スタンダールの長編小説。私にしては珍しく、フランスの小説ですアップ(でもデュマってフランス人か・・)それにしても、「長編小説」ってどれくらいの長さで長編というのでしょうかはてな上下巻の2冊におさまる長さで「長編」って感じがあまりしないのですが・・・。個人的には、文庫本3冊以上で長編と呼べる気がします。

 これは恐らく高校生の頃に読んだ本です。フランス文学なんだけれど、どことなくロシアっぽい雰囲気。簡単に言えば、とある男の挫折と成功、そして殺人未遂事件を描いたもの。
 主人公は頭脳明晰なジュリアンという男。家庭教師として働くが、そこの奥さん(レーナル夫人)と恋に落ちてしまう。夫に気付かれ、神学校へ。そこで伯爵の秘書に抜擢され、なんと今度はその伯爵の娘と恋に落ち、彼女は妊娠してしまう。その時、レーナル夫人の夫が伯爵に手紙を送りつけ、伯爵は激怒。婚約は破棄されてしまう・・・・

 とっても暗い小説で当然笑える話でもなく、そこまでの感動作でもない。ジュリアンにどこまで感情移入が出来て、どこまで理解が出来るのかにかかってくる作品ですが、こういうキャラクターに感情移入ってなかなか難しい。個人的にはそこまで良い話とは思えず・・・。何となくドストエフスキーの『罪と罰』に似ているきがしますが、こちらの方が私は好き。評価が分かれる作品ではないかと思います。好きではないんだけれど、でもこういう政治的批判が含まれている作品って好み。日本人が書いた物ってあまりないと思うんです。特に現代のは特に好みでなくて汗2

 タイトルが『赤と黒』なのが気になって読んでみた作品なのですが、調べてみるとスタンダールは何も語っていないよう。一番有力な説は、「ジュリアンが出世の手段と使用とした軍人(赤)と聖職者(黒)の服の色」というもの。私もこうだと思います。また、この作品を色で表すと確かに赤と黒になりそう・・・。
 スタンダールが44歳の時に書いた『赤と黒』。小説って年齢が変わり色んな経験を積むとまた感想が変わる。30歳くらいになったらまた読んでみようかと思います。
 



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