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シェイクスピアのことを考えただけで目が潤んでくる私です、こんにちは。
・・・・・なのに、ブログでシェイクスピア関連の本のレビューは書きつつも、肝心の戯曲のほうは全く書いてないとう事にかなり今更気がついてしまいました。(そして、テーマ増やしました^^)
さてさて、タイトルからして気になったこの本。しかも、ね。
著者はぜーんぜん知らないのですが、翻訳者名のところに釘付け。小田島恒志、小田島則子となっているではありませんか
私のブログにも何度も書いていますが、恒志さんって小田島雄志さんの息子サンです。ちょっと忘れちゃいましたが、お孫さんも○志だったなぁ。息子さん夫妻なんですね。
気になるじゃないですか。読まないわけがないじゃないですか。
でも・・・・肝心の内容自体は、イマイチ。堂々と書いているわりには、あまり説得力がない。で、根拠は??
と、どうしても聞いてみたくなってしまいます。
『ハムレット』の真の作者は誰だったのか?
著者はシェイクスピアでなく、オックスフォード伯 エドワード・ド・ヴィアという男だという結論に至ります。
「シェイクスピア別人論」。もう随分昔から言われていることですが、もういい加減に終わらせてはどうなのか。
確かに謎に包まれた部分の多いシェイクスピアで、一応戯曲は全部で37作、ということになっていますが・・・これは共作ではなかったのか、実はこれはシェイクスピアが書いたものかもしれない、なーんて指摘され、実際明確な数字とは言えないようです。
シェイクスピアは大学に行っておらず、彼の出身地 ストラットフォード・アポン・エイヴォンのような田舎町で育ったような男がこのような素晴らしい詩や戯曲を書けるわけが無い。
それが発端なようです。
著者は、ストラットフォード・アポン・エイヴォンに住んでいた「シェイクスピア」と、数々の詩と戯曲を残した「シェイクスピア」は別人だと唱えているんですね。
翻訳者は混乱を防ぐためにこの(仮の)2人の人物を「シェイクスピア」と「シェークスピア氏」と区別して訳されています。
あとがきにもありますが、なんとまぁ、
おそらく現在の日本でもっともシェイクスピアを愛し、もっともシェイクスピアを理解し、もっともシェイクスピアの素晴らしさを世に広めることに貢献している人物である小田島雄志の息子夫婦がシェイクスピアは「あの人」ではないとい論じる本書を翻訳したのだから、それだけでもなかなかの洒落になっているだろうと思う。
本当に、そう。
高名なシェイクスピア翻訳者がお父様なのに、こんなの訳しちゃっていいのー!?
と思ってしまいました。
私自身は、と言うと・・・・・シェイクスピアはやっぱりシェイクスピア。
400年も昔の人ですから、今から調べ上げようとしてももうムダなんじゃないか、と思ってしまいます。それを言っちゃあおしまいなんですが、これだけ大勢の人々が調べようとしても何も出てこないんだから。
新たに作り上げるなんて出来ないのだから。
もう、そろそろ議論するなら他のことについて議論すれば良いのでは・・・・・って、ね。
でも、だからと言ってまったく根拠のない証拠ばかりを列挙しているわけではなくって・・・・確かにシェイクスピアも幾つかのミスを犯しています。
たしか、ボヘミアに海があると書いてしまったり。これが一番有名でしょうか。
『ヴェローナの二紳士』では、内陸部のヴェローナとミラノの間を舟で行き来する人がいたり・・・。
小田島雄志さんも、著書の中で「シェイクスピアは地理が結構ニガテだったようですねー」だなんて仰っていましたし。
まぁ、得意、不得意。誰にでもあるでしょ、人間なんだから。と言いたいところです
でも、実は、著者曰くシェイクスピアの時代にはミラノとヴェローナなどは河川や運河で結ばれていて、舟で行き来することが可能どころか、唯一の交通手段だったようです。
・・・・正直混乱してきます。
そうなの?
さまざまな根拠が示す「シェイクスピア」の人間像は
・戯曲を書く前から既に詩人として有名であった。
・宮廷に出入りしており、自らも高貴な身分であった。
・外国で暮らしていたことがあり、特にイタリアの地理・風土に詳しかった。
・『ソネット』のモデルであるサウサンプトン伯爵と同性愛関係にあった。
・・だから、シェイクスピア=オックスフォード伯なのだ!
という主張なんですよね。やっぱり、どうも納得がいきません
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