11月も下旬。空気が秋から冬に変わり、OMソーラーの暖かさを感じたり、
薪ストーブの炎やキャンドルやオイルランプの灯りを楽しみたい時期ですね。
今回のブログは、ガスストーブで日々夜の冷え込みをしのいでいる
広報の伊藤がお送りします。
11月はじめに「つむじ、暮らしの文化祭」を開催しました。地域でつながる作家さんや農家さん、そして相羽建設のスタッフも参加しての暮らしの文化祭。当日は秋晴れの空の下で大勢の方が来場してくださり、手しごとでつくられた食べ物や作品に触れて手にとっていただくことができ、とてもうれしい1日となりました。
文化祭を終えてから早いものであっという間に11月も残り一週間。
日が短くになるにつれ、時間が経つのも少しずつ早くなっているように感じます。来週はいよいよ師走。2017年も締めくくりの時期ですね。
■住める街を、住みたい街に
毎年この時期に開催されるジャパンホームショーでは、「ミライセッション」という工務店業界のオピニオンリーダーの方々が集まってさまざまな談義をする講演会が開催され、「伝える」というテーマの回に相羽建設の広報部の吉川さんも参加、登壇させていただきました。
「つながる人すべての暮らしを豊かにする」という理念のもとで、近年で力を入れて取り組んできた情報発信やメディアづくり、そしてイベントのことをお話ししました。
地域に根付いて生きる工務店として、相羽建設がモノやコトをつくることと同じくらい「伝える」を大切に考えていること。
家づくりを発信するだけでなく、手仕事に携わる人やまちの魅力を伝えていく中で、「住める街」を「住みたい街」に変えていくことを目指していること。
「応援し、応援される」
「住めるまちを住みたいまちにする」
「みんなでやる」
「正解がないからこそ、大切なのは柔軟性」
メディアづくりもイベントも、大切なのは自分たちの足元にある宝を見つけ、地域や手しごとの魅力、つくっている人の想いを丁寧に届けること。それを一人で伝えるよりも、共感できる人たちと一緒にやれば、もっと多くの人のところに届くこと。「街おこし」として自然に何かがおこるのを待つのではなく、「街沸かし」として、地域を沸かせるような活動に自らが関わること。
広報という仕事に携わる日々の中ではどうしても目の前のことに目がいきがちだけれど、「工務店として、地域にもっと関わろう」と決めた数年間の中で、たくさんの出会いやつながりが生まれはじめてきたことを実感できた時間でした。
(photo 寺島由里佳)
(photo 寺島由里佳)
(photo 寺島由里佳)
■大工の技と地域の魅力が融合した「大工の手」展覧会
毎年のジャパンホームショーでは、家具デザイナーの小泉誠さんや建築家の伊礼智さん、「わざわ座」の活動に参加する工務店メンバーとともに「大工の手」展覧会として一座の活動のお披露目を行なっています。木の家をつくった大工さんが家具までつくるという「大工の手」プロジェクトが全国的な展開としてはじまってから三年。展覧会は、一座の新しい取り組みや活動の近況をお知らせする舞台でもあります。
(photo 小泉誠+Koizumi studio)
2017年の展覧会場には、全国の座衆メンバーがつくった31脚のスツールが「みんなの手」として展示されました。
木と布の融合だけでなく、大工さんや織物作家さん、金物屋さんなど多様な協働が行われ、それぞれの座衆が創意工夫をこらしていました。
一つの図面をもとにしたスツールが、大工の技や地域の材、地域の布で多様な表情を見せる様子は、今年の会場でもひときわ輝いてみえました。
来場者の方々も、「これは会場で購入できるのですか?」「店舗や事務所の設計や計画時にあう家具を探していたのですが、こちらはどうやったら作れるのですか?」という声も。鮮やかな色合いや表情豊かな布に反応される女性の方も多かったです。
また、建築金物の老舗「堀商店」さんや和歌山の紀州産材をつくる「山長商店」さん、小泉誠さんのデザインを伝えるお店「こいずみ道具店」さんも建築マルシェとして新作の屋台で三日間の会期中に特別出店してくださいました。堀商店さんは住宅建築の歴史の礎をつくった吉村順三さんからレバーハンドルを依頼されるなど、住宅の歴史の中で重要な役割を果たしてきた創業120年を超える老舗企業。わざわ座とははじめてのコラボレーションとなりましたが、もしかしたら、一座からも建築金物をオリジナルで企画するプロジェクトがこれからはじまるかもしれません(すごくワクワクします!)。山長商店さんでも、紀州産材を活用した積み木などのオリジナル商品を販売してくださったり、こいずみ道具店さんでは「R定規」が大人気だったり。
屋台を介して品物を購入したり、製品についての話をしたり。屋台という小さな建築が、人と人をつないでくれることの価値や意義も感じる三日間となりました。
(photo 阿部良寛 )
展覧会のために製作されたスツールが一同に会した様子をまとめた「わざわ座」のお知らせ誌面。
大工の技と誠実な素材が全国各地に点在し、少しずつ、住宅業界を元気にしはじめているように感じます。
展覧会とあわせて開催された「ミライセッション」で、家具デザイナーの小泉誠さんと建築家の伊礼智さん、座衆メンバーである田中工務店の田中社長も活動への想いを語ってくださいました。
「大工の手」は家具から住宅設備、そして家具と建築の中間領域へと、「大工の手」の活動の幅もじょじょに広がりつつあります。
展覧会を通して得られたたくさんの気づきをしっかりと活かして、これからも「大工の手」を伝えていきたいと思います。
わざわ座webサイトはこちら
http://wazawaza.or.jp/
記:広報部 伊藤 夕歩