昨今のコンシューマーゲーム制作は
完成までにやるべきことがとても多く、
よほどの大企業でない限り( もしくはよほどの小作品でない限り )
一社で全てを作りきるのは至難の技です。

そのため、プロジェクトは外注の力なくしては成立せず、
社外の人たちとの付き合いは非常に重要になってきます。

制作は、こうした「外部」との窓口としての役割も担います。

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一般論として、社外の人に何か仕事をお願いする場合には、
社内の人間と同じノリでお願いすることはできません。

社内の人間は、何か仕事を頼む際、比較的融通がききます。
微妙なニュアンスを伝えるにも、リテークを出す際にも、
どこがどうあって欲しいのか直接伝えることができるからです。

しかし、これが外注先であるとそう楽にはいかなくなります。
微妙なニュアンスも基本的には資料経由で
伝えなければなりませんし、
リテークも社内ほど気軽にはできなくなります。
その場にいない人間に対して、どこがどうダメで、どう修正して
欲しいのか正確に伝えるのは、とても難しいことだからです。

また、社内の人間であれば
「ちょっと足らなかったから追加で作って」とか、
「ここどうしても追い込みだから、悪いけど休出して」とか、
最悪、伝え方が悪くて間違ったものができてしまった場合でも
「ごめん」で済むのですが、外注に対してはそうはいきません。

外注とはあくまで会社対会社(もしくは会社対個人)の
ビジネス関係にあるものであり、契約で想定されていない業務は
原則お願いできないからです。
(といいつつ、現実には多少融通してもらうケースも多いのですが、
 やはり社員と同等には扱えませんし、ナアナアにしてもいけません。)

つまり、
「外注の力は不可欠だが、モノを頼むときは、
 社内に頼む時以上にいろいろ気を遣わなければならない」
ということが言えます。

しかし、こうした外注とのやり取りにばかり気を遣ってばかりいると、
肝心の作品作りの作業に集中できなくなってしまいます。
また、クリエイターの中には、いわゆる「ビジネス的な会話」を
苦手分野としている人間も少なくありません。

そこで、制作が「窓口」となり、
社内のクリエイターと社外のクリエイターの間に入って
お互いの意思を伝え合うお手伝いをするのです。

外注から上がってきた素材の品質をチェックするのは
クリエイター自身ですが、リテークの指示や資料作りは
制作がクリエイターから聞き取りを行い、代行する……
こうすることでコミュニケーションをより円滑にし、
また最前線のクリエイター達の負担をなるべく軽くして、
作品作りに集中できる環境を作ります。

※ただし、高度に技術的な話は理解しきれないこともあるので、
 そのような場合は現場の方同士で話してもらうこともあります。

※また、クリエイターにもいろいろなタイプの方がいて、
 制作に任せず、自身の言葉で直接外注先と話す人もいます。
 制作がどこまで間に入るかは、かなりケースバイケースです。