我ながら、こういう純愛小説好きだなぁ・・・と思う今日この頃です。秋にこそこういう本って読みたくなります。既にブログで書いていますが、ニコラス・スパークスの小説がお好きな方にはお勧めですねにこ

 「大人のための心優しい恋愛小説」とも称されている本です。何てったって、主人公の2人が50歳近くなのですから。イギリスならでは、の小説です。


 ヒロインはウェールズでB&Bを営むフィオナ。彼女の夫は病気で性格が急変し、孤独に耐えていた。そこで出逢ったのが、愛しながらも別れ、亡くなった妻の遺灰をウェールズに散骨しにB&Bに泊まったアレックだった。お互いに一目で惹かれあい、ウェールズの大自然の中で短くも緩やかな幸福な日々を過ごす2人。でも、ある日アレックは自分の存在が愛するフィオナとのスキャンダルの種になってしまうかもしれないということに気づいてしまう・・・


 前妻を深く、深く愛していたが亡くなってしまう。彼女を一生愛し続け、他の女性を好きになることなどないのだろうと思いつつも、激しい恋に落ちてしまうというところがニコラス・スパークスの『メッセージ・イン・ア・ボトル』に結構似ている気がします。情景も、自然豊かで何だか似ていて描き方まで似ているような。


 確かに「心温まる物語」なのですが、泣けはしませんでした。思いっきりネタバレですが、これは悲恋ものではなく最終的にはハッピーエンドクラッカーです。(訳者あとがきにも書いてありますが、冒頭でハッピーエンドだと既に明かされています)読んでいて安らかな、穏やかな気持ちになれる本です。でもでも、やっぱり個人的にはこういう類のものは泣けてこそ!という気もします。


 心温まる・・・と言いつつも、ヒロインのフィオナには夫がいるわけです。(言っちゃえば、彼女にはミーガンという娘までいます)病気で性格が変わり、自分をコントロール出来なくなったとはいえ、夫は夫。一方アレックは前妻と離婚し更に死別しているので問題はないとはいえ、やはりこれは不倫でしょう。でも、何故だかあまり不倫という感じはなく純愛小説です。なーんか、腑に落ちない気も・・・。ちゃんと(?)アレックもフィオナもそのことで葛藤するわけなんですが、どうも引っかかる部分があるのは事実。面白いんだけれども、ちょっと美化されすぎなのかな。

 

 ウィル・ノースはこれが処女作だそうです。何だかんだ言いつつも、また発売されるごとに必ず読むと思います^^