PS系コントローラの場合、国産ゲームのほとんどが


○ボタン = 決定

×ボタン = キャンセル


というアサインを採用していますが、

実はこれ、海外(特に欧米方面)だと全く逆で


○ボタン = キャンセル

×ボタン = 決定


が常識になっています。


日本人は「○」という記号に肯定的意味を感じ、

「×」という記号に否定的意味を感じるのが普通ですが、

欧米人は「×」を「✔(チェック)」と同じと取るらしく、

これが決定になっていないと違和感を感じるそうです。


この文化的ギャップを埋めるため、ローカライズ時には、

○ボタンと×ボタンの役割を入れ替える作業が発生します。

仮にキーコンフィグに対応したゲームだったとしても

デフォルト設定は変えなければなりませんし、

そもそも設定だけでなく、チュートリアルやヘルプ表示の

グラフィック変更にも対応しなくてはなりません。



そしていざ対応すると、

今まで○で決定していたものが×になり、

×でキャンセルしていたものが○になるので、

開発者ですら誤操作多発の状況になります。

(とはいえ、数日もすると慣れてくるのですが。)



ちなみにゲーム内部だけでなく、PS3やPSPのHOME画面も

海外仕様にすると○×ボタンの役割が入れ替わるのですが、

これはゲーム側のプログラムとは別のものなので、

あわせて設定しておかないとややこしいことになります。


どういうことかというと、

HOME画面を日本仕様にしたまま海外向けゲームを動かすと

ゲーム中は×で決定ですが、

セーブ/ロード(ユーティリティ)に移った瞬間から○が決定になり、

ユーティリティが閉じるとまた×決定に戻ることになります。

言葉で書くと大したことないように聞こえますが、

実際に操作するとややこしいことこの上なく、

誤操作すること請け合いです。



言葉の壁だけではあきたらず、ボタン配置までバラバラ……。



開発する身としては

人類の協調性のなさに恨み言のひとつも言いたくなるのですが、

世界的なゲーム人口から考えれば

「○=決定」派の方が少数なので、

あまり大きなことは言えないのかもしれません。