅行記』が辛辣な風刺小説だということは、有名な話。子供の頃絵本などで読んだ方は多いと思いますが、実際は違うのだといったことをテレビ番組でも取り上げられていました。

 何を隠そう、風刺小説ってかなり好き。

 あぁ、性格なのでしょうか。

 でも、ここまでわっかりやすく風刺する作家っていうのも珍しいと思うのだけれどダッシュ


 何だかんだ言いつつも、私、まだ『ガリバー旅行記』を読んでないんです。でもあらすじやどこを皮肉って描いているというのは有名ですし色んな本にも出てくるので分かっちゃいるけれど・・・・


 コレは間違いなく私の好みだと思いますし、せっかくこの本を読んだのですから読んでみたいと思いますあげ



ウィキによると、正式な題名は

船医から始まり後に複数の船の船長となったレミュエル・ガリヴァーによる、世界の諸僻地への旅行記四篇なんだとか。

 スウィフトは仮名で書いたそうです。(だよねー・・・こんなあからさまな皮肉本名じゃムリだよね。そもそも仮名でもよく出版できたなぁ)

 ダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』とよく比較されますねー。


 主人公ガリバーは小人の国、巨人の国、空飛ぶ島、馬の国などを訪れます。

空飛ぶ島ラピュータは、もちろん、ジブリの天空の城ラピュタの元になってます。ナウシカも確かギリシャ神話が元になってるし、宮崎駿さんって読書家なのかしら。


 インターネット検索サイトのYahoo!はこの『ガリバー旅行記』の馬の国で出会う邪悪で汚らしい毛深い生物「ヤフー」から名付けられたことは有名な話です。

 まぁ、なぜこれを選んだのかが謎ですが・・・あせる

 馬は高尚だけれど、ヤフーと言われる生物は下劣で非道。争う様など、人間そっくり。ここで著者は人間を痛烈に皮肉って描いているのですね。

 因みに、ヤフーは馬たちから軽蔑されて生きています。

 いや、ある意味「軽蔑」というよりもどんなにヤフーが醜悪で怯懦でも「畜生なんだし仕方ない」と嫌悪と憐憫の眼で眺められる・・・・。

 ヤフーというのはヤー(yah)不快、あざけりを表す発音+ウッフ (ugh)嫌悪、軽蔑、恐怖などを示す発音なんだそう。


 書き出したらきりが無いのでこのくらいにしておきますが、阿刀田さんももし自分がイギリス文学を大学で専攻していたら卒論にスウィフトを選んでいただろう、と仰っています。(阿刀田さんはフランス文学専攻)

 卒論もそろそろ絞っていきたいので、特にイギリスの小説中心に読みあさっていきたいなーおんぷ

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