3月になってから初更新ですね
例の如く、アカデミー賞受賞作品特集、ということでこの「ペーパー・チェイス」はジョン・ハウスマンが助演男優賞を受賞しています。
ハート(ティモシー・ボトムズ)は、名門ハーバード大のロースクール生。周りは全てライバル、死に物狂いで勉強しないと付いていけない。成績が命。ハーバード大卒だとしても、成績が悪けりゃ就職はないぞ。
初日に先輩にそう言われ、全く人間味のない教授キングスフィールド(ジョン・ハウサスマン)の講義で指され、全く答えられないという屈辱的な初日。
フォード(グラハム・ベケル)やケビン(ジェームズ・ノートン)ら同級生たちと6人で勉強会を作り、テスト前に自分の担当の科目のノートを作成してみんなで交換し、何とか乗り切ろう、ということになった。
但し、厳しいロースクール。最初から脱落者が出るかもしれないな、とは言っていたものの、本当に最後まで残ったのはハートを含め3人だけ。
自分は何の担当にするか、と話し合った結果、一番難解であろうキングスフィールド教授の契約法がハート本人の立候補により決まった。
そんなある日、ハートはスーザン(リンゼイ・ワグナー)と言う女性に声をかけられ、誰かに後をつけられているから角まで一緒に歩いてくれ、と頼まれる。当然、ハートは危ないから自分が家まで送るよ、と送り届ける・・・が、それからハートは彼女が気になって仕方が無い。
急速に親しくなっていった2人。
しかし、ある日ハートはスーザンはがまだ夫と離婚協議中で完全には離婚できていないことと、実はキングスフィールドの娘であることを知り・・・
といったあらすじです。
他の国の人が観たら違う感想を持つのかもしれませんが、日本人がこの映画を観たら一番感じることはロースクールの大変さでしょう。
海外の大学は、入るのは簡単だけど、出るのは大変。
それはよく知られていることですが、日本人からみたら十分入るのだって難しい・・。
PISA調査などを見ても、日本の学生は本当に勉強量が少ない。
私自身、今大学生です。
でもロースクールに通っているわけではないから、実際目にしたわけではないけれど日本のロースクールはやはりこのレベルには到底及ばないのでしょう。当然普通の大学生よりは大変でしょうし、相当勉強しているでしょうけどね。
死に物狂いで、寝る間も惜しんで勉強する、とはまさにこのこと。
勉強の敵は、女だ。
恋人と自分が同じ受験生、という状況とかなら励ましあって出来るとは思いますが、デートにも時間はかかる。
可能な人は可能なんでしょうが、確かにその意見は一利あるのではないかと。
ハートは図書館にキングスフィールド教授のハーバードの学生時代のノートが今でも保管されていると聞き、どうしても後に彼の専門となる契約法のノートが見たいという欲望に打ち勝てず、友人と共に夜中に忍び込みます。
”あの”キングスフィールドのノートだ、さぞ凄いものなんだろう。
誰でもそう考えると思いますが、ハートらの見たものは、自分らのものとさほど変わらないノートでした。
何とかいい点を取りたい、と必死に書いたノート。一部には落書きがあったり、と何ら変わらないノート。
このノートを見てから、ハートの考えは変わります。
恐れると同時に、尊敬もしていた教授。
ひたすら質疑応答を繰り返す形式を取る、キングスフィールド教授の講義。
最後の講義では、一斉に学生が立ち上がり拍手喝采で見送ります。しかし、にこりともしない無表情な教授。
よくこの映画と比較される(らしい)「いまを生きる」は正反対で、ロビン・ウィリアムズ演じる人間味溢れる先生。ストーリーとしては全然違うのに、妙に被る部分がありました。
学生なんだから、勉強が仕事。
勉強をして、当たり前。
でも、本当に勉強しなくても単位って取れてしまうし、普通にやってれば留年するなんてことない。出席して、レポート出してテスト受ければ、まず単位って落とさないはず。
退学していく学生って本当に多いんですよね。浪人して有名国立大学に入学しても、辞めていく人は、多い。
教職だって、何人辞めていったでしょうか。
入学当時に「教育実習に行くまでに、例年この人数の2割になりますよ」と聞いていたけど、どうやら本当にそうなってしまいそうです。
やる気ない、と学生たちに文句を言うよりも、もう少し単位取得を難しくするだとか、もっと必死で勉強しないと卒業出来ないようにするだとか、何とかできないものなんでしょうか・・・。
大学生、ってだけで「時間あっていいよね!」「じゃ、暇なんでしょ!」
のように扱われる。人によるんですよ、人に。
そして、そういや明日後期の成績発表だったりします。
大丈夫だとは思うけれど、見るまでやっぱりドキドキするんですよね
この映画のラストシーンは、評価の別れるところでしょうか。
私だったらとても後悔しそうで絶対出来ないだろうな・・・苦笑