2021年2月 広島県 福山市 走島の石鎚山 | 旅する石鎚信仰者

旅する石鎚信仰者

やはり石鎚山は素晴らしい。

@21

 

広島県福山市に走島と言う島があり、ここに石鎚山がある。

この石鎚山の事は走島の旧桟橋元の島の案内看板に「石鎚山」と記されているだけで

他には何も情報は無い、島の滞在時間は4時間半ほどあるので、まずは島の住民への

聞き込みから入る事に、そして港からすぐの所に「走島太鼓保存会」と記された建物が

あり、ここでこの島の石鎚山の事を訪ねる事から始まった。

何よりこの方はこの石鎚山の事について詳しい方であったが60年以上前の記憶であり

はっきりとしない部分はあるものの親切に教えてくださった、何よりこの古老は石鎚山

を「いしずきさん」と呼びながら、島に残る信仰すべてを語ってくれた。

そしてこの島の石鎚山は頂ではなく、稜線上にある横たわる岩の事であり、岩が重なり

合った所に小さな焼き物の祠が祀られてあり、これが石鎚山だという事であった。

そして大まかな岩の形と場所を聞き捜索を開始、無事に石鎚山と思われる岩を発見す

る事が出来た、発見して思ったことは石鎚山である物が岩である事と岩の形や大きさ

を知っていなければ絶対発見できず、岩がごろごろしている近くの頂が石鎚山と勘違い

してしまう環境であった、発見した時に思ったことは船を下りてからあの古老に出会う

事もすべてこの石鎚山に呼ばれた感がしてならなかった、そしてもうこの島には、この

石鎚山の事を知る人も少なく最後の信仰者も既に居なくなってしまった、昭和の中頃で

この島に2人の石鎚山信仰者が居て白衣を着てこの石鎚山へ登拝している姿を見たの

が最後らしいが、それから何十年も時が経った現代に僕が石鎚山を探しに来たことに

かなり関心を持っていただいた、古老は発見したら今の状況を教えてほしいとの事で

最後に立ち寄り現状を報告すると懐かし気に僕の話を聞いてくれたm( _  _ )m

そしてこの旅を振り返って思う事は「やはり石鎚山はすばらしい」という事であり、この

島での出来事すべてを現している。

 

 

 

 

 

 

 

 

走島の石鎚山

 

どの地図にも石鎚山とは記されていない

 

鞆の浦11時発のフェリーで走島まで25分

 

何も情報は無いまま徒歩で上陸

 

旧フェリー桟橋元に残る島の案内図

 

ここに石鎚山と記されている

この旅はこの看板から始まったのである

 

フェリーを下りてすぐの所にある岩

右隅に小さな祠祀られている

何かしら感じる光景であり後の石鎚山発見への

手掛かりともなることとなった

 

右手に住吉神社を過ぎ最初の角を右へ曲がり

 

また最初の角を右に曲がり墓地のほうへ登って行く

 

登り切った所に三宝荒神神社の入り口がある

 

ここが三宝荒神神社の入り口

本来の石鎚山登拝口はここから右であったが

古老が言う通り道らしいところは無く

独断で三宝荒神神社辺りから稜線へ登る決心をした

 

すぐに鳥居がある

 

三宝荒神神社

何よりも綺麗に手入れされ管理されている

 

三宝荒神神社の右手から支尾根を稜線まで登る

 

はっきり言って道は無いが大藪でもなく登ることができる

 

10分も登れば稜線が見えてくる

 

現在地は石鎚山と下浦山のちょうど中間あたり

おそらくここから右方向(北)に石鎚山はあるはずだが

まずは左方向(南)の下浦山方向へ行ってみる

 

石鎚山とされる大岩を探しながら進むが

尾根が平らで幅が広く広範囲となり探しにくい

それらしい岩をひとつひとつ見ていく

 

結局、下浦山まで来てしまったので中間地点まで戻り

反対方向(北)へ石鎚山を探しに行く

 

中間地点から北へ進むとすぐに丘になっていて

ここには島四国88霊場の石仏が祀られている

岩はあるがここが石鎚山ではなさそう

 

更に進むと電柱が出てくる

この辺りは人の手が入っていてかなり開けていた

 

電柱の先に小さな丘があり木が茂り岩もある

 

ここが北側稜線上最後の頂であり

ここから稜線は東方向へ曲がり住吉神社方向へ続く

何となく石鎚山っぽい感じの所だか何かが違う

何も知らずに港の看板の石鎚山だけを見て来ると

ここが石鎚山と思う場所である

 

ここにも島四国88霊場の石仏がある

 

石仏は十一面観音、台座には「六十ニ番 宝壽寺」とある

 

北方向は緩く下りになっているがこの先を探してみる

 

入っていくと電柱が2本見える

そしてこの森の中に石鎚山はあった

 

藪っている中に横たわる岩を発見

 

横長い岩で大きさも形も古老が言っていた通りである

この横たわる岩が走島の石鎚山

そしてこの稜線上にある他の岩とは何か違い変わった岩である

 

反対側は割れ目から木が生えていた

 

この石鎚山とされる岩は何か不思議な形状である

そして中間の岩が重なる所に石仏があるが

これは島四国の石仏で石鎚山の祠は見当たらない

 

毘沙聞天の石仏で揺すると石台の上である事も分かる

やはり島四国の石仏のひとつであり

さっきの丘にあった六十ニ番 宝壽寺を考えると

この石仏の台座には「六十三番吉祥寺」とあり御本尊は毘沙聞天

どうも長い年月で下部全体が30cmほど埋まってしまった様

予想では石仏の周囲を掘れば石鎚山の祠が出てくると思う

 

そしてこの石仏が向く先は東向き

いい変えれば走島の集落方向である

 

そして石鎚山発見の報告をして今日の旅は終わった

 

右の低い方の頂の少し手前が石鎚山

「やはり石鎚山はすばらしい」と思う旅である

 

 

 

 

 

 

 

 

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