こういうことを書くと反発されるかもしれない。
私は子供のころ、庭が無い家なんか嫌だった。最低限、家の敷地面積と同じぐらいの庭があって、庭木やお花があって、さらに車を置けるスペースがあるような家じゃないと嫌だった。
敷地面積ぎりぎりに家を建てて、家にいて家のすぐ外を知らない人が歩いて、声が聞こえるような家なんて嫌だった。
人の声なんかまったくしない、世の中から取り残されたような場所だなあなんて思ったこともあったけど。
知らない人が増えたら……。
新興住宅地が近所にできて、宅地化されたころからそんなふうに思い始めた。
私の知らない間にどんどん変わっていく。私はなんにも知らされない。子供なんて、娘なんてそんなもんだ。親や祖母はうれしかったみたいだけど。(祖父が生きていたころは売らなかったんだけど、相続税の問題とかがあって、売ったり貸したりしないと逆に大変になるらしい。)変わっていく=お金が入るから。実家は土地を売る側、貸す側だったから。
だから、昼間に家のそばの道を歩く人がいて話し声が聞こえるようになったり、夜中に近所の駐車場に集って騒ぐ若者の声が聞こえたりするようになったら嫌で嫌でしょうがなかった。
でも、実家を離れてマンションに1人で住んでみたら。自由になった気がした。
家の外でよその人の声がしても嫌じゃない。
そういうもんだって思うようになっていた。
マンションで一人暮らししてから2~3年経ったころ、庭が無いような、敷地面積ぎりぎりに家が立っているような新築の家もいいなあ、立派だなあって思うようになっていた。
サラリーマンでもある程度の経済力、お給料が無ければ、自分(達)で土地つきの家は建てられないから……。
それから、また実家に戻ってみた現在。やっぱり家の外を通る、知らない人の声がするのが嫌なんだな。
実家に戻るとそういう気持ちになるみたい。多分、小さいころは静かだったからかな……。